セレンティビティーを生むために必要なこと! MITメディアラボの授業録『「ひらめき」を生む技術』

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MITメディアラボの所長である伊藤穰一さん「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)という本を読みました。

MITメディアラボの授業での対談を書籍化したもので、どの対談もそれぞれの考え方や価値観の深いところに伊藤穰一さんが切り込んでいて、非常に面白い内容です。

この記事内はわかりにくくなるので、伊藤穰一さんが書いた部分以外は、対談者の発言を書いているのですが、伊藤穰一さんの発言も非常に面白いです。

 

「セレンディピティ」という言葉をご存じでしょうか。日本語では「ひらめき」「偶然の幸運」と訳されることが多い言葉です。ラッキーに近い意味ですが、少しニュアンスが異なります。

・そう、ラッキーな人とは、「どこに行っても何かは見つかる」「探しているものは見つからなくても他のものがある」と思える人なのです。セレンディピティはこのように、「探していたわけではないけれど何だか面白いものがあるぞ、ラッキー」ということです。だから、探しているものしか見ていない人、しかも、同じ場所しか探さない人は、残念ながらあまりラッキーになれないということになります。自分の視野に集中してしまったり、あまり本気になりすぎてしまうと、セレンディピティがなくなってしまうからです。

・セレンディピティの特徴が「探していないものをみつけられること」なら、自分の心の持ち方や視野の広さ次第で、自分でそのチャンスを作り出せるということですね。

 

多様な価値観を持つこと

・この、変化が激しく、多様な考え方が求められる時代においては、権威に従う人材より、権威に疑問を持ち、時には逆らえるようなオリジナリティ溢れる人材が求められるようになっているのです。

・「この人は何屋さんなのか?」と一言では説明ができないようなユニークな人間こそ、目まぐるしい変化で先が見えない今の時代を生き抜く上では、必要なのかもしれません。

九つの原則

1.【Resilience over strength】強さではなくしなやかさを持つこと。
2.【Pull over push】「押す」のではなく「引く」こと。
3.【Risk over safety】安全ではなく、リスクを取ること。
4.【Systems over objects】モノではなく、システムに焦点を合わせること。
5.【Compass over maps】地図ではなく、よいコンパスを持つこと。
6.【Practice over theory】理論ではなく、実践に基づくこと。
7.【Disobedience over compliance】服従ではなく、反抗すること。
8.【Emergence over authority】専門家ではなく、クラウド(人々)に向かうこと。
9.【Learning over education】教育ではなく、学習に焦点を当てること。

・僕は多様な人材をコネクトさせればさせるほど、クリエイティビティやイノベーションが生まれると信じているからです。僕に得意分野があるとすれば、異分野同士をつなげるコミュニティ作りです。いつも僕は、それぞれの専門分野で深い知識や経験を持つ、非常にすぐれた人々の中に自分の身を置くようにしてきました。僕にできるのは、適切な文脈とタイミングで、彼らを他の人たちと結びつけることです。

多様な価値観を目の当たりにした子ども時代

・僕は多様な人材をコネクトさせればさせるほど、クリエイティビティやイノベーションが生まれると信じているからです。僕に得意分野があるとすれば、異分野同士をつなげるコミュニティ作りです。いつも僕は、それぞれの専門分野で深い知識や経験を持つ、非常にすぐれた人々の中に自分の身を置くようにしてきました。僕にできるのは、適切な文脈とタイミングで、彼らを他の人たちと結びつけることです。

多種多様な参加メンバー

・世界屈指のデザイン会社IDEO(アイディオ)の創設者デビッド・ケリーは「クリエイティブ・コンフィデンス(創造する自信)」を持つことの重要性を唱えています。これは、僕もとても好きな言葉です。人は誰でもクリエイティブになり得る力を持っているのですが、自分のクリエイティビティに自信が持てなくては、イノベーションを起こすことはできません。

・クリエイティブ・コンフィデンスがあり、社会的にインパクトのあるものを作ろうという意欲のある人こそが、まだ世の中にない、新しいものを生み出せるのだと僕は思います。

 

モノ作りは、霧の中のドライブーJ.J.エイブラムスを迎えて

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計画性と突発性のバランス

・僕はもっと即興性を大事にしたいと思っています。撮影現場でも、全てのシーンを絵コンテやアニメーションにしておきたいとは思いません。そうしてしまうと、現場に行って、ただ事前に決められたことをなぞるだけで終わってしまいますから。  それより、僕はその場で感じる「これが正解だ!」と思ったことを実行するのが好きです。セリフを全て固めてしまっては面白くないでしょう?

アイディアは常にオープンでいること

・「偉大」と言われる発明の多くは、作ろうと思って作られたものでないことは周知の事実です。  僕が興奮するのは、そういう予測できないことが起きた時です。

・そのひらめきに必要なのは、観客の考えや自分の考えに気づくこと、そして俳優たちの声に敏感になることです。また、スタッフの中に全く違う観点で見ることを可能にしてくれる、素晴らしいアイディアをもっている人がいるかもしれません。一番いいアイディアにオープンでいること、そして物事が展開していくことを見守る姿勢がとても大事だと僕は思います。

観客の意見はパズルのピース

・オンラインで書かれた観客のコメントが、自分がひらめいた時に発した「どうしよう! すごいことを思いついたぞ! こんなのあり?」と、全く同じだったりすると、言葉で言い表せないほどの興奮を覚えます。  こういう観客との関係は、すごくクールだと思います。

目指す方向と飽くなき情熱を共有する

・目指す方向と飽くなき情熱を共有できるからこそ、僕がどんな仕事に取り組む時でも、180度違う仕事をしている異業種の人たちともつながることができるのです。

・自分と違う分野のことをもっと理解し、「これは、こういうことだ」と、実際にその分野で活躍している人たちに面と向かって教えてもらう機会が増えれば増えるほど、憶測ではない本物のリアリティを作品に取り込むことができるようになります。このようにして実際、いい作品が生まれているのだと思います。だから、あらゆるコミュニティがもっと対話をすれば、社会的にもいい影響があると思うし、例えば医療の分野なども、もっと発展するのではないかと思います。

 

現場で生きるコー・デザインーティム・ブラウンを迎えて

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・デザインと、一口に言っても色々ありますが、大まかな意味で、そして高いレベルでは、デザインというのは、必要なものを見極め、現実にするものだと思います

・究極的に考えて、デザイン的思考法、すなわち、デザイン・シンキングとは、何世紀もの間、先人のデザイナーたちが構築したツールを、ビジネスや社会や政治といった分野の、あらゆる事例に当てはめる行為と言っていいでしょう。それだけ、先人のデザイナーたちの仕事は、合理的で理にかなったものだったように思います。

デザインは思っていた以上に、広範囲に及ぶもの

・デザインは、形があるものをデザインすることから、コミュニケーションやプロセスをデザインするものに変化していったのです。

たまにコントロールを失うことが大切

・私はニュートン的なデザインの考え方ではなく、ダーウィン的なデザインの考え方の方がよりあてはまるような気がします。つまり、デザイナーである我々は、物事を常に発展し、変化することと踏まえ、コントロールを失うことが時には必要であり、それで終わりということは決してない……という考え方です。それこそが、プラットフォームではないでしょうか?

制約にはどう対処すればよいか

・よくあるのがクライアントの注文の視野が狭すぎて、制約が多い場合です。そういう制約を与えられた時には、もう少しその制約を減らしてもらい、結果的に面白くて、インパクトのあるものになるよう、視野を広げ、プロジェクト自体を大きくとらえてもらうようにしています。

・システムの周りを考えるキャパシティーをもつことが大事になってくるのです。そして、そのシステムの中で何が問題か見極める目が大切になってきます。

ユーザーの、ユーザーによる、ユーザーのためのデザイン

・我々は、ユーザーを考える場合、〈For, With and By(ユーザーのための、ユーザーと一緒に作った、ユーザーによるデザイン)〉をモットーとしています。「ユーザーの、ユーザーによる、ユーザーのためのデザイン」は、世の中に衝撃を与え得るし、面白い結果を招く可能性が十分あると思うからです。個人のたった一つのアイディアが、全ての事例に当てはまるとは決して思いません。

・IDEOがすすめているものの一つにコー・デザイン(Co-design)という概念があります。これは、ユーザーと一緒に考えながら一緒にデザインして作り上げるというものです。

コー・デザインの可能性

・デザイナーというと、ビジュアルデザインのイメージが強いと思いますが、こういうプロセスのデザインも、世の中にインパクトを与える大事なものだと思います。もちろん、各々のケースによってツールも手段も異なりますが、デザインのプロセスにユーザーを巻き込むことには大きな成果があるし、大いに活用すべきだと私は思います。

 

変化を恐れない、起業家精神を持てーリード・ホフマンを迎えて

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起業家的なものの考え方を身につけよう

・起業家的な考えを持つことが大事なのです。起業家がどうやってビジネスを市場に合わせ、競争を生み出し、賢いリスクを取るかというような考え方を持たなければなりません。これら全てのことが、一個人がこの時代をどうやって生き抜いていけばいいかということのヒントになり得ると僕は思うのです。

あらゆるブレーンを集めることが鍵

・起業家たちにとって大事なことは、その商品にぴったり合う市場を探すことです。でも、初期の段階で、それを見出すことは難しいですよね。その商品が当たるという徴候を見つけることが大切なのですが、みんなそのためにデモを作ってみたり、色々試してみたりします。でも、最も大事なことは、様々なネットワークを通じ、どれだけの人の知識を取り込めるか、ということです。

逆張り思考で跳ね返す

・素晴らしいアイディアの実現は、こういう経過を辿ることが必要なのです。そして、表向きには上手くいかなそうでも、自分の逆張り思考を正しいものとして押し通せる根拠がしっかりないといけません。僕が辿り着いた結論は、プロジェクトを進める割と早い段階で、自分たちと一緒に冒険してもいいという人物を、何パーセントか集めることが出来れば、それはゆくゆく何百万人に届く成功プロジェクトになる可能性が高いということです。

ネットワーク社会では、セレンティビティが起こりやすくなった

・可能な限り正しいネットワークを持つようにすれば、セレンディピティは起こりやすくなったと思います。例えば、ある問題にこの答えが最良の解決法の場合、「答えを探している問題があるわけではない。問題を探している答えがある」という言い方をするのはどうかな? どちらにしても、答えと問題の両方を近づけようとすることには変わりはないのですから……。
それでも上手くプロジェクトが進まない場合は、おそらく人のネットワーク──つまり、色々考えることができる人、知識を持っている人、分析する人、あるいは問題を解決できる人──に問題があります。

・これまでは、「これを解決したいけれど、何を使って解決すればいいのだろう?」というのが、従来の考え方でした。しかし、逆の探索、つまり「ここに物体があるけれど、これは何を解決するものだろう?」と反対から探索する機会は、ネットワーク社会においてますます増えていくことと思われます。

ABZプランニングのすすめ

・まず「最初の何歩かはこれでいくけど、場合によっては、柔軟に対処する」という考えで大抵のプロジェクトは始まりますよね? 多くの場合、この「場合によっては……」の部分はプランBと呼ばれます。そして、ここでみんな間違えてしまうのが、「プランAが失敗したら、プランBに乗り換えればいい」という発想です。なぜなら、実際にはそんな都合よくは進まないからです。

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・プランZは本当の意味で知的なリスクを取ることが要求されるものです。プランAを進めても、プランBで用意された様々な代案を採用しても上手くいかない場合に登場します。当初考えていた計画案も当てはまらない時です。そういう時に、プランAをリセットする全く違う案がプランZです。

より大きな可能性を探して、方向転換する

・私の秩序──敢えて〝秩序〟という言葉を使うのであれば──とは、方向転換を探るために周りを見る行為そのものなのかもしれません。なぜなら、方向転換をする時は単に「ああ、大きな問題に直面した。どうしよう?」ではなく、「もっと大きな可能性が見えてきた」というもの以外のなにものでもないからです。私は、いつも喜んでその可能性に挑みたいと思っています。

粘り強さと柔軟性が鍵となる

・僕が起業家たちにいつもアドバイスするものに、「粘り強さ」と「柔軟性」という二つの相反するものがあります。粘り強さは、ビジョンをもち続け、逆境や「クレイジーなんじゃない?」と言う人たちに立ち向かう強さのことをいいます。というのも、独自の道を切り拓いた最先端の起業家たちの多くは、長い間周囲の「クレイジーなんじゃない?」というセリフに耐え抜いて起業しているからです。  もう一つは柔軟性です。データをよく見て、市場を理解し、条件によって加えなければならない変更に目を向けるというようなことです。問題は、どうやってこの二つを組み合わせるか? ということです。

 

コメディとネットは、人をつなげるかーバラチュンデ・サーストンを迎えて

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コメディはユーザー・インターフェースとして機能するか

・「ユーザー・インターフェースとしてのコメディ」って、すごく聞こえがいいね。僕のやっていることが高尚に思えてくるよ(笑)。まるで、メディアラボのプログラムみたいじゃない? 「ザ・コメディ・ユーザー・インターフェース・グループ」。うん、いいね、素晴らしい!

・僕はコメディを言語として捉えています。インターフェースとして。世の中の難しくてややこしい、読解が困難なことを、みんなが分かりやすいように解説する一つの手段がコメディだと僕は感じています。

笑いはマジック!

・最初に駆り立てられたのは、「世の中で起こっている様々なことを、みんなもっとよく知るべきだ。また、それについての僕の意見を、傲慢かもしれないけど、みんなにも伝えたい」という使命感でした。だから、今でも僕はみんなの前に立ち、マイクに向かって、今世の中で起きていることについて話すのです。そこにはもちろん僕のエゴもあります。でも、コメディは我々が住んでいる世界を、よりよく理解するために必要不可欠なツールだと思います。

・人間的な部分は必ず存在すると思います。そして、その人間的な部分の多くを占めるのがコメディだと思います。なぜなら、笑いはマジックですから。体にも心にも深く訴えかけ、感情的でありながら、知的でもある、そういうものなのです。人々を、すごく特別な気持ちにさせてくれるものだと、僕は思っています

一人でショーが作れる時代

・近年のこの新しいメディアの形は、人が簡単につながることを可能にしました。そして、政治的権力であろうが経済的な権力であろうが、あらゆる種類の権力に打ち勝つことを可能にしました。

他人に評価に左右されず、自分の作品を発信できる

・自分でショーを作って、発信して、観客を得ることができるようになりました。業界内での形勢が逆転したのです。

 

クリエイティブな現場主義

4人の共通点とは? 彼らから何を学ぶか?

・今回登場してもらったJ.J.エイブラムス、ティム・ブラウン、リード・ホフマン、バラチュンデ・サーストンは、僕が尊敬する大事な友人たちです。人間的に豊かで、非常に知的で面白い彼らの話から見えてくるのは、彼らの謙虚さと本音、そして世の中を変えたいという熱い思いではないでしょうか。

・4人とも「プラクティス・オーバー・セオリー(理論より実践)」をモットーとしているところも見逃せません。

・なぜそこまで現場を見たり、技術を知りたがったりするのかというと、自分の行動に意味があることをしたい、自分たちのメッセージをきちんと世の中に届けたいということに真剣だからだと思います。  だから、年下だろうと年上だろうと、外国人だろうと、相手にどんどん質問をします。相手の言ったことに対して、みんな3倍くらい質問をぶつけるような人たちだからこそ、進歩し続けるのでしょう。

日本も昔は現場主義だった

・本来、日本も現場をとても重要視する国だと僕は思うのです。日本の歴史には、どちらかというと、理屈抜きの学びの方が多かったといっても過言ではありません。むしろ多すぎたくらいといってもいいです。

・本を読んで勉強して学ぶより、仲間同士生きた経験を現場で重ね、実際にやってみて──ものであれば実際に作ってみて──学んでいくことの大切さを見直すべきです。それこそが、イノベーションにつながると僕は思います。

・現場を目の当たりにして、初めてみんなが直面している問題や求めているものを理解できると思うのです。そして、コミュニティの人たちと一緒になってデザインするコー・デザイン(Co-design)こそが、地域や社会を活性化させるのではないかと思っています。

メディアラボが目指す現場主義

・一昨年、メディアラボの僕のチームと、デザイン会社であるIDEOのクリエイティブ系スタッフとでデトロイトに飛び、現地のコミュニティの若者たちと色々話し、何か連携できるものはないか探りに行ったときのことです。案内人はディレクターズ・フェロー・プログラムのメンバーの一人でもあるシャカ・センホールという作家です。我々さえよければデトロイトの真の姿を見せてくれると申し出てくれたので、すぐにお願いしました。

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・シャカの経歴は驚くべきものです。荒廃した都市である、デトロイトで生まれ育ったシャカは、10代の頃から麻薬取引に関わり、19歳の時には殺人事件を起こし、3年前まで服役していました。しかし、刑務所にいる間に自分を見つめ直し、悟りを開いて、現在は『Writing My Wrongs(自分の過ちを著す)』といった本を刊行し、主に著述業をしています。

・執筆活動の傍ら、若者たちに「自分と同じ過ちを犯すな」と訴え続けています。「荒廃に圧倒され、悪いことばかり考えてしまう。コミュニティの再生のために一番大切なことは、人と人のつながりを生み出すことだ」と主張するシャカは、今、コミュニティ・リーダーとして非常に面白い注目すべき人物です。

現場から社会にインパクトする方法

・「どうやってユーザーと一緒に考えて、インパクトのあるものを作るか? そして、ローカルな現場でしか分からないような技術開発をエンパワーメント(個人や集団が自分の人生の主人公となれるように力をつけて、自分自身の生活や環境をよりコントロールできるようにしていくこと)するためには、どうしたらいいか?」ということを、コー・デザインは僕たちに教えてくれるのだと思います。

・イノベーションは、このようにコミュニティの中で現場の人たちと一緒に考えた方が、社会的にも経済的にもいい影響を与えるのではないかと思います。現場で様々に工夫し、変えようとしている人たちをどうしたらサポートできるか、という視点の方が、ただ上からポンと落とすようなデザインより、はるかに魅力的なものが生まれると思います。

日本は豊かすぎて、苦労するチャンスがない!

・僕は、そういう助け合い、学び合いの場を作ることそのものが、一つのイノベーションかもしれない、とも感じています。でも、経営者や学者といった頭がいい人たちの多くは、コミュニティで助け合うことに興味を持ちません。むしろ、普通のいわゆるワーキング・クラスの貧しい人たちの方が助け合う傾向が強いし、シャカもそうですが、苦労してきた人間の方が人間的に優しく、強い傾向にあると思います。

・自分と違うものを受け入れ、手を差しのべるという懐の深さ、真の意味でのダイバーシティ(多様性)は、ダライ・ラマが言うところの慈悲(コンパッション)に通じると思います。そして、それは、いわゆる共感(エンパシー)につながっていくのですが、色々な人に対して共感や同情(シンパシー)を感じることによって、人の心は広がっていくのではないかと思います。僕ら日本人は、このエンパシーを持つことが苦手です。身内には強い絆を持つけれど、無関係の人と心でつながろうという動機が希薄なのかもしれません。

・コンパッションといっても、なにもそんなに難しいことではありません。親戚や身内や仲間ではない人でも、人間として認め、ちょっと困っている様子が見受けられたら、手を差し伸べるといった単純なことです。相手の身になって考えることが、コミュニケーションには欠かせません。狭い自己中心的な世界から一歩を踏み出し、視野を広く持つことができれば、自殺や引きこもり、ニートといった日本が今抱えている社会問題や、コンパッションの欠如が生み出す典型的な症例といってもいいいじめの問題も改善されるのではないでしょうか。現代の日本人に足りない、生きる意義や働く意味も生まれるような気がします。

「ひらめき」を生む技術 (角川EPUB選書)より)

 

タイプが違う4人の対談者の話はどれも非常に重要な示唆があって面白いです。

一メディア運営者として面白いなって思ったことは、バラチュンデ・サーストンの「ユーザー・インターフェースとしてのコメディ」の部分です。

バラチュンデ・サーストンのことは今まで知らなかったのですが、このことに取り組んでいるのがBuzzFeedUpworthyなんでしょう。

 

また、エイブラハムの「僕はもっと即興性を大事にしたいと思っています。」という部分とリード・ホフマンの「ABZプランニング」って結構似ているのかなって思いました。そしてこのことはゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるかの内容とも近いです。

まあ、ホフマンもペイパルマフィアの一人なので、当然かもしれませんが。

 

そして、最後の伊藤穰一さんの部分がめちゃくちゃ共感しました。

「自分と違うものを受け入れ、手を差しのべるという懐の深さ、真の意味でのダイバーシティ(多様性)は、ダライ・ラマが言うところの慈悲(コンパッション)に通じると思います。そして、それは、いわゆる共感(エンパシー)につながっていくのですが、色々な人に対して共感や同情(シンパシー)を感じることによって、人の心は広がっていくのではないかと思います。僕ら日本人は、このエンパシーを持つことが苦手です。身内には強い絆を持つけれど、無関係の人と心でつながろうという動機が希薄なのかもしれません。」

この共感力とかって本当に日本人って乏しいと思うんですよね。ヘイトスピーチとかもそうですし、色々なNPOの活動への反応を見ていてもそのことを感じることがあります。

共感力がもっと日本人に身に付けば、もっと日本はいい国になるはずです。

 

 

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日本社会に必要な共感力 そしてこれからノブレスオブリージュが根付いていかなければならない

 

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