アイディアでビジネスを成長させる! 「グロースハック 予算0でビジネスを急成長させるエンジン」

 - 

 -  >

 -  スタートアップ, マーケティング, 書評 ,

The Startup | テック系オピニオンメディアというブログでスタートアップ関係の情報を発信し、「Umeki Salon」というスタートアップ関係の著名人が数多く集まる有料オンラインのサロンの運営も行っている、梅木雄平さんグロースハック 予算ゼロでビジネスを急成長させるエンジンを読みました。

以前読んだ、グロースハッカーよりも具体例がたくさんあり、マインドセット的なことだけではなく、具体的な手法を知ることができたので、非常に面白かったです。

 

・本書でのグロースハックの定義は、「極力お金を使わず、仕組みやアイディアでサービスを継続的に伸ばすこと」とする。

・筆者は、「グロースハック」は拡張性のある概念であると、数々の取材を通して感じてきた。インターネットサービスにのみ通じる概念ではなく、ビジネを伸ばすために幅広く応用できる概念であると考えている。

 

グロースハックとグロースエンジンの概念

・グロースハックの目的は新規ユーザーの獲得だけでない。登録ユーザーにいかにプロダクト/サービスを楽しませてリピートしてもらい、その対価として、場合によってより多くのお金をプロダクト/サービスに費やしてもらう必要がある。広く定義すると、「生涯顧客価値(ライフタイムバリュー:LTV)を最大化するための仕組み」と言い換えることも出来るだろう。

・プロダクト/サービスの成長(グロース)を、エンジニアリングの力を利用して仕組み化(ハッキング)すること。この2つを組み合わせて「グロースハック」と呼ぶ。こうしたグロースハックを担う人材を「グロースハッカー」と呼ぶ。

2014 07 23 23 23 32

・データ分析を元に改善を続けることはグロースハックの近道になるが、データ分析が全てではない。データを重視しつつも、データに囚われないクリエイティブな発想がグロースハックには不可欠である。

グロースハック思考に必須のフレームワーク「AARRR」

・AARRRは、ユーザーがサービスを利用し始めて、夢中になっていき、そのサービスにお金を支払うようになるまでのバリューチェーン(付加価値連鎖)であると言い換えることも出来る。

AARRRのフレームワーク

2014 07 21 15 07 15

Acquisition(アクイジジョン):ユーザー獲得ー「認知」と「会員登録」の段階

Activation(アクティベーション):ユーザー体験の最大化ー初回利用の満足度を上げる

・サービスの満足度が高ければ、ユーザーは再びそのサービスを利用しようと考えるだろう。

・ポイントは「最初の利用で」ユーザーが良い体験をし、また使いたいと感じてもらえるかどうかだ。

Retention(リテンション):ユーザーの再訪、リピート訪問ーユーザーに再利用を促す施策

・パソコン向けの施策であればメールマガジン、アプリであればプッシュ通知などが、ユーザーにそのサービスの存在を想起させ、再訪させるきっかけとなる。

Referral(レファラル):ユーザー自身が別のユーザーの利用を促すー口コミが発生する仕組みや施策

口コミが自然発生するような仕組みが、そのサービスに内在しているか否か。現代においては「ソーシャルメディアでどれほどシェアしやすいサービスであるか」とも言える。

Revenue(レベニュー):収益化ーサービスの特性ごとに異なる収益化方法

・ユーザーがそのサービスを利用することで、いくらの価値をもたらすのか。

・AARRRの各施策に取り組むことは、至極地道で地味な作業だ、しかし、その地道な作業でグロースハックを実現した先には、より多くのユーザーを獲得できる。サービス提供側のグロースハックが進むことで、ユーザー側も、自分にとって便利なサービスをより多く出会えるようになる。

 

グロースエンジン

グロースエンジンの定義

・ユーザーグロースを生み出すためのあらゆるアプローチシステム、プロセスのこと、場合によっては、反自動化できることもある。

2014 07 21 15 07 54

①の「オフライン広告」はプロダクトと切り離されたグロースエンジンといえる。プロダクトの使用感に関して口コミが発生したり、ブログやメディアで紹介されてユーザーが増えるのがこの状態であるといえる。プロダクト自体がグロースエンジンになっているわけではなく、あくまで外部要因でのユーザーグロースとなっている。

②の「他社サービスとのAPIインテグレーション」は、最もわかりやすいのはTwitterやFacebookなどのソーシャルメディア連携によるものだろう。プロダクトの利用を開始したことを、ソーシャルメディアを通して投稿させたりする。

③が「完璧な『プロダクト・マーケット・フィット』」の状態にあるとされているが、これはどういうことだろうか。一般的には、プロダクト・マーケット・フィットは「顧客が製品に満足している状態」と訳される。しかし、ここではグロースエンジンがプロダクトの中に内包されている状態であると説明した方がしっくりくる。

 

成長サイクルを作り上げたグロースハック代表事例

会員登録フォームで登録率向上 高級旅館予約サイト「relux(リラックス)

・2014年現在は会員数2万5000人。高品質の写真による旅館紹介が人気のFacebookページは、ファン数(Facebookページの「いいね!」を押した数)が7万人を超える。

2014 07 24 00 19 39

・ユーザーインターフェース(UI)やデザインセンスはプロデューサーのいこうやデザイナーの主観に依ってしまうところが大きい。客観的なデータ分析を元に、世路よい成果を出すデザインへ改善し続けていくことはグロースハックの考え方の定石と言える。

・通常、Facebookページのファン数に対して、投稿に「いいね!」が付く率は1%あれば高い方だと言われている。しかし、reluxではファン数に対する「いいね!」率が10%を超えることもあり、平均は一桁台後半で推移している。

・「Facebookページへの投稿は相当こだわっています。reluxはサイト受に掲載している写真の質が高く、写真の力を最大限活用するようにFacebookページでの表示に合う適性サイズでの投稿を心がけたり、投稿するテキストもA/Bテストを繰り返し、最適な投稿へとチューニングしてきました。」

・口コミを誘発させる施策は主に2つある。1つがFacebookフレンド登録通知機能、もう1つがクーポン機能だ。

 

新規ユーザー獲得(Acquisition)

A/Bテスト簡素化プラスグロースハッカーのクラウドソージングツール「planBCD

・planBCDは、グロースハックを実現するためのツール/サービスだ。面倒なA/Bテストを簡略化したり、改善案の提案もしてくれるグロースハッカーへのアウトソージングも提供する。

・A/Bテストにはコツがある。例えば、登録フォームのファーストビューでメールアフォレスに入力するフォームがある場合と、ファーストビューにはなくてクリック後のページ遷移後にメールアドレスフォームが表示される場合では、前者の方がコンバージョン率が高いという。

・「施策を実行する際に、毎回承認を必要としている組織では改善のスピードは出ません。データ分析を元に改善施策を回していくので、大抵の場合は上司の意見よりもユーザーのログから導きだす結果が正しいですね。施策は手数を打つことが大事で、データ分析を元にした施策であれば承認フローを儲けずにどんどん挑戦することが一番の改善の近道です。現場への権限委譲を進めることがグロースハックマインドのある組織の実現には欠かせないでしょう。」

・planBCDで定義するグロースハッカーは、マーケティングマインドのあるデザイナーだという。新規会員登録率を上げるなどの予見に対して、どうデザインやキャッチコピーを変えれば効果が出るか、デザインや言葉に起こせる人材を指すそうだ

 

ユーザー体験最大化(Activation)

検索結果を保存して成約率が向上スマホ用フリマアプリ「メルカリ

・「購入」から「購入手続きへ」と文言を変えたところ、ボタンのクリック率が向上したという。

・マクロ的な視点では、利用者に「どのようにアプリを使って欲しいか」を設計するのがユーザーエクスペリエンス(UX)最大化に必要な視点だが、サービスの成長段階によって理想的な使い方も異なるため、その点に配慮したUI設計を行った。

・利用者はブランド名やアイテム名で件sか牛、欲しい商品を表示する。通常のEコマースでは、商品を個別に「お気に入り」する昨日があり、メルカリでも「いいね!」すればマイページの「いいね!一覧」で個別商品を閲覧できる。しかし検索結果の保存により、「いいね!」までしなくとも、後々検索結果を見返して購入に至ることも多いという。

・「検索結果」の実装後に、「検索結果の保存」機能を実装した結果、感覚値で検索数が1.5倍に伸び、制約数も伸びたという。

・問合せを類型化してガイドに実装するというのは、非常に地道ながら多くのサービスに応用が利きそうな盲点である。

 

継続率向上(Retention)

リテンションを上げるアプロプッシュ通知つーる「Growth Push

・継続率を高める仕組みは数あれど、アプリサービスでは「プッシュ通知」が1つの定石といえる。アプリプッシュ通知を最適化するツールである「Growth Push」の特徴と、プッシュ通知について説明する。

・モバイルアプリにおけるプッシュ通知は、パソコン向けサービスにおけるメールマガジンと同じ役割と考えられる。そしてプッシュ通知の文言は、メールマガジンでいう「件名」に相当する。文言内容次第で、プッシュ通知からアプリを再訪する確率が全く異なる。

・プッシュ通知を目障りに感じるユーザーもいるかもしれないが、Growth Pushを利用したプッシュ通知のように、ユーザーの利用状況に応じて通知タイミングや文言を最適化したものであれば、目障りに感じられるリスクを低減できる効果も見込めそうだ。

 

バイラルで拡散させる仕組み(Referral)

「続きを読みたければシェア」でユーザー数を伸ばした「マンガボックス

・多くのサービスにおいて、新規ユーザーはサービスを理解するため、実際に利用を始める前に「チュートリアル」と呼ばれるガイドに従ってそのサービスを理解する。本書執筆のための取材の際に、このチュートリアルを改善することがグロースハックに繋がったという事例を他社でいくつか聞いたことがあった。

・ソーシャルゲームでは、「チュートリアル突破率」というKPIを置いて、運用する場合もあるようだ。

・マンガボックスはチュートリアルをいかに最小限に抑えるかを考えた。考え抜かれた1枚が次のページの例だ。

2014 07 24 08 36 06

・マンガボックスは毎週30〜40作品ほどが1セットとなって「○号」という形で配信され、その中の3〜5作品ずつを毎日公開していく仕組みだ。1話の長さは週刊マンガ雑誌とほぼ同じ長さ。週刊マンガ雑誌と異なるのは、来週配信予定の続きがすぐに読めるという点にある。話の最後のページを捲ると「シェアして次号分を先読み」という画面が登場する。

・シェアする際の文言も工夫し、意図的に口語調にしてユーザー同士の自然な会話に発展することを期待し、バイラルさせることを狙っている。シェアにより、次の図のようなTwitter上のやり取りが発生したりもする。デフォルトの文言に手を加えず、そのままシェアしているユーザーも多いようだ。

2014 07 24 08 55 55

・マンガボックスのサービス自体が、ユーザーに継続利用を促す仕組みになっている点も見逃せない。

2014 07 24 08 53 29

・習慣という更新リズムと、各号の中でも毎日更新があるという点で、ユーザーの再訪欲求を高める。それに加えて、アプリならではの隙間時間の暇つぶしに5分程度でサクッと読める点もユーザーに好まれているはずだ。

2014 07 24 08 58 07

 

収益化(Revenue)

ターゲットへの認知拡大にクラウドファンディングを利用した「co-ba

・co-baは、2011年12月から運営を開始した渋谷のコワーキングスペース。

・リアルビジネスも、インターネットの力を活用することでグロースハックできる、その好例としてco-baを取り上げたい。

・スタートアップのプロジェクトにおいては、プロジェクト開始時の賑やかしに友人などにソーシャルメディアでの拡散を依頼したり、応援的な意味合いでシェアされることがある。そうではなく、真のターゲットユーザーの目に触れるために、資金集めではなくプロモーションを主目的としてco-baはCAMPFIREを選んだ。そして、目標以上の資金を集めつつ、目的であったクリエイター層のインフルエンサーへの認知も得ることができた。

・この施策でco-baはオープン前に多数のファンを獲得した。一般に認知工場のためのPRは資金が必要なものだが、お金がかかっているどころか、逆に調達できてさえいる。こうしたアイディア1つとっても、グロースハック的な思考といえる。

・co-baプロジェクト時に、Facebookページでの施行家庭の様子を発信し、ファンが家庭を楽しめるようにしてきた。このco-baライブラリープロジェクトの際には、なんとUstreamでの24時間配信を行った。

・動画制作の場合は費用がかかるが、カメラを置いてUstreamで生中継するのであれば編集コストはかからない、むしろ、現場の生々しさがコンテンツとなり、手触り感のある場所として視聴者の心をくすぐったかもしれない。

・co-baでは「フリードロップイン」という制度を用意した。「ドロップイン」というのは、通常co-baでは1日あたり2000円で施設を使える制度で、コワーキングスペースでは一般的な用語だ。

 

グロースハックの要点

1.グロースハックの考え方

・従来のマーケターは、テレビCMやリスティング広告など、広告費を投下してターゲットユーザーの認知を上げ、プロダクトやサービスの利用に結びつける仕事が多かった。グロースハックは、極力予算を掛けずに、仕組みやアイディアで継続的にユーザー獲得を目指す手法を指す。

・自分が手がけるサービスのAARRRは空で言えるように、紙に書き出してみたり、チームで共有するべきであろう。

2.グロースハッカーに必要な資質

・1つの分野の専門家ではなく、複数分野においてある程度の専門性を持っていること、専門家の専門性を100とした時に、80〜90くらいの専門性を持っていることが望ましい。こうしたスキルセットを持つ人材を「アンブレラ型人材」と呼ぶ

・失敗を恐れずに挑戦し続けるマインドセット

・リーンスタートアップ的なスタンスで高速にPDCAを回せる力

あなたのサービスに適用する3つのグロースハックチェックポイント

・サービスのユーザー体験をAARRRに分解し、各段階で想定できる施策を考えよう

・グロースエンジンは何か、①オフライン型、②プロダクト連動型、③プロダクト内包型の3つの可能性を探索しよう

あなた自身がグロースハッカーになると仮定して、失敗を恐れずに挑戦し続けるマインドセットがあるか、自分に足りない専門性を小河なう人材が周囲にいるかどうか、周囲にいなければ調達する必要がある。

3.新規ユーザー獲得(Acquisition)に効果のある施策

認知段階(自社サービス内完結型)

・広告バナークリエイティブのA/Bテスト

・キャッチコピーのA/Bテスト

・メールフッターに一行

認知段階(社外サービス利用型:全てほぼ無料でできる施策)

・他のプラットフォームサービスへの投稿を連携

・自社コンテンツを外部メディアに無償提供

・クラウドファンディングの利用

・サービスリリースまでの制作過程をFacebookページやUstreamで公開

オフラインでの施策

・金銭的ではなく、魅力的なブランディングによるブロガー、インフルエンサーの巻き込み

・ターゲットユーザーがいる場所でのキャンペーン

登録段階

・ランディングページ・オプティマイゼーション

・新規登録フォーム最適化

・非会員には商品価格を見せない

4.ユーザー体験最大化(アクティベーション)に効果のある施策

・ユーザーが繋がるアカウント数は、SNSを利用する上で接触できるコンテンツ数を増大させ、ユーザー体験の最大化に繋がり、ひいては継続率向上にもつながる。

・チュートリアルの最適化

5.継続率向上(Retention)に効果のある施策

・サービス内へ再訪したくなる心理を生み出すことで、サービスを普通に利用するだけで継続利用率が向上する仕組みとなっている。

サービス外部から再訪させる

・プッシュ通知の最適化

・メールマガジンの最適化

Facebookページへの投稿

6.口コミ拡散(Referral)に効果のある施策

・友人招待

サービスの外部への投稿

・ソーシャルメディアなどへの拡散でマンガの続きを読む

・非会員にビデオメッセージ(スパムメールではなく、それ自体見てみたいというコンテンツ力の高いモノ)

・アプリのレビューの投稿で希望のスタンプを作成

7.収益化(Revenue)に効果のある施策

・フリーミアム的な初回無料利用

・収益化に有用なグロースハック事例は、実はまだまだ少ない。

8.サービス担当者あら誰しも考えるべきグロースハックの必須項目

グロースハック 予算ゼロでビジネスを急成長させるエンジン

 

 

この記事内には、6個の事例しか掲載していませんが、これ以外にも20個の面白いグロースハックの事例がたくさんあります。

そして昨年末のNPOセミナー納め | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!に参加してからNPOサポートセンター笠原孝弘さんが2014年度習慣化したトレンドの一つにグロースハックを紹介していたので、グロースハック関連の情報はちょくちょく見ていましたが、書籍として体系的に得られる情報はまだ他にないので、非常にオススメです。

 

スタートアップでもグロースハッカーは人材不足なので、NPOでグロースハックが習慣化されることはまだまだ先そうですが、グロースハックに近いことを行っているNPOやソーシャルビジネスは色々あるので、近々それに関連して書いていこうと思います。

 

 

関連記事はこちら。

地道な改善で成長させる 「グロース・ハッカー 会社もサービスも劇的に成長させるものの売り方、作り方」 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!

 

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

はてなブックマークに追加

 更新をチェックする! follow us in feedly

カスタム検索

Popular Post

Copyright© 新卒フリーランサーのブログ!2014 All Rights Reserved.