私たちの行動に本当に自由意志はあるのか? 「エド・ヨン: 自殺するコオロギ、ゾンビ化するゴキブリ、その他の寄生生物にまつわる話」

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先週のNHKのスーパープレンゼンテーションでの、TEDのプレゼンが非常に面白かったです!

タイトルは、「自殺するコオロギ ゾンビ化するゴキブリ…寄生虫にまつわる物語」というタイトルで、寄生虫に関する非常に興味深いプレゼンテーションです。

 

私たち人間にとって自由意志や独立は大変重要なものですが、陰に潜む影響力の存在に気付いているでしょうか。サイエンスライターのエド・ヨンが、驚くほど巧みに他の生物を操る寄生生物の薄気味悪い話を面白おかしく語ります。もしかすると私たちの行動も影響を受けているのかも? 可能性は無視できません。

エド・ヨン: 自殺するコオロギ、ゾンビ化するゴキブリ、その他の寄生生物にまつわる話 | Talk Video | TED.comより)

 

このような概要で、非常に興味深い内容ですので、一部の内容を紹介していきます。

もちろん人間だって、操作されることはよくあります。薬物で脳内の化学物質のバランスが変わると、気分が変わります。議論や広告・ビッグアイデアというのも、相手の考えを変えるために使うわけでしょう?
でも このような手法も寄生虫の研ぎ澄まされた ― 的確さに比べれば雑なものです。
『マッドメン』のドン・ドレーパーだって エメラルドゴキブリバチの手際の良さには憧れることでしょう。
寄生虫が不気味で、かつ興味をそそるのはそこなんです。自由意志や自由な考えというものを重要視する我々にとって、それを見えない力によって、奪われてしまう可能性は私たちの深い社会的恐怖をそそります。
オーウェル的ディストピアや秘密結社人の心を操る悪の親玉これらは人を怖がらせる物語の中の存在ですが、でも自然界ではそこら中に存在します

もちろんそう知るとこう考えざるを得ません、気付かぬうちに私たちの行動に影響を及ぼしている。
不気味で邪悪な寄生者がいるのではないか ― NSA以外にも? そんなものが ― (笑)(拍手) もしや狙撃手の照準が私の額に当たってませんか? (笑)

そんなものがいるとしたら、これが良い候補です。
トキソプラズマ、短く「トキソ」と呼びます。怖いものは かわいい名前で呼ぶのが良いですね。トキソは哺乳類に寄生します。
様々な哺乳類に宿るのですが、生殖はネコの体内でのみ可能です。ジョアン・ウェブスターなどの研究者が発見したのは、ネズミに入り込んだトキソはネズミを「ネコ追尾ミサイル」に、変えてしまうということです。
宿主のネズミは、ネコの尿の匂いを嗅ぐとそれに惹き付けられ、匂いの元に向かって走るのです。
本来なら、反対方向に逃げるべきところを、ネコはネズミを食べ、トキソはネコの体内で恋をします。
これが有名な『食べて、祈って、恋をして』 という物語です (笑)(拍手)

なんて優しい人たちなんだろう。エリザベス(ギルバート)素敵なお話をありがとう

でも、寄生虫はどうやって宿主をこのようにコントロールするのでしょう?
まだよくわかっていません。トキソが作る酵素はドーパミンの元になります。ドーパミンは、やる気や報酬に関わる物質です。
この物質はネズミの脳の特定の部位、性的興奮を感じる部分などを刺激します。でも、これらがどう組み合わさるかは、今のところ明らかになっていません。
明らかなのは、この生物が単細胞であること神経系もなければ、意識だってありません。体すらないんです。
にもかかわらず、哺乳類を操れるんです。私たちも哺乳類です。ネズミよりはずっと賢いですが、でも、脳の仕組みは基本的に同じです。
同じような細胞で構成され、同じ化学物質が働き、同じ寄生虫を持っています。推定値にバラツキがありますが、あるデータによると世界の3人に1人は、脳にトキソが寄生しているといわれます。通常、これが明らかな病気を引き起こすわけではありません。
寄生虫は不活性な状態で、長い間 潜んでいます。
でも、こんな事も知られています。トキソ感染者はほんの僅かですが、性格検査の結果に違いがあるとか。交通事故に遭うリスクが若干高いとか、統合失調症の患者の中には感染者が多い可能性も示唆されています。
証拠はまだ決定的ではなく、トキソの専門家の間でもこの寄生虫が我々の行動に、どう影響するかは意見の分かれるところですが、他の生物を操るものが、そこら中にいること考えると人間だけが、影響されないとは考えられません。

我々の世界の見方を常に覆す能力を持つ寄生虫はすごいと思います。
寄生虫には自然界を少し違う角度から見るよう教えられます。
生物の行動についても明確で単純なものから複雑で難しいものまで、それが生物自身の意志による行動の結果ではなく、他の何者かによって操作されている可能性があるのでは、と考えさせられます。
こう考えると気味が悪いし、寄生虫の習性こそおぞましいものですが、その我々を驚かせる能力は、すばらしくある意味、魅力的でさえありパンダや蝶・イルカにもひけを取りません

『種の起源』の最後で、チャールズ・ダーウィンが生命の壮大さについて、その多様さは最も美しく、素晴らしいものだと述べています。
もしかしたらダーウィンはエビを社交的にする条虫やゴキブリを散歩させる蜂のことを言ったのかもしれません。

TED日本語 – エド・ヨン: 自殺するコオロギ、ゾンビ化するゴキブリ、その他の寄生生物にまつわる話 | デジタルキャストより)

 

これは、本当に面白いプレゼンですので、ぜひもとのプレゼンテーションを見てみて下さい。プレゼンの仕方自体が非常に面白くて、とてもこころ惹かれるものです。

普段当たり前だと思っている、動物や昆虫の行動は寄生虫に支配されて行っている行動かもしれませんし、もっと踏み込むと私たち人間の行動も寄生虫に支配されながら行われている行動かもしれないということです。

 

そして、人間にどのような影響を与えているのかということはわからないようですが、ネズミの行動を確かに支配しているトキソが単細胞生物であり、神経などがない動物だというのはさらに面白いです。

 

また、最後に伊藤譲一さんが番組内で、このような寄生虫の研究をしていくことで、脳の治療などに使えるのではないかということ話していました。

他にも、少し違いますが、ウジ虫による医療などもあるようです。

マゴットたちを皮膚潰瘍の上に置くと、壊死した部分に分泌液を吐きかけ、スープ状に溶かして食べてくれるのです。この時、分泌液に大量に含まれるタンパク質分解酵素、その中でも特に”セリンプロテアーゼ”は、正常組織にほとんどダメージを与えず、皮膚の再生を妨げている壊死部分だけを溶かします。

メスなどを使って壊死部分を取り除く治療を「デブリードマン」といいますが、彼らのきめ細かく徹底したデブリードマンの仕事ぶりは、とても人間の及ぶところではありません。

また、壊死部分を食べることは、細菌の増殖を防いでくれますし、さらに分泌液には抗菌ペプチドが含まれていて強力な抗菌作用を備えています。その力は抗生物質が効かない耐性菌にも及びます。

ウジ虫は「世界最小の外科医」:糖尿病患者を救う「マゴットセラピー」 | BIG ISSUE ONLINE

 

それ以外にも、世界のあらゆる課題を解決するミドリムシ! 「僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。――東大発バイオベンチャー「ユーグレナ」のとてつもない挑戦」で紹介した、ミドリムシなどもありますし、昆虫・寄生虫には本当に様々な可能性があるようです。

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