普通の子が取り込まれ始めている! 『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』

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女子高校生サポートセンターColabo 一般社団法人Colabo – 女子高校生サポートセンターColaboの代表をしている仁藤夢乃さん女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書)を読みました。

仁藤さん自身ももこの本の中に出てくるような、裏社会で過ごし、難民女子高生の一人だったそうです。

1989年東京都生まれ。女子高校生サポートセンターColabo代表理事。中学生の頃から「渋谷ギャル」生活を送り、高校を二年で中退。ある講師との出会いをきっかけに農業、国際協力に触れ、明治学院大学に進学。在学中から、高校生に目を向けた活動を始める。2013年3月、『難民高校生—-絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル
』(英治出版)を出版。現在、声を上げることのできない少女たちの声を聴き、「居場所のない高校生」や「性的搾取の対象になりやすい女子高生」の問題を社会に発信するとともに「若者と社会をつなぐきっかけの場づくり」事業を展開し、少女たちの自立支援を行っている。

 

そこから抜け出し、現在は支援を場にいる

 

子どもの6人に1人が貧困状態にある今の日本社会で、高校中退者数は年間約5万5000人、不登校者は中学校で年間約9万5000人(これに加えて、不登校にカウントされない保健室登校者など、授業を受けられない状態にある子どもはさらに10万人いるとされる)、高校では年間約5万5000人。 未成年の自殺者数は年間500人以上、10代の人工中絶件数は1日55件以上(年間2万件以上)、虐待、ネグレクト、いじめ、家族関係、友人関係、性被害……さまざまな状況が重なって、居場所や社会的なつながりを持たない高校生たちが、日々、生まれている。  とりわけ、性搾取や違法労働の現場には、「衣食住」と「関係性」を失った少女が多く存在し、「貧困」状態から抜け出せなくなっている。

 

レナ・17歳 「JKお散歩」の日常

・「警官には『変な人もいるし、お散歩は人目に付かないところでのことだから、何があるかわからないし危ないよ』って言われます。警察は、お散歩みたいな仕事をやめてもらいたいから『普通のバイトしたほうがいいよ』とかめっちゃ言ってくる」
――でも、やめたくない?
「やめたくないっていうか、融通きくし、楽だし。警察は被害に遭った人のことしか知らないからそう言うけど、私はそうじゃない面を知っている。だから大丈夫って思っています」
レナは警官の言葉より、店長がよく言っている「警察は営業妨害をしてくる面倒な存在」という言葉を信じ、客のことを(警察に警告されるようなことはしてこないだろうと)信じている。警官が来ると逃げるように去っていく男たちのことは何も悪く思わないようだ。

・(前略)彼女は、自分に言い聞かせるように「大丈夫」と繰り返す。

・彼女は警察に捕まることは恐れているが、事件になるような被害を客から受けることは想定していない。少女たちが性暴力の被害に遭ったり犯罪に巻き込まれたりして事件になっているのだが、どうして逮捕者が出たり、少女が保護されたりしているのか理解できていない。

・他の少女や店長と話をする機会はあまりないと言っていたのに、彼女には店への強い所属意識と信頼がある。面接時から、「お散歩は健全な仕事だ」「警察に注意されても心配はない」と教育されているのだ。彼女の話す姿を見ていると、危険が身近にあることは察しているが、認めたくないという気持ちが強いようだ。

・友人の紹介や、街でのスカウトを経て入店する少女の他に、求人情報サイトやSNSなどでスタッフ募集の書き込みを見て、自ら面接に行く少女も少なくない。ちなみに「お散歩」というのは通称で、表向きは「女子高生による観光案内の仕事」ということになっている。ほんとうに観光案内をするバイトだと思って店に面接に行く少女もいる。

・店は少女たちを惹きつけるうたい文句や方法を知っている。どれも少女たちにとって魅力的な条件ばかりだ。しかし、実際には「提携している芸能事務所」が児童ポルノやアダルトビデオ関係のプロダクションだったという話や、面接時にわけのわからないまま水着を着させられ、断れないまま写真を撮られ、それをダシに働かされた少女もいる。

・働く女子高生がどんどん増えるのにはわけがある。それが、友達紹介制度だ。友人を店に紹介すると、最初の1ヶ月間友人が稼いだ売り上げの10%が紹介者の少女に入る仕組みだ。「紹介した人にはお店の取り分の10%が入る。だから可愛い子を連れて行けば、それだけでも儲かるんです。顔がよくなくても頑張り次第で、面白い子、お話上手の子、たくさん出勤して常連をつかんでいる子がランキングで上位になっています」

・危険を感じたり、親に説得されたりしてやめていく子もいるが、「自由出勤」のこの仕事には「やめる・やめない」の正式な区別がなく、出勤をやめても所属はなくならない。いつでも復帰できるため、お金が必要になると数日間だけ働いて稼ごうと戻ってくる少女も後を絶たない。巧みな手口で誘い込み、始めると簡単には足を洗えないようになっている。

・レナによると、彼女がこの仕事をしている理由は、①部活や受験勉強のためシフト制のアルバイトをする時間がなかなか取れないこと、②家計が苦しいこと、③そんな中、仕事を一生懸命頑張っている父親に小遣いをもらうのを遠慮してしまうことの3つ。そして、彼女には「うちは他の家と違う事情がある」という意識が強くある。

・レナは「うちは父子家庭だから」「あの子のうちには親がいるから」と何度も口にした。彼女を見ていると、心のどこかで父親に気づいて欲しいと思っているのではないかとすら思えた。そして同時に、「家庭を支えたい、迷惑をかけたくない。自分のことは自分でしなければ」という意思を持っていることが伝わってきた。

・この姉妹は、周りの友人たちが当たり前のようにやっている「たまの贅沢」や「ちょっとしたオシャレ」をするために、不特定多数の男性を相手に働いている。

・レナは保育士になるため、4年制大学の教育学科への進学を希望している。受験に向けて、学校では必須科目以外に苦手な英語を克服するための選択科目を自主的に履修しており、放課後も週に2回塾に通っているという。勉強熱心で頑張り屋、性格が明るく学校で人気者の彼女がこんな仕事をしていることを周りの大人が知ったら驚くだろう。  そんな子が、今、日本で堂々と立ちんぼしているのだ。

・取り締まりが強化されても店は形を変えて営業を続けるため、実態はあまり変わっていない。JKお散歩、JKリフレの前身には「JK見学店」があった。少女が部屋で過ごす様子をガラス越しに下から覗くことができる「見学店」の摘発を受けて、「JKリフレ」も登場している。それが新たに業態を変えたのが「JKお散歩」であり、少女が店員の監視下で働く従来の「囲われ型」から、街に出る「野放し型」になったことで、危険は解消されるどころか見えにくくなっているのが実情だ。

 

サヤ・18歳 「JKリフレ」で働く理由

・JKリフレの「リフレ」は「リフレクソロジー」の略。パーテーションとカーテンで仕切られた1畳ほどの布団が敷いてあるだけのスペースで女子高生と2人きりになれるシステムで、少女との交渉次第で性的なサービスに至ることもある。

・私は彼女に、高校時代の友人の話をした。系列店をたどって15歳でメイドカフェ、17歳でガールズバー、18歳でキャバクラへ行った友人は25歳を目前にした今、3歳になる子どもを抱え、生活に困っている。10代からやっていた夜の仕事で体を壊し、風俗やAVの世界に流れ着き、必死に生活をしている友人も少なくない。
――金銭感覚も、性的感覚も、職業観も、狂っちゃうとやばいよ。

・「取材」として依頼し、話を聞いているにもかかわらず、この先私はほぼすべての少女に「お姉ちゃんみたい」と言われ続けることになった。そう思ってもらえるのは嬉しいが、その度に彼女たちが「関係性の貧困」の中にいることを痛感させられた。

 

リエ・16歳 売春に行き着くまで

・サヤと会った翌日、お散歩を通して売春しているリエと出会った。レナは先日、「うちのお店には裏オプをやっている子はいない」と断言していたが、リエはレナと同じ店で働いている。彼女と客のツイッターでのやり取りを見て、私はリエが「裏オプ」していることを知った。彼女が気になり、取材を申し込んだ。

・2014年4月時点でアルバイト求人掲載数は712店。これまでに『もえなび!』を通してアルバイトに応募した女性は1万8000人を超えている。少女に有害業務をさせる店の登録がかなりあるが、リエは女子高生が働けるアルバイトを集めた健全な求人サイトだと思っている。どの店の求人情報にも同じようなことが書いてあり、大人が見れば「なんか怪しい……」と思うかもしれないが、少女たちはホームページがあるというだけで「ちゃんとしたお店なんだ」と信頼してしまう。

・「バイトが決まって良かったと思った」と言う彼女は面接に「受かった」と思っているが、スカウトメールと同じく、こちらもほとんどすべての少女が合格するのだ。少女をいくら抱えても、店が負うリスクは変わらない。少女が勝手に出勤し、勝手に客をとり、勝手に散歩してお金を収めてくれればよいのだから。

・彼女はこれをれっきとした仕事だと思っている。店の教育により、仕事意識を持って働いている少女は多く、リエにも「働いている」という意識が強くある。

・彼女は店や同僚の少女たちに「裏オプ」行為が発覚するのを恐れているが、客のことは恐れていない。他の少女たち同様、危ないことからは自分でなんとか回避できると思っているようだった。また、警察に補導されるようなことをしている自覚はなく、店にばれてクビになったり、少女たちに冷たい目で見られることだけを恐れている。

・彼氏の束縛は「ストーカー並に激しく、男と一切関わるなと言われている」が、リエは「お散歩で男性に関わるのは仕事だから、浮気とかそういうのとは別だと思っている」。それなのに、学校で男友達と連絡先を交換したことについては、「プライベートだし、それも浮気になっちゃうのかな……」と心配している。

・「出勤」「プライベート」という言葉は、裏社会で働く少女たちがよく使う。彼女たちは自分の都合のいいように使い分けているように見えるかもしれないが、実際にはこれも裏社会の大人の植えつけによるものだ。店で働くことになった時、「いつ出勤できる?」と聞かれ「出勤」という言葉が大人っぽくて嬉しかったり、責任感を感じたりする。また、「プライベートでの接触や連絡先の交換は禁止」「プライベートとメリハリをつけるように」と言われるうちに、仕事だと割り切るようになる。

・中高時代にリフレやお散歩、援助交際を経験した少女の中には、高校卒業後、風俗店で働いている子もいる。彼女たちに話を聞くと、口をそろえて「高校生のときにはわからなかったけど、風俗で働くようになってみてわかったことがある」という。
「個人で買春しているような男は、風俗で出禁になるような人ばっかり。風俗の客の方がちゃんとしている人が多いんですよ。風俗では満足できなかったり、風俗に行くお金のない人が個人で女子高生を買う。だからたちの悪いのが多いんですよ」
「リフレとかお散歩だと、風俗は毛嫌いするような男もいるよね。風俗嬢にも面倒くさがられるようなタイプの奴が、秋葉原では高校生に受け入れてもらえる。そういう奴が調子にのって女の子に手を出して、一度『やれる』って思ってしまうとやばい」
風俗で働く元援交少女の女子大生たちは、「高校生にそう教えてあげたいよね」と話す。

・彼女たち姉妹にとって、家は安らげる場所ではない。両親が荒れているときは、2階の部屋に姉妹で籠ってとばっちりを受けないことを願いながら嵐が過ぎるのを静かに待っているという。家にいると「自分は誰にも必要とされていないような感じがしてくる」という彼女にとって、お散歩は「やりがい」や「求められている実感」を得られる唯一の方法になってしまっている。

 

カオリ・18歳 社会に慣れるためのリハビリ

・彼女はお散歩を、社会に自分を慣らすためのリハビリとして捉えている。この仕事が、彼女にとって福祉の機能を提供している。手術、内定取り消し、いじめ、精神状態……焦らず、一つずつ話を聞くことにした。

・(前略)似たような経験をしている少女は少なくないが、多くは誰にも打ち明けられずにいる。小学生のとき登下校時に毎日待ち伏せされ、公衆トイレに連れ込まれ男性の陰部を舐めさせられていたという子や、公園の隅に連れて行かれ健康診断と称して胸を触られたという少女もいる。彼女たちは、親や教師、友人の誰にも相談できず、1人で恐怖を抱えていた。

・彼女のいう通り、女性たちは日々危険を恐れ、回避しようとしながら生きている。「性被害に遭わないために日頃から気を付けていることはありますか」という質問を男女にすると、男性はほとんどが「NO」、女性はほぼ全員が「YES」と答える。女性は幼少期から、成人になっても毎日性被害に遭わないように考えながら生活をしている。

・(前略)こうした偏見や間違った認識により、被害者がさらなる心理的、社会的ダメージを受ける「セカンドレイプ」と呼ばれる性的二次被害を受け傷つく女性は後を絶たない。警官からの事情聴取で長時間拘束され、詳細に事実や過去の性経験を聞かれ、下着を見られ、再現をさせられ苦しんだり、病院での診察で好奇の目で見られることや、周囲から自分にも責任があると言われ精神的に追い詰められていくことなどがある。

・いじめの経験から、精神的な不安を抱えるようになった彼女は、「そんな自分でも働けるところを求めてお散歩にたどり着いた」。

・いじめを放置され、学校から排除され、不安定な精神状態になった彼女に「お散歩」は中間的就労のような機能を提供している。

 

アヤ・16歳 家庭と学校に居場所を失う

・「うちなら寮も仕事もある」と言われ、現状から抜け出したい少女たちはついて行く。彼女たちには、自立心がある。アヤも誰にも頼れず、他の選択肢もわからずに仕事に就いた1人だった。

・残念ながら、街やネット上で「困っている少女」に声をかけてくる大人は、そんな大人たちばかり。店のスタッフは「そのほうが少女たちのためになる」と語るが、彼らは住まいを提供する代わりに毎日少女を働かせ、抜け出せないように囲っていく。

・美容院代も出してもらっているアヤは「おいしい話」であるかのように話すが、よくよく聞いてみると、携帯を買い与えられてからこのスカウトに逆らえない状況にあるという。「逆らったらやばい」と思わせたり、貸しを作ったりするのは彼らの常套手段だ。

・中学3年生のとき、両親の離婚で家庭が荒れる中、アヤは最後の試合で怪我をして、推薦を取り消されてしまった。急遽転校を迫られ受験勉強をすることになったが、家庭環境的にも精神的にも余裕はなく、とりあえず合格した高校に進学することになった。進学してからも、ほっとできる場所がなかったという彼女は夜眠れない日が続き、授業中に寝てしまい注意されるようになった。だんだん教員たちから厳しく接せられるうちに、学校の中で孤立していった。そして、同じように学校で孤立する少女たちと過ごすようになった。学校をさぼるようになってからも、部活にだけは参加していたが、「なんで授業に来ないのか」と顧問に言われ、部活にも顔を出せなくなった。そして高校を中退し、通信制高校に入りなおしたという。彼女も家庭や学校に居場所をなくした1人だった。

・「推薦取り消されてからが、すべての始まりだったな。あれがなければ、うちはきっと今こんなことをしていないと思う。でも、頑張っていたんですよ。高校で転校することになってからも」

・それから1ヶ月近く経って、アヤは友達を連れてやってきた。とても17歳には見えない、セクシーな格好をしたメイという少女だった。  帰国子女で4ヶ国語を話せる彼女は裕福な家庭に育ったが、親の関心は成績や世間体ばかりで彼女自身を受け止めない家族に嫌気がさし、早く家を出て自立したいと思っていたという。そんなとき、大宮で遊ぶ約束をした友達を待っていると、若い男に声をかけられ「援デリ」に誘われ、働くことになった。

 

表社会化する裏社会

3つの層

・「はじめに」で述べたように、今、家庭や学校に何らかの問題を抱えているわけでなく、両親との仲も学校での成績もよく、将来の夢もあって受験を控えているような「普通の」女子高生が、リフレやお散歩の現場に入り込んできている。

「JK産業」で働く少女は、次の3つの層に分けられる。
①貧困層 貧困状態にあり、生活が困窮している層。
②不安定層 経済的困窮家庭の子ではないが、家庭や学校での関係性や健康・精神状態に不安や特別な事情を抱えている層。
③生活安定層 経済的にも家庭や学校における関係性的にも困窮しておらず、その他特別な事情も抱えていない層。

・「貧困層」の子どもたちはいつの時代も、こうした現場に取り込まれやすかった。高校時代の私は「不安定層」だったが、家庭や学校に何の問題も抱えていない「生活安定層」は、当時の現場にはいなかった。

・彼女たちはみな明るく純粋で、病んでいなかった。こうした少女たちが売春や犯罪の入り口に立っていることは衝撃的だった。少なくともこの10年間、「貧困層」や「不安定層」の子どもたちがそちらの世界へ引っ張られていくのを社会は放置し、容認してきた。その間に、「生活安定層」の子どもたちまでもが入り口に立つようになったのだ。

チヒロの場合ー 大人の思惑に取り込まれる

・チヒロによると男は風俗店を数店舗経営しており、「女の子のために体を売らなくても稼げる仕事をつくってあげたい」と浅草に観光案内店をつくったのだという。その想いがほんとうかどうかはわからないが、チヒロは店長を完全に信頼していた。

・取材の後、「お店から脅されたり、だまされたりした子もいるから気をつけてね」と私が言うと、「店長は嘘を言いません!」とチヒロは自分の大切な人を悪く言われたというように怒っていた。プライドが高い彼女は、お散歩の仕事を「新しい観光案内の仕事」だと誇りを持つよう教育を受けていて、絶対に曲げなかった。  翌日、チヒロから私の話を聞いた店長が脅しの連絡をしてきた。何かチヒロにも影響があったかもしれないと心配して彼女に連絡すると、本人は何も知らない様子だった。数ヶ月後、店長とトラブルになったチヒロは店を移り、今は店の関係者の紹介で秋葉原のJKリフレ店で働いている。彼女も大人の思惑通りに取り込まれていった。

エミの場合 扱いやすい「ルールに従順」な少女

・エミはツイッターで店を知った。「女子高生にオススメバイト」というアカウントにフォローされ、「オープニングキャスト募集! 効率よくあなたの都合で働けます!」という書き込みを見て店に連絡をした。これが、人生初めてのアルバイトだった。

・エミはどこまでも「ルール」に従順だった。「生活安定層」の少女たちは、「貧困層」「不安定層」の少女たちより従順に店のルールに従う傾向があり、自分が危うい世界にいることにも気づいていないため、店側は扱いやすい。

重宝される「普通」の少女

・私が働いていた頃から「お散歩」はあった。働いていたメイドカフェには「出張サービス」や「デートコース」といって、客の指定した場所に少女を送り、デートできるオプションがあった。しかし、当時の私たちにとってそれは、「売春するような子がするもの」であり、人目を避けて行われていた。それなのに今、お散歩やリフレで働く少女たちは堂々と街に立ち、客引きをしている。それだけで、私にとってこの光景は事件だった。裏社会の大人たちが「普通」の女子高生を取り込むことに力を入れたのではない。お散歩もメイド同様、一般化しているのだ。

・情報化によって敷居が低くなり、窓口は広がり、裏社会の入り口に立つ可能性が「普通」の少女にまで広がっている

社会が容認する裏社会

・これまでそうした世界で働くのは、スカウトが直接声をかけた子と、その子が連れてくる同じような状態の子どもたちばかりだった。それが今では、誰もがアクセスできるネットに簡単に情報を発信できるようになり、一般化している。ネット上では、裏社会も表社会も関係ない。彼らはSNSを通した広報で罠をひろげ、少女がひっかかるのを待っている。1人が引っかかれば、後は紹介が紹介を呼び、結果的にさまざまなタイプの少女が取り込まれることになったのだ。ネットにおける公での広報と「普通」の少女たちの介入もあり、裏社会は表社会化している。

・彼女たちは危険に気づかないのではない。「仕事中、危険を感じることはありますか」という質問には、「よくある・たまにある」と計26名の少女が回答している。それでも働き続けるのは、「危険を自分ごととして捉えられていない」からだ。

・子どもたちは日々たくさんの情報を目にしているが、彼女たちには情報を選択したり、判断したりする力がない。(中略)危険を伝え、判断力をつける教育をしなければならないが、親や周囲の大人たちですら、子どもがどんな情報にアクセスしているか把握するのが難しくなっているのが現代の特徴だ。大人も危険を知らないがゆえ、子どもたちを守り、支えることができていない。それを防ぐには、少女を取り巻く実態を学び、伝えていく必要がある。

「JK産業」は「脱法産業」

・少年たちは補導され、家庭や学校に連絡が行くのと同じように、犯罪予備軍の大人たちにも注意と家族や職場への連絡をしてほしいと思う。そうすれば、安易に少女を買おうとする男性は減るはずだが、

・少女たちはまだ子どもで社会を知らず、判断能力もない。一方で、雇う側、買う側は大人だ。彼らは身の危険をわかっているからこそ、規制をくぐり抜けるようにして、少女をうまく利用している。「JK産業」は、そんなグレーゾーンを狙った「脱法産業」なのだ。

男性が変わらなければ社会は変わらない

・日本では、学校教育における性教育やDV防止教育がほぼなされていない。性犯罪や少女への暴行事件が起きるたび、「子どもや女性一人ひとりが、辺りを注意し警戒しながら生活するように」と注意をうながす報道がされるが、子どもや女性側の注意だけで避けられる問題ではない。

・子どもや女性が性被害や暴力に遭わないための教育、身を守る方法を教育するだけでなく、男性が加害者にならないための教育や、被害に気付ける人を増やすための教育をしなければならない(被害件数は圧倒的に女性が多いが、性被害やDV被害に遭っている男性もいるため、男女問わず被害者・加害者にならないための教育が必要であることも念のため記しておく)。

地方のJKリフレ

・また、これらは東京や都心部だけの問題と思われがちだが、郊外から数多くの少女が集まってきている。都内のJKリフレ・お散歩店で働いていた28名のうち、住まいが「東京」なのは16名、「埼玉」7名、「千葉」3名、この他「茨城」と「新潟」から家出してきた少女が1名ずつだった。28名中12名、約4割が都外在住の少女だった。埼玉や千葉の少女たちからは、「地元には居場所がない」「地元には仕事がない」という声が聞かれた。

自ら声を上げる難しさ

・家や学校で何らかの事情を抱え傷ついた子どもたちは、自ら声を上げることが難しい状況にある。大人でも、困窮状態にある人はなかなか声を上げられない。いや、生活が困窮していない大人でも、困った時に「助けて」と言えない人、誰かに頼ることを躊躇する人は多いのではないだろうか。厳しい状況にある人は大人も子どもも「人を頼る勇気」がもてず、社会保障に繋いでくれる人とのつながりもないのだ。

・これまでの関係性や社会とのつながりを隔絶しなくても受けられる、ある程度生活に自由度を持って受けられるサポートを選択肢として用意すべきだ。

大人への不信

・彼らのすべてが、最初から声を上げられなかったわけではない。それぞれが、何度か声を上げたけれど、「助けてもらえないどころか裏切られた」という経験をしている。

・観光案内の仕事だと思いお散歩を始めてから、危険を察したリエはそのことを「このままで大丈夫かな」と相談した。教員からは、「お前はバカだからそんな仕事しかできない」と言われた。いつの間にか客に体を売ることがやめられなくなり、彼女はまた相談した。すると教員は彼女を軽蔑し、「お前には呆れているんだ。汚い。そんなお前が進路のことを考える意味はない。進路指導はしない。自分で考えろ」と言い放った。唯一、「相談してもいいんだ」と制度的にも思えていた相手を、リエは失ってしまった。

・中学生が自ら行政の相談窓口に連絡をし、1人で足を運ぶ。家族関係や自分の気持ちを打ち明ける。それがどんなに勇気のいることか。相談したことで、彼女の状況は良くなるどころか母との関係にさらに距離ができ、家族関係は悪化する一方だった。そしてハルナは「大人は信用できない」と思ったという。

・社会保障も法律も、基本的に未成年は保護者に守られていることが前提とされている。行政は、学校は、大人は、10代の子どもたちの「秘密」を守ってくれない。仕事や住まいを与えてくれる裏社会のスカウトよりたちが悪い。子どもたちをほんとうの意味で守ってくれる大人はどこにいるのか。そんな経験から、もともと声を上げていた子どもたちも声を上げられなくなっていく。子どもが「助けて」と言えない社会はおかしい。子どもは1人では育たない、1人では生きて行けない。私たちは、子どもたちの信頼を取り戻すところから始めなければならない。

「困っている声」を敏感にキャッチする

・「困っている」子どもたちの声はネット上にも溢れている。多くの大人たちは、自らそこに目を向けようとしたり、見つけようとはしない。しかし、子どもを利用しようとする大人たちは、「困っている声」を敏感にキャッチし、アプローチしている。

・頼れるつながりや安心して過ごせる居場所を失ったとき、少女に生活の術を与えているのは、未熟さや性を売りにした仕事ばかりだ。そして、その多くが搾取的な労働である。

家をなくした一人の少年

・カナと出会った日、彼女にも『難民高校生』を贈ると、「わかってくれる大人がいたんだって、びっくりしています」と連絡があった。彼女がタクヤを連れてきたのは、それから3日後だった。 「ゆめのさん! 助けてほしい人がいるんです」  話を聞いてみると、父親に仕事も通帳もすべてを奪われ、家を追い出された元ヤンキーの友人が、財布も何も持たず、寒空の下帰れる家をなくしているという。

・その後、彼は地元の先輩に「仕事を紹介してやる」と声をかけられ、その言葉を信じるものの、就職には至らないことを何度も繰り返していた。悪い仲間からも声をかけられ、誘惑に負けていた。

・彼らは「縁」で動いている。無縁社会といわれる今の社会で、「縁」を頼りに生きている。彼らが自立し安心して生活を送れるようになるためには「衣食住」と「関係性」が必要だ。本気で向き合ってくれる大人や、背中を押し見守ってくれる大人、出会いや社会的なつながりが生まれる居場所が必要だ。

見せかけのセーフティーネット

・こうした少女たちの問題は「心の問題」「貞操観念の問題」と間違って語られることが多いが、実際にはより現実的な問題だ。少女たちは、もっとシビアに現実を見ている。JKリフレやお散歩、売春に流れていく少女たちの多くは「衣食住」を求めている。「寂しいから」「居場所を求めて」ではない。

・家庭や学校に頼れず「関係性の貧困」の中にいる彼女たちに、裏社会は「居場所」や「関係性」も提供する。彼らは少女たちを引き止めるため、店を彼女たちの居場所にしていく。もちろん、少女たちは将来にわたって長く続けられる仕事ではないことを知っているが、働くうちに店に居心地の良さを感じ、そこでの関係や役割に精神的に依存する少女も多い。一見、「JK産業」が社会的擁護からもれた子どもたちのセーフティーネットになっているように見えるかもしれないが、少女たちは18歳を超えると次々と水商売や風俗などに斡旋され、いつの間にか抜けられなくなっている。

・「JK産業」から抜け出した少女もいるが、いつまたスカウトから声がかかるかわからない。次の仕事を見つけられるかどうかや、衣食住が確保された安定した生活が送れたり、社会とのつながりを持てたりするかどうかによって、状況は変わる。

 

少女たちのその後

少女とともに過ごす人生

・私は、「女子高校生サポートセンターColabo」で少女たちのサポートを行っている。しかし、JKリフレやお散歩で働く少女たちのほとんどは、自分を支援の対象だと思っていない。困っていることがあっても、自分でなんとかしよう、自分でなんとかしなければならないと思っている。私も、彼女たちをただ単に「支援の対象者」として見ているわけではない。彼女たちとともに人生を歩んでいきたい、伴走者になりたいと思って活動している。少女とともに過ごす人生私は、本書で取り上げた彼女たちと取材を通して出会った。出会ってみると、様々な事情を抱えている子や、「関係性の貧困」の中にいる子がほとんどだった。私や私の活動に関心を持ってくれる少女も多く、相談することが苦手な彼女たちは何か困ったことがあると、「そろそろご飯したいです」と連絡をくれた。

簡単にはやめられない。だからこそ

・他での関係性を持っていない彼女たちにとって、今までそこで築いてきた関係や立ち位置を絶つことも容易ではない。そのため、問題なくやめられるよう店への伝え方を考えたり、関係者に引き止められる可能性を想定しながら見守ったりすることも必要だ。何事もなくやめられたとしても、次の仕事を探す手助けをしたり、アルバイトの探し方や履歴書の書き方から教えたりしなければ、なかなか次には進めない。

・彼女を丸ごと受け止めつつ、時に叱り励ます大人は、これまでずっといなかった。彼女が無自覚に性を売っていることやその背景を知り、私は一緒に道を切り開いていくしかないと思った。その世界に潜む危険や実態、大人に上手く利用されている状況を、信頼関係を築きながら伝え続けた。「売春は事件になるようなことなんだよ」「私はあなたが好きだから自分を大切にしてほしいよ」と、関わりの中で少しずつ伝えた。

・たまに性行為を求めてこない客がいたり、寒さに凍えながら客引きしているときに性行為なしでカフェに連れて行ってくれる客がいたりしたときに、「こんなにいい人がいるなんて!」と、そんなことで少女たちが感動しなくていいような社会にしなければならない。

ますます広がる危険

・2013年12月、JKお散歩の少女は補導の対象になった。するとたちまち、「コミュニティールーム」「コミュニケーションスペース」「プレイルーム」(少女と話したりゲームができる)「こころのお悩み相談室」(少女によるカウンセリング)「占いの部屋」(少女による占い)……と、女子高生と男性をつなぐ新たな形態が誕生している。

・いくら少女を補導しても、彼女たちを利用する大人がいなくならなければ状況は改善しない。現在は、警察が方針を切り替えることによって今ある法律になんとか当てはめ取り締まったり、区が独自の条例を作ったりして対策としているが、条例には罰則がなく、警視庁も次々と変わる形態に方針の転換で対応し続けるのは無理がある。このやり方を続ける限り、少女を取り込む危険はますます広がっていくだろう。

少女たちに必要なこと

・地縁も血縁も社縁も機能しない「無縁社会」といわれる今、子どもたちはそのしわ寄せを受けている。雇用制度も学歴の意味も、生活のあり方も変わり、地域や家族、職場の「縁」に支えられていることを前提として作られた社会保障は現状に追いついていない。「JKリフレ」や「お散歩」は、孤立した少女に生活支援を提供している。仕事の他に住むところや食べるものを提供し、役割とやりがいを持たせ、学習支援まで行う店もある。

・買う側、雇う側のけん制とともに、少女がそこに至らないための体制づくりが必要だ。彼女たちに必要なのは、①生活が困窮していても教育を受けられる状態にすること、②安心して過ごしたり眠ったりすることができる家、③安定して働ける仕事、の3つだ。それに加えて「そこに繋いでくれる大人との出会いや関係性」が、すべての子どもたちに必要とされている。「教育」「住まい」「仕事」「関係性」これらは誰しもに必要なことだが、家庭や学校に居場所をなくした青少年が、経済的な営みや最低限の生活をしていくための保障や支援は間に合っていない。「貧困層」の少女には、最低限の生活を送るための社会保障と、その生活から脱せられるだけの収入や技術を得るための仕事や教育の機会が必要である。

「わかってくれる大人がいない」

・取材で話を聞いているとき、「わかってくれる大人がいない」と、多くの少女が口にした。少女たちは、自分のすべてをわかって欲しいと思っているのではない。「わかってくれる大人」とは、「向き合ってくれる大人」のことだ。それぞれの想いや状況に一緒に向き合ってくれる大人、わかろうとしてくれる大人が彼らにはいなかったのだ。  一方、大人たちからも「子どものことがわからない」という声をよく聞く。(中略)子どもたちを取り巻く関係性を、親ですら把握できない時代になった。その不安や分断を解消するには、互いがリアルな世界での関わりを深め、理解と信頼を築いていく他にない。

・中高生は世間知らずで当たり前だ。世間知らずのまま裏社会へ流れ、そこで出会った大人に教育され、関係性も狭められていくケースは後を絶たない。そして、「おかしいな」と思うことがあっても、嘘や危険に自分では気づけず、足を洗えなくなっていく。

・これは大人の責任だ。この本を読んでくれた一人ひとりが、目の前の誰か1人の少女にとって、頼れる大人になってくれたら、それだけで救われる少女はたくさんいるだろう。

居場所づくりのプロ

・高校生のときから、私はいつも疑問に思っていた。なぜ、裏社会の大人にできていることが、表社会ではできないのだろうかと。この疑問を解く鍵は、JKリフレやお散歩の取材現場にあった。ここで、そのヒントを記しておきたい。裏社会の大人たちは、居場所づくりのプロだ。JK産業で働く少女たちに認識されているのはたった3人、スカウト・店長・オーナーだ。

表社会によるスカウト

・スカウト、店長、オーナー――。この三者による連携。彼らが長年繰り返してきていることを、表社会はできていない。

・社会保障や支援に繋がれない少女たちに必要なのは、「そこに繋いでくれる大人との出会いや関係性」である。関係性の貧困が大きな背景にある中、つながりや判断基準を持っていない10代の少女たちには特にこれが重要だ。  そのためには、表社会が裏社会に負けないくらいの「スカウト」をしなければならない。行政も民間も、スカウトの育成に資源を導入すべきだ。貧困の連鎖は次々と起きている。国のほうから支援を必要としている人のところに声をかけていかなければならない。

・裏社会のスカウトは、少女を最後まで見捨てない。一度店に繋いで終わりではなく、困ったことがあれば相談にのり、合わなければまた別の店を紹介し、少女の生活と成長をサポートし続ける。一方、学校も行政も民間も、卒業したら終わり、支援機関に繋いだら終わり、就職先が決まったら終わりという関係性や制度が多い。それではダメなのだ。枠組みを越えて少女と付き合える存在、何年も少女たちとの繋がりを保ち続ける存在、それがスカウトなのだ。

・私は、表社会のスカウトに、子どもと社会をつなぐかけ橋になりたい。声を上げることのできないすべての子どもたちが「衣食住」と「関係性」を持ち、社会的に孤立しない社会が到来することを目指したい。

めげない援交おじさん

・私はそんな人たちに、めげない援交おじさんを見習ってほしい。私も少女との関わりの中で、傷ついたり、裏切られたり、あと一歩というところで連絡が途絶えて少女の気持や自分の至らなさにがっくりすることはある。だけど、めげない。諦めない。高校時代、私は毎日当たり前のように、「ホテルに行かない?」と援助交際を持ちかける男性に声をかけられていたが、買春したがる男性たちや、少女を利用する側の大人たちは日々たくさんの情報を集め、少女たちとの繋がりづくりにものすごく力を入れている。

・私たちは、めげない援交おじさんを見習わなければならない。彼らから少女を守るには、そのくらいの心意気がなければならない。誰でも、少女に拒絶されたり、裏切られたりしたら傷つく。だからこそ、そんなときでも心折れずに歩みを進められるよう、仲間を増やし、連携しながら子どもたちに関わることが必要だ。

「縁」と「出会い」

・危険にあふれた「女子高生であること」を売りにしたアルバイト。東京だけでも数千人の少女が売春や犯罪の入り口に立っている。

・人とのつながりは、社会保障と同じくらい大切だ。どんなに社会保障が充実しても、そこに繋がることができなければ利用されるまでには至らない。社会保障の目的は「1人でも生きて行けるようにすること」ではない。人と人とが支え合い、知恵を出し合いながら生きて行くことができる社会をつくり、ほっとできる時間や笑顔になれる瞬間、気持に余裕をもてるような生活を誰もが送れるようになるための保障であるべきだ。自立することは孤立することではないと、私たちは人生の後輩である子どもたちに伝えなければならない。

・少女たちに必要なのは、特別な支援ではなく、「困ったときに相談できる、信頼できる大人との関係性」である。少女たちは「縁」を、「出会い」を求めている。彼女たち一人ひとりの背景を知り、それぞれが自立して生きて行くための伴走を、大人がしなければならない。

 

おわりに

私は、少女たちと住む世界が違うと感じる人にこそ、彼女たちに関わってほしいと思っている。大人が「世界が違う」と感じる以上に、少女たちはそう思っている。そう思って、諦めている。違う世界の住人のような大人たちが、自分たちの可能性を信じ、ともに歩んでくれたら、どれだけ視野や未来が広がるだろうか。

私には、兄ができるわけでもない。
それでも、「1人じゃない。そう思えるだけで心強い」と言ってくれる少女の言葉に救われながら、これからも不安を抱え孤独の中にいる少女たちと一緒に歩める道を仲間とともに探りたいと思っている。
辛く苦しい出会いも多いが、それを嬉しい出会いに変えていきたいと思っている。

 

アンケートインタビュー調査結果

2014 09 15 23 55 36

2014 09 15 23 55 39

2014 09 15 23 55 51

2014 09 15 23 55 48

女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち (光文社新書) より)

 

 

まず、この本を読んでいて、思ったことが、普通の子がどんどん引きずり込まれやすくなっているのかなということです。そして、貧困について湯浅誠さんは滑り台社会と言っていますが、それと近いものがあるのかなと思いました。

お散歩自体は、どこまで裏をやるか次第ではありますが、個人的にそこまで悪いことだとは思いませんでした。しかしそこが、入り口として機能し、少しづつ滑り台に落とされ、中々戻ることが、抜け出すことができないと言うことは大きな問題です。

そして、貧困問題という大きな問題への滑り台への入り口の一歩目になっているのかなって思います。

 

 

貧困ビジネスは金融や福祉などさまざまな分野に広がっているが、その中でもキーになるモノがある。それは住宅だ。なぜ住宅がキーになるかというと、住む所がなくなれば人は無抵抗になるから。

貧困ビジネスとは何か? 低所得者を喰う者たち(前編) (1/3) – Business Media 誠より)

 

そして、もう一つ貧困ビジネスと似ていると思ったことがこのことです。ここで出てくる住み込みの少女たちは、かなりの我慢をすれば住むところが全くないということにはならないかもしれませんが、こうやって店側の方でどんどん囲い込みをしているだということがよくわかりました。

 

私はその後、向き合ってくれる大人との出会いや関わりを通して「難民生活」を脱することができました。大学にも進学し充実した日々を過ごしていましたが、渋谷の友人たちはみな、難民生活から抜け出せないどころか、ますます困窮状態に追いやられ性的搾取や違法労働に行きついたり犯罪に手をそめたりするようになりました。そのことに気付いてから、高校生に目を向けた活動を始めました。

家庭や学校に居場所を失くし、孤立する「難民高校生」-難民生活から売春・性的搾取や違法労働などの犯罪へ / ひみつ基地より)

 

本書の中にも向き合ってくれる大人の重要性について触れられていますが、本当にこのことは重要なことだと思います。

向き合ってくれる大人や仲間がいることで、人って救われるものだし、頑張れるものなのかなって思います。

 

一般社団法人Colabo – 女子高校生サポートセンターColaboでは、このような現状を知るために夜の街歩きスタディーツアーを開催していますので、関心がある方はぜひ参加してみてください。

目で見て肌で感じたいただき、現状を知り、「気づける大人」を増やしていくための活動として位置づけています。
普段の生活の中では気づきにくい、少女を取り巻く現状を知っていただく機会です。

 

そして、仁藤夢乃さんのブログでも女子高生サポートセンターColabo代表「難民高校生」著者・仁藤夢乃の『コラボトーク』、これらのことをテーマにしたブログが書かれています。

 

関連記事はこちら。

家庭や学校に居場所を失くし、孤立する「難民高校生」-難民生活から売春・性的搾取や違法労働などの犯罪へ / ひみつ基地
お散歩、占いから裏オプションまで…「JKビジネス」に救い求める少女ら (1/5ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

 

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