強いリーダーではなく、組織にあったリーダーが必要 「だから日本はずれている 『リーダー』なんていらない」

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古市憲寿さんだから日本はズレている (新潮新書 566)を読みました。

この本は『「リーダー」なんていらない』『「クール・ジャパン」を誰も知らない』『「ポエム」じゃ国は変えられない』『「テクノロジー」だけで未来は来ない』「ソーシャル」に期待しすぎるな』『「就活カースト」からは逃れられない』『「新社会人」の悪口を言うな』『「ノマド」とはただの脱サラである』『やっぱり「学歴」は大切だ』『「若者」に社会は変えられない』『戦わなくても「革命」は起こせる』『このままでは「2040年の日本」はこうなる』の12章に分かれて、それぞれのテーマについて書かれています。

 

それぞれ、違うテーマで書かれているので別にして書いた方が分かりやすいし、書きやすいのでこれから12本に分けて今日から書いていきます!

まずは、『「リーダー」なんていらない』についてです。

 

「リーダー」なんていらない

・日本では定期的に「強いリーダー」待望論が盛り上がる。企業の業績も、山積する政治問題も、解決の糸口が見えない外交問題も、強いリーダーが何とかしてくれる、と。しかし本当にそんなにうまくいくのだろうか。実は現代社会において一人のリーダーにできることなんて限られている。実は、リーダーの本質は「強さ」ではない。リーダーにとって最も大切なことは何なのか考えてみた。

「救世主」を求めてしまう人々

・よく「リーダー主導のトップダウン」が企業の成功の理由として説明される。確かにアップルの快進撃には、ジョブズの無謀ともいえるトップダウンが関係しているかも知れない。だけど、そこには「生存バイアス」の罠が潜んでいる。

・失敗例を無視して、成功例にばかり注目されてしまうことを「生存バイアス」という。トップダウンによって大失敗した企業もたくさんあるはずなのに、メディアが中臆するのは成功した事例ばかり。実際にはまぐれ辺りだったかも知れないのに、「トップダウンは良いものだ」と安易に思われてしまうのだ。本当にトップダウンが成功の秘訣なら、ジョブズが何度も会社をつぶしかけている理由をどう説明したらいいのだろうか。

・企業のリーダーと、政治のリーダーに求められるものは、まるで違うだろう。企業ならばいくらトップが独裁者でもいい。トップダウンという独裁制に失敗した企業は勝手に業績を悪化させ、市場から退出してもらえばいいからだ。(中略)何度つぶれてもいい企業と違って、国家は何度もつぶすわけにはいかない。だから起業家として優秀な人物が、必ずしも優秀な政治家とは限らない。

・歴史を見ればわかるように、独裁制はメリットよりもデメリットのほうが大きい。本当に湯集な人物が独裁者になれば、確かにその社会は劇的に変わったように見えるのかもしれない。だけど、トップが口先だけはうまくてまるで実務能力がない人間だったら?ヒトラーやスターリンを始め、僕たちは独裁者たちによってもたらされた多くの悲劇を見てきた。

「強いリーダー」の不在を誇りに

・日本には、「強いリーダー」や「真のリーダー」がいないと言われる。それは別に嘆くことではなくて、むしろ喜ぶべきことだろう。強いリーダーがいなくても大丈夫なくらい、豊かで安定した社会を築き上げてきたことを誇ればいい。

・もはや社会を動かしているのは国家による「政治」だけではない。グーグルやマイクロソフトなどの巨大企業、国際NGO、テロリストなどの様々な意思決定主体が登場する仲で、国家はその中の一アクターに過ぎなくなっている。

現代社会は「ゲリラ戦」だから

・つまり、むかしとは別の意味で「強いリーダー」が存在しにくくなっているのだ。今までの日本のように社会の安定ゆえに「強いリーダー」が必要とされないのではなく、アクターが多様だからこそ一人の「強いリーダー」が存在しにくいというわけだ。

・現代の組織に「強いリーダー」は必要ない。より正確に言えば、「強いリーダー」はいてもいいが、「強いリーダー」に任せっきりでは組織はうまく回らない。

そもそもリーダーって何?

・リーダーというのは、状況に応じてその都度自然に生まれてくるものなのだと思う。(中略)そのグループの特性と、状況によって無数のリーダーが存在しうるのだ。

・リーダーというと、ついつい「できる人」を想像してしまうが、そうである必要は全くない。徹底的にダメなリーダーがいてもいい。

・リーダーには様々な形があり得る。それでもリーダーを最大公約数的に定義を与えることができるならば「ついてくる人がいる」ということになるだろう。つまりフォロワーの存在こそがリーダーの本質であって、そのフォロワーを作るためのやり方は無数にあるはずなのだ。

強いリーダーより小さな集団

・少子高齢化とか、社会保障費の増大とか、エネルギー問題とか、あらゆることを「国」単位で考えて、一億数千万人を一気に救うような解決策を考えてしまうと、それが解決困難な難問に見えてしまう。確かに貧困や飢餓などの「昔ながらの社会問題」ならば、国や地方自治体などの「古くて大きな組織」単位で対応していけばいい。だけど行政の対応を待つのではなく、「自分たち」で勝手に解決できる社会問題も多い。

・小さな集団の活動は、国中人々全てを救うものではない。だけど、確実に数百人、数千人の人は幸せになる。結果的にそれは雇用の創出にもつながる。

・一人のリーダーが世界のあらゆる問題を解決してくれるなんて幻想以外の何物でもない。もしも今、何がどうしても解決したい問題があるなら、自分ができる範囲で動き出せばいい。「危機の時代」だからこそ、解決策はそれくらいしかない。

だから日本はズレている (新潮新書 566)より)

 

リーダー待望論って政治家・経営者にジョブズのようなリーダーが必要だと言われていることですが、そもそもそういうリーダーって必要なのか?ということがここでの大きな問いかけです。

確かにジョブズは素晴らしいリーダーだと思いますが、ジョブズみたいなリーダーってどう考えても、日本の政治家にも必要ないですし、日本の多くの大企業にもいらないと自分も思います。

 

現代社会は多様化社会とか多様性社会と言われています。要するに、人々のニーズも社会的課題も多様化しているということです。

そんな時代に一人のリーダーが何でも解決してくれると考えるのは、かなりの無理があります。そして政府に何でも任せるということにも無理があります。

 

だからこそ、小さな組織が社会的課題を解決し、小さい規模で身の回りの人々を幸せにしていくということが必要です。

本書では認定NPO法人フローレンスが紹介されていましたが、NPOや社会起業家の人たちはまさしくこの小さな組織です。こういう小さな規模でのソーシャルな活動が今必要なことであり、これからも必要なことです。

そして、国レベルでは、こういう小さな事例を広げていくことが必要です。

 

 

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PS

このリーダー待望論の動きの一つなのかよくわかりませんが、最近総務省の事業の一つで「和製ジョブズ計画」が「異能vation」という事業ができました。

この名前のひどさ、面白さはおいといて、リーダーは別にいらないかもしれないけど、自分こそ次の日本のジョブズになり、イノベーションを起こしていくという人はこの事業に応募してみて下さい。

次のスティーブ・ジョブズを探せ by 総務省 : デザイン思考で行こう!
総務省「和製ジョブズ計画」の名称正式決定!事業名「異能vation」 | CuRAZY

 

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