奨学金を返せないのは自己責任 本当にそんな社会でいんですか?

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奨学金に関する議論が数年前から盛り上がっています。

奨学金の返済できないのは、自己責任だとか、借金するならそのくらい考えてから借りろという意見が多くあります。確かにそれは正論だと思います。

けどそんな正論で「もっと教育を受けたい、学びたい人が受けられない」そんな社会でいいんですか?

 

「奨学金問題対策全国会議」というのを行っている方のとてもいい記事にこのようにあります。

 

「生まれながらの差別」に鈍感な日本社会

・奨学金返済滞納者の増加に対して、「借りた金を返すのが当たり前だ」という「自己責任」を強調する意見がよく出される。特にネットに多い。しかし、これは重大な誤りを含んだ意見であると思う。

・日本では大学の学費は「親負担」が原則となっている。ということは、大学の学費や奨学金について、学生が「自分で何とかする」=「自己責任」の領域として扱うのは不適当である。なぜなら「奨学金を借りる」要因のほとんどは、本人にではなく、「親の経済力」にあるからだ。多額の奨学金を借りる理由は本人にではなく、親の経済力が不足していることに原因があるのだから、それを学生本人が返すのが「自己責任」だと言い切れるだろうか。逆に言えば、「奨学金を借りない」学生は、本人が「借りない努力」をしたわけではなく、「親の経済力」にめぐまれていたからにすぎない。彼らだけが卒業後に苦労しない「特権」を手にしてよいのだろうか。奨学金返済困難の理不尽さは、「経済力のある親」の子どもは苦労せず、「経済力のない親」の子どもは苦労を強いられる「格差」にある。

・「日本は資本主義の国だから、格差があるのは当然だ」という書き込みも、論点をはずしている。奨学金を充実することは「結果の平等」を求めるものではなく、「教育機会の均等」→「スタートの平等」につながるからだ。

「生まれながらの差別」に鈍感な日本社会―― 「自分の子どもさえ良ければ」を乗り越えられるか(井上伸) – 個人 – Yahoo!ニュースより)

 

子どもの貧困とは、子どもの未来を奪うこと。 何とかしなければならない、子どもの貧困問題。 | Kobayashi Blogという記事にも書きましたが、当然子どもは生まれ来る親を選ぶことができません。

しかし経済的に裕福な家庭に生まれてきたかどうかということにより、将来の選択肢が変わってしまうということは、どう考えても不健全な社会です。

 

この選択肢の幅を増やすために奨学金は必ず必要な制度です。

 

 

自己責任を正論で押し付けてはいけない

そして正論で奨学金の問題を自己責任化することに積極的なのが、橋本市長と高校生との対談をまとめた記事がありました。(この記事は直接奨学金ではなく、私立の補助金の話です。)

 

橋下市長「単なる子供たちのたわごとみたいにならないように、僕もかなり厳しく反論していくのでしっかり議論したいと思います。よろしくお願いします」

女子高生「(私は)私立にしか行けなかったんです。家は決して裕福ではなく、父親は中学3年生の時にリストラにあいました。橋下知事は『子供が笑う大阪に』とおっしゃってましたが、私たちは苦しめられています。笑えません」

男子高生「僕は今、私立の大阪高校という高校に通っているんですけど、僕の家は母子家庭で決して裕福な家ではなくて、僕はそんな母をこれ以上苦しめたくなくて、だから私学の助成金とかを減らさないでください」

橋下市長「なぜ公立を選ばなかったんだろう?」

男子高生「公立に入ったとしても勉強についていけるかどうか分からないって(教師から)言われて」

橋下市長「追いつこうと思えば公立に入ってもね、自分自身で追いつく努力をやれる話ではあるよね。いいもの(私立)を選べば、いい値段がかかってくる」

女子高生「だから、そこ(私立)にしか行けないって(教師に)言われたんですよ」

女子高生「大阪の財政を良くするというのは私たちが苦しむことなんですか?ちゃんと税金取ってるんだったら、ちゃんと教育、医療、福祉に使うべきです。アメリカ軍とかに使っている金の余裕があるんやったら、ちゃんとこっちに金を回すべきです」

橋下市長「じゃあそれはね、あなたが政治家になってそういう活動をやってください」

女子高生「それは私が政治家になってすることじゃないはずです。高速道路なんか正味あんなぎょうさんいらないと思います」

橋下市長「それはあなたがそう判断しているだけ。私自身は必要な道路は必要だと思っている」

橋下市長「皆さんが完全に保護されるのは義務教育まで。高校になったらもうそこから壁が始まってくる。これが大学になったらもう定員。社会人になっても定員。先生だって定員をくぐり抜けて来てるんですよ。それが世の中の仕組み」

女子高生「その世の中の仕組みがおかしいんじゃないですか?」

橋下市長「僕はおかしいとは思わない。16(歳)からはそこにぶつかって、ぶつかって、失敗して…」

女子高生「倒れた子はどうなるんですか?」

橋下市長「最後の所は救うのが今の世の中。生活保護制度というのがちゃんとある」

橋下市長「今の日本は自己責任が原則ですよ。誰も救ってくれない」

女子高生「そこがおかしいです」

橋下市長「それはもう国を変えるか、この自己責任を求める日本から出るか、国を変えるしかない」

橋下徹、高校生を完全論破!女子高生「貧しい家庭だから私学助成金を減らさないで」→橋下「なんで公立に行かなかったの?」 | ガールズちゃんねる – Girls Channel –より)

 

ここで橋本市長が言っている「家が裕福じゃなかったら公立に行けばいい、それが難しかったらもっと勉強すればいい」、何も間違ってはいないと思います。全て正論です。

しかし、現状の正論を言って、今苦しんでいる人を放置し、これから苦しむ人を増やしていくということを強要する社会ではいけません。

 

そもそも親の経済的な理由で選択肢が大きく違うことがおかしいです。

そしてその親の経済的貧困が再生産されていくことを自己責任として、子どもに押し付けるのはおかしいことです。

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子どもの教育の問題 | Chance for Children(チャンス・フォー・チルドレン)より)

 

 

奨学金を借り続けていたということは、社会に出た瞬間からハンディキャップを負ってしまうということです。

学校の教育を受けることにより、社会を出た瞬間にハンディキャップを負ってしまうこともないということもおかしいことです。

 

この日本社会は、子どもが受けたい教育を受けられない社会、そして親が経済的に貧しい家庭に生まれてしまったら、社会に出る瞬間からハンディキャップを負わなければならない社会、そんな社会のままにしていいのでしょうか?

 

またこちらに追記も書きました。
「奨学金を返せないのは自己責任 本当にそんな社会でいんですか?」の追記 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!

 

関連記事はこちら。

子どもの貧困とは、子どもの未来を奪うこと。 何とかしなければならない、子どもの貧困問題。 | Kobayashi Blog
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