声なき声を拾う。 性暴力被害者支援情報マッチング事業「サイレント・ティアーズ」

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リスティング広告を活用して、自殺予防に取り組んでいるOVAが、しあわせなみだと手を組んで性暴力の被害者への新たなアプローチを始めたサイレントティアーズのリリースイベントに参加してきました。

 

ソーシャルワーカーによるアウトリーチ

NPO法人Social Change Agency 代表横山北斗さん

ソーシャルワーカーとは

ソーシャルワーカーとは、生活上の困難を抱えている人々、社会的に疎外されている人を支援することであり、生活保護の受給者のためのソーシャルワーカー、医療分野のソーシャルワーカーのなど様々な分野ソーシャルワーカーはいます。

アウトリーチ:手を差し伸べる支援方法

福祉現場の現状の支援方法は、対象者が相談窓口にきてもらうことで支援が始まることが多いです。

それは同時に、窓口に来る人にしか支援を届けられないという支援の限界にもつながります。

病気の人などによって窓口に来ることができない人、必要な情報にアクセスすることができない人には、現状の方法ではソーシャルワーカーがアプローチすることができないということです。

能力的要因、心理的要因など様々な要因で窓口に来ることができない人も多くいます。

そのため窓口にいるだけでは、支援が届かない人に支援を届けるためのプロセスが必要です。

 

アウトリーチの事例

アウトリーチの事例は、様々な分野ですでにあります。

若者支援→地域若者サポートステーション事業

引きこもり支援→ひきこもりサポーター養成研修、派遣事業

路上生活者支援→NPOなどによる夜回り

地域における包括的福祉支援→サイレントプアー(豊中市のライフセーフティーネット)、アウトリーチを組み込み地域住民を巻き込んだセーフティーネットの仕組み

参考

 

なぜ、今、アウトリーチなのか?

アウトリーチは単なる訪問だけではなく、既存のアプローチでは支援を届けることができない人に対して支援を行うことができます。

・生活問題の複雑化、多層化
・町の支援では、予防的・早期介入が難しい
・既存の制度では。対応困難な制度の狭間にいる人たちの増加

これらのような理由で、地域においてSOSを出せない人に支援を届けることが必要です。

 

アウトリーチの難しさ

アウトリーチの難しさは、アウトリーチを試みても支援対象者を発見することができなければ出会うことができないことです。

また、支援に繋がらなかった人は、支援の入り口に入っても支援をしていくことが難しいです。

 

アウトリーチの肝

「声なき声を想像する」
「声なき声を聞こうとする」

困難を抱えている人の発信することができていない声を、想像し聞こうとすることがアウトリーチをするために必要です。

 

なぜ性暴力にあっても相談できないのか

NPO法人しあわせなみだ 代表中野宏美さん

性暴力の被害者の多くは、自分から相談できないためアウトリーチが必要でした。内閣府の調査では、異性から無理やりに性交された女性の67.9%は誰にも相談できていません。相談できずにネットで検索をしても、必要な情報にたどり着くことは難しい状態にあります。

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「男女間における暴力に関する調査」より)

 

しあわせなみだは、2047年までに性暴力をなくすことを目標に活動している団体です。

暴力は人によって、定義が違う行為です。

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配偶者等からの暴力(DV)に関するアンケート調査及び被害者実態調査(面接調査)調査結果より)

 

例えば、このように「からだを傷つける可能性のあるもので打つ」という行為は、98.2%の人が暴力だと考えていますが、0.8%の人が暴力にあたらないと考えています。

そのため、しあわせなみだは『誰かが「イヤ」といえない状態で起こる性暴力』と定義しています。

具体例として、レイプ、虐待、ちかん、DV、ボルノストーカー、セクハラ、キャンパスセクハラ、人身売買などが当たります。

内閣府の調査によると、女性の7.6%が性暴力を受けていて、その中の約3割は中学生以下で受けています。

性暴力とは、マズローの欲求における、生理的欲求が覆されるということであり、下から全てを崩されてしまうことになります。

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人は、三つの信頼(自分→他人→社会)によって行動することができています。

性暴力は自分への信頼を崩されるので、なにも信頼できなくなることにつながります。

また、性暴力の影響は若い時に受けるほど大きく、若い時に性暴力を受けるともうなにも信頼できなくなることにつながります。

 

性暴力被害者は誰にも相談できない

性暴力被害者のほとんどは誰にも相談できないで一人で悩んでいます。誰にも相談しないで、ネットで検索して、情報を集めようとしています。

しかし、今の検索状況だと、アダルトサイトの情報が出てきたりすることが多く、検索している人に対して必要な支援情報を届けることができていません。

 

サイレントティアーズの仕組み

今回の仕組みは、場所・時間が指定されており、東京で関連したワードを検索している人にしかリスティング広告が表示されないようになっています。

ただし、日本全国で必要な事業であり、内閣府でも性暴力を受けた人の支援は進めているので、今後も広げていきたいです。

 

インターネットを活用したアウトリーチの開発と実践

NPO法人OVA 代表JIROさん

OVAはリスティング広告による自殺対策を行っていて、自殺に関連したワードにリスティング広告を打つことで、これまでアプローチできなかった人に対してのアウトリーチを行っています。

この活動の仕組みを思い浮かび調べている時に、「死にたい」と検索窓に打ち込まれている回数が月に十数万もあり、「死にたい 助けて」と検索している人も多くいることを知りました。死にたいつらい気持ちを抱えているけど、それをいう先がない人がたくさんいることがわかりました。

そして、検索しているところに助けを求める宛先を作るためにリスティング広告を行っています。

自殺リスクが高い人は性暴力被害者の可能性もあり、今回の事業では、自殺より前の段階にいる人にアプローチすることができます。

また、これまでは自殺ハイリスク者を特定することは非常に難しかったけど、リスティングによって可能になりました。

 

 

質疑応答であったのですが、このアプローチの素晴らしい点の一つはCPA(獲得単価)がとても低く、予算に合わせたコントロールが可能であることです。

OVAの場合は、リスティング広告から自殺ハイリスク者に繋がるまでが約137円で行うことができています。そして、リスティング広告は予算に合わせて柔軟に出稿量を変えることができるので、予算が少ない団体でも十分に活用することができますし、行政がやり始めれば確実に大きな成果を出すことができるでしょう。

 

JIROさんは、この手法を思い浮かんでから2週間で実施することができていますし、ある程度ネットに慣れている人がいればそれほど時間も予算もかけないで真似して事業を始めることができます。

必要なスキルとして、リスティング広告関連、特設サイトを作る技術、コピーライティング技術、といったところでしょうか。

どれも特別なめちゃくちゃ習得が難しいスキルというわけではありません。

全国どこでも、やろうと思って実行さえすればできる仕組みですし、分野もまだまだ拡大できそうです。

 

また、一つ改めて思ったのですが、JIROさんにインタビューを行った時に、リスティングではなくSEOでやることも考えていたと言っていました。

SEOでやるということは、ここで検索上位を埋めていくということです。表示順位までわかりませんが(あんまり調べたくもないので・・・)、このブログにも普通の子が取り込まれ始めている! 『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』という記事が性暴力ではありませんが、けっこう近いワードでの検索流入があります。

もうちょっと、関連したコンテンツを増やせば検索上位を取っていくことは可能だと思います。大半のサイトは、たぶんSEO的には弱い競合になるので、手間はかかりますが十分可能なアプローチだと思います。

やってみたいブロガーはぜひやってみてください。(Googleアナリティクスを見るのが不快になりますが・・・・・)

 

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