学生団体から社会起業家へ、かものはしプロジェクト! 「いくつもの壁にぶつかりながら」 

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認定NPO法人かものはしプロジェクト代表村田早耶香さんの著書いくつもの壁にぶつかりながらを読みました。

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認定NPO法人かものはしプロジェクトは日本で唯一の途上国の児童買春問題の解決を目指しているNGOで、村田早耶香さん本木恵介さん青木健太さんの3人が学生団体として事業を立ち上げてから、社会起業家として活躍している団体として有名で、現在は3000人以上の会員を獲得し、カンボジアだけではなくインドでも児童売春問題の解決に取組んでいる団体です。

 

そんな認定NPO法人かものはしプロジェクトが立ち上がったのは、共同代表の一人であ村田早耶香さんがこの団体を立ち上げ、本木恵介さん青木健太さん村田早耶香さんの想いに共感し、団体の設立に至っています。

設立まで様々な壁にぶつかりながら突き進んでいった村田早耶香さんの想いが詰まった一冊です。

 

 

カンボジアの児童買収問題

NPO法人かものはしプロジェクトを立ち上げたのは、まだ大学生だった2002年のことです。大学で国際協力を学び、あるNGOが主催するスタディツアーに参加し、カンボジアおよびアジア諸国の児童買春問題、そして児童買春に関する現状に触れたことがきっかけです。

・カンボジアでは、10代の子どもが強制的に売春宿で働かされています。時にはドラッグ漬けにされ、強制的に働かされています。タイやマレーシアへの人身売買もあとを絶ちません。子どもたちはHIV/エイズに感染し、精神的・肉体的被害を受けています。なぜ何の罪もないカンボジアの子どもたちが児童買春の被害に遭い、深い傷を負わなければならないのか。その問いの答えの一つは貧困にあります。

・子どもたちは学校に行くことが出来ず、働かなければなりません。もし家族の誰かが病気になったり、天災により米の収穫が少なくなったりした場合、子どもたちは人身売買の危険を冒して都市部へ出稼ぎに行きます。「都会によい仕事がある」と人身売買のブローカーがささyくのです。そうして連れて行かれた先は「売春宿」。そこで体を売ることを強制されるのです。

・たとえば自分の兄弟が障害を持って生まれてきて、そのせいで学校に行けなかったり、仕事に就けなかったりしたら「そんな社会を変えたい」と誰もが考えるのではないでしょうか。同じように私はタイで子どもたちと心を通わせたことで「家族のように思える子どもたちが売られるのは嫌だ!」という感覚になりました。

・売春宿ではお客さんの前で泣いたりするとひどく殴られたり、電気ショックを与えられるため、泣くことが出来ないようになるそうです。保護された時は能面のように表情がなく、まずはカウンセラーが「泣いてもいいよ」と教え、「泣くこと」からセラピーを始めていくのです。

 

かものはしプロジェクトのスタート

・私は、「なぜ、児童買春問題の解決に取組んでいるのですか?」と質問されることがあります。さかのぼってみると、私は子供の頃から国際協力に自然な形で興味を持ち、育ってきました。その理由の一つとして、常にアジアからの留学生が周りにいたことがあります。私の家はアジアの留学生を受け入れていた家庭でした。(中略)日本で暮らしていると、外国人に接する機会がない人の方が多いかもしれません。私もそれまではそういった一般的な生活を送っていました。けれども、父が留学し絵の受け入れを始めたことから接点ができたのです。

当初の自分のライフプランは次のようなものでした。まず、民間企業で三年間社会経験を積み、その後大学院に行き、国際機関に就職して、経験と人脈を作った後でNGOを立ち上げる。それには二十年くらいはかかるだろうから、四十歳ぐらいで始めるのがちょうどいいのではないか。

藤沢烈さんがアドバイスを下さって、青木・本木という両人が一緒にやってくれるなら、とても新しい、面白いことができるに違いないという期待感が高まっていたのです。結局、児童買春問題の解決に貢献できるかもしれない、そのわくわく感が勝ちました。「じゃあ、まず三ヶ月だけやってみようよ。それで無理だったら二十年後にまた挑戦すればいい」とみんなで話し合いました。これが「かものはしプロジェクト」が生まれた瞬間でした。

 

児童買春をなくすための事業モデル

・児童買春問題を解決するためには、「需要」と「供給」、つまり買う側(需要)と売られてしまう側(供給)び両方を減らす必要があると考えました。「需要」を減らすには、方の整備や啓蒙活動が考えられます。実際にタイでは法律が厳しくなり、子供を買いたいという人がいても容易に買えなくなったことで需要が減りました。しかし、法を整備することは専門家ではないと難しいだろうと思いました。また、啓蒙活動は困難だと思われました。人の価値観を変えるのは非常に大変なことですし、それを外国人である日本人が行うことは難しいと感じたのです。では、供給を減らすためにはどうするべきか。それは貧困家庭を減らし、就学率を高めることです。貧困家庭が豊かになれば、子供を売る必要はなくなり、供給が減ります。タイでは、この頃、中学校の就学率が70%を超えていました。子どもたちが学校に行っているということは、売春宿に留め置かれていないということであり、児童買春の被害者は確実に減っていることだとわかります。

・私たちは事業モデルとして、供給側を減らしていくこうと考えました。供給側の農村の貧困家庭の就学率を上げるために、奨学金を与えて学校に通わせるか、学校を作るか、職業訓練所を作るかという三つの案を考えました。そして、その中から職業訓練所を作ることを選びました。職業訓練の機会を与え、大人もしくは子供自身が手に職を付けて稼げるようになることができれば経済的な自立ができ、貧困による売春を減らせるはずです。(中略)カンボジアでの職業訓練はITにしようということになりました。そして。カンボジアに仕事を発注できるように、ITの仕事を受注するためのIT事業部を日本側に作る、というモデルにしました。

・私はいろいろな想いを整理するために、カンボジアに行ってみようと思いました。人生を懸けるかどうするか迷っているほどの問題なのに。私だけ一度も行ったことがないのはおかしい。ここでじっくり見てくるべきだと考えたのです。

・「人生を懸けていいのか。普通の会社に就職してお給料をもらって・・・という生活を遠ざけけていいのか」とこれほどまで迷っていたけれど、こんなに大切に思ってくれるのだから、リスクを負ってでもやっていく意味は絶対にある。(中略)貧しくても綺麗な目をして輝いている人がいる。それを見たとき、「幸せの定義」が自分の中で変わったのだと思います。

 

パソコン教室でカンボジアに進出

・かものはしプロジェクトとしては、IT事業部が順調に売上を伸ばしていました。日本では専従スタッフである私の他に、本木、青木と学生スタッフが六人、IT事業部のアルバイトが五人ほどいました。資金も貯まり、六月にはいよいよカンボジアに職業訓練所を立ち上げるという局面を迎えました。そこで、カンボジア駐在員を二人採用し、私は駐在員とともにカンボジアに行き、現地オフィスや訓練所の立ち上げを担当することになったのです。

・そんなある日、私は、初めてカンボジアを訪れたときに出会った六歳と十二歳の姉妹に会うべく、孤児院の所長に電話してみました。(中略)「あれから彼女たちはどう?元気にしている?」と聞くと、「彼女たちか・・・・実は、数ヶ月前に売春宿に戻った」と所長は渋い顔をして答えました。(中略)夜中に売春宿のことを思い出して、泣き叫んで眠ることができなかったり、保護された当時は泣くことも笑うこともできなかったほどボロボロだった子どもたちが、どうして家族のためにそこまで犠牲にならなければならないのか。日本人である自分であれば数日のバイトで稼げてしまう三〜四万円のために、彼女たちは売春宿で働き続けなければならないのか。ずっと地獄のような場所にいて、親が借金を返すか、あの子たちがエイズを発症して、もう客がとれなくなって捨てられるしか売春宿を出ることができないのなら、彼女たちは一体何のために生まれてきたのか・・・?そんな社会は絶対におかしい。絶対に間違っている。なんでまたこんな悲劇が起こるのか。そして、自分はせっかくカンボジアまで来たというのに、結局彼女たちを助けることができなかった。今まで自分は一体何をやってきたんだろう・・・。

・ある日体調が悪いのを圧して、他のNGOの方にかものはしプロジェクトの業務概要を説明しに行った時のこと。「パソコン教室なんてまったく現実的ではない。対象者であるカンボジアの子どもたちの教育レベルに全く合っていないじゃないか」と徹底的に否定されたのです。私は反論する言葉を持ちませんでした。確かにカンボジアの就学率は低く、読み書きもできない子どもたちがおおいのに、パソコンを教えてウェブ制作のスキルを身につけさせるというのは、ハードルが高すぎるかもしれない・・・。自分たちの事業モデルに自身が持てなくなってしまいました。

・パソコン教室は言質の駐在員の活躍により、2004年の12月に立ち上げられました。対象者は提携先のNGOの孤児院に保護されていた子どもたちです。彼らはもともとストリート・チルドレンであったり、貧困家庭の子どもたちでした。

・パソコン教室は何とか形になり、楽しそうに指導を受ける28人の子どもたちを見ていると、ここで覚えたことを将来きっと役立ててくれる、と信じることができました。

・その後2006年1月から3月にかけて行われた第3回のパソコン教室では、日本語のウェブサイトを作りたい考えている言質のNGOが「かものはしプロジェクトのパソコン教室の子どもたちで、そのサイトを作ってくれないか?」ともちかけてきたこともあり、学びながらサイト制作を行ったのです。

・なお。2009年現在は、後述する「コミュニティファクトリー事業」に力を入れるため、パソコン教室はいいったん休止の形を採っています。

・話が前後しますが、パソコン教室がスタートする前、カンボジア・オフィスが立ち上がった直後の2004年8月のことです。私たちは日本での「サポーター事業」(当時の名称は「ファンドレイジング事業」)を立ち上げることを考えていました。

・実は、カンボジアにオフィスを構えるときにはIT事業部の収益だけではまかなえなかったため、これまでかものはしプロジェクトを応援してくれていた方々に寄付をお願いしたことがありました。そうした融資の方々のお陰で、ビジにカンボジア・オフィスを立ち上げることができたのです。

・私たちは、知恵や労力や寄付など何らかの形で手助けをしたいという人の受け皿を作り、活動を広めて行くことを目的とした事業部を作ることにしました。それが「サポーター事業部」です。

・サポーターになってくださった方は、2009年には1700名を超えました。活動資金を調達するという目的だけではなく、支援者の輪が広がって行くというのは社会が変わって行くことだなあ、としみじみ考えています。

 

農村の子どもたちを救え

・パソコン教室の支援対象は、ブノペンにある孤児院の子どもたちです。ストリート・チルドレンだったり、家庭環境により親と暮らすことができない彼らは孤児院に保護されています。パソコン教室はそういった子どもたちが自立できるようにとITスキルを教えており、ささやかながらも成果を上げ始めています。しかし児童買春の被害に合っている多くの子どもの多くは、都市部よりも農村の子どもたちです。(中略)やはり「児童買春の被害をなくす」という使命を全うするために、少しでも早い方法をとりたいとと私は思っていました。ですから、支援の対象を農村の住民に変える方向で今後は動いていきたいと考えました。

・2006年はパソコン教室を運営しながら農村支援をスタートさせるための準備の年となりました。まずは、納所運支援の形を考えることから始めました。子どもが売られてしまう一番の原因は、農村に仕事がないことです。農村に雇用を生み、彼らの収入だけで生活が家族全員が生活できるようになれば、子どもを売らなくて済むようになります。(中略)このときに定めた「大人に仕事を、子どもに教育を」という標語は、現在もコ「ミュニティファクトリー事業」の指針になっています。

・私たちは農村への進出を自分たちだけで進めるよりも、すでに農村で職業訓練を提供しているNGOと共同でプロジェクトを進めることを考えました。

・まず、村人たちにプロジェクトを理解してもらうため、現在の村の状況ーどうしたら村を改善できるのか、子どもを都市部へ出稼ぎに出す危険性などを訴えました。そして、この現状を打開するために「いぐさ織りの民芸品を販売して利益が上がるようになれば、出なくても良くなるんですよ」と説明しましたが、訓練生になりたいと手を挙げる人は現れません。

・彼らは出稼ぎに出たいのです。少し先に手にできるはずの「安定した収入」よりも「今日の収入」が切実に必要なのです。(中略)出稼ぎに出なくても済むように村の仕事を創出するのが、コミュニティファクトリーの役割なのに、村人たちの信頼を得るのは思った以上に難しい。

・それぞれの村のキーパーソンから変えて行かないとダメかもしれない。そこで、村長訪問を開始しました。裏を発展させるためには何が必要なのか、自分なりに考えて「当事者意識」を持って行動を起こして欲しい。そのうえで、コミュニティファクトリーのコンセプト、意義を考えて欲しい。その結果、7つの村から38人の訓練生を集めることができたのです。

・訓練開始から二ヶ月が過ぎ、コミュニティファクトリーが軌道に乗り出したことにホッと一息ついていたころ、駐在員から気がかりな報告が届けられました。研修に顔を出さなくなる訓練生がぽつぽつと出始めたというのです。(中略)私たちはこのような村の現状を理解し、「一時的な収入を得るために農作業に出ることを否定しないようにしよう」と考えを改めました。村での農作業のスケジュールに合わせ、農作業後にまた訓練を再開できるように柔軟に工夫しました。賃金体制も月給制だけではなく、週払いや日払いを選べるようにしてみました。

 

 

村田早耶香さんの想いが伝わる・かものはしプロジェクトのストーリーが伝わるめちゃくちゃいい本です。

 

またかものはしプロジェクトに興味を持ったという方は、朝会・講演会など様々なイベントを開催しているので、是非参加してみて下さい。

イベント|講演会・イベント情報|国際NGO NPO法人(特定非営利活動法人)かものはしプロジェクト

 

かものはしプロジェクトの情報はこちら。

HP:子どもが売られない世界を作るため、寄付・募金・ボランティアの協力によりカンボジア・インドをメインに活動する国際NGO / 認定NPO法人かものはしプロジェクト
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