自分ができるところから変えていく 「ビッグイシュー日本」代表・佐野章二(73歳) × 家入一真(35歳)が語る「ゲリラ的に社会を変える方法」

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BIO CROSS TALK vol.1 : 「ビッグイシュー日本」代表・佐野章二(73歳) × 家入一真(35歳)が語る「ゲリラ的に社会を変える方法」(5/9 19:00〜@渋谷) | BIG ISSUE ONLINEに参加してきました。

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最近と知事選に出馬したりと、どんどん面白い活動を展開している家入一真さんとイギリスのホームレスが販売するビッグイシューという雑誌を日本に持ち込み、ホームレス支援の活動をしている佐野章二さんの対談で、ファシリテーターがイケダハヤトさんという個人的に好きな人ばっかりだったので、とてもいい対談でした。

 

そしてイベントの開始が家入一真さんは安定の遅刻ですが、さらに佐野さんまで遅刻してきました笑

待ってます!迷ったら電話ください! RT @hbkr: 向かってます! “@IHayato: あと10分でご出演です。 RT @hbkr こんばんは、DJあおいです。”

— イケダハヤト (@IHayato) May 9, 2014

佐野さんも家入さんも来ない…。あと2分で始められるのだろうか!会場は満員御礼!

— イケダハヤト (@IHayato) May 9, 2014

こんな感じでどたばたした開始もちょっと面白かったです。

 

 

・ホームレス問題ってそもそも何?
・若者ホームレスが増えているというけれど、ぼくらはどうやって東京に住んでいけばいい?
・佐野さん、社会はどう変化してきましたか?
・シニア世代の社会参加を促すためには?
・シニア世代にデジタルツールを使ってもらうためには?
・5月病に苦しむあなたに伝えたいこと
・やりたいことを見つけるためには?
・ぼくらは何のために働くの?ひきこもって何が悪いの?
・家入さん、泡沫候補だけど、実際選挙に出てどうだった?
・政治活動ってどうすればいいの?
・社会をどうやって変えればいいの?

 

こういったことをテーマとして対談の予定でしたが、対談時間が少なかった?せいもあってか、上部のホームレス問題を中心として、対談を行っていました。

ただ二人ともホームレス・居場所をテーマに近い問題意識を持って、第一線で活動をしているので、とても密度の濃い話を聞くことが出来ました。

 

以下より、タイピングスピードが遅いので、抜けている部分もありますが、参加レポートです。

また今回議事録担当が横にいたのですが、Googleドキュメントで複数人で議事録を取る方法がかなりいいなと思いました。

 

 

自己紹介

家入さん:居場所を作ることをテーマリバ邸やカフェなど様々な活動をしてきた、それを行政・政治という立場からするために都知事選に出馬しました。

佐野さん:2003年に会社を設立してずっと活動を行ってきた。ホームレス支援をすることは普通は行政がやることだけど、ビジネスとして解決することができないか考えた。ホームレスの支援は社会的課題の解決として一番難しいと思っている。それが解決出来たらどんな社会課題でも解決することが出来る。
今回家入さんと対談したいと思ったのは、若者さえ排除されるようになっていて、NPOの活動ではそういった人たちを包摂する社会を作りたいと考えている。それを家入さんがビジネスとして行っていることに驚いたので、このようにディスカッションをしたいと考えた。

 

イケダさん:ホームレス問題について、どういったところが難しいですか?

佐野さん:職を失うと収入を失い、家賃を払えなくなる、そして居場所・身近な繋がりを失ってしまう。それによってホームレスになってしまう。つまり孤立・ひとりぼっちになってしまう。
孤独とは少し違う。孤独と孤立の違いは、孤独は自分で一人になりたいと思ってすることだが、孤立した人は孤独になる自由がうばわれてしまう。ホームレスになるということは、孤独になる自由さえ奪われてしまう。
最近は若いホームレスが増えている。ビッグイシューの活動を始めた当初のホームレス平均年齢は55歳ほど、そして販売者の平均は50ほどだった。しかしある時から20代などの若い人の販売者が増えるようになってしまった。
50代の人は生活保護などの公的支援に頼る方法もあるが、30代のホームレスはそのような支援を支払う行政も、長期間受け取る側のホームレスも厳しい。
そして基金の最大のテーマが若者がホームレスにならないようにすること。年配のホームレスの人たちは、東京タワーの土建の仕事のなどで自分の過去のキャリア・仕事に誇りを持っているから、路上に出ても雑誌販売を頑張ることが出来る。若いホームレスはキャリアが少ないので、仕事に対する気概などを持ちにくく抑うつ状況になりやすい。そのためホームレス状況からも抜け出しにくい。だから若い人へのホームレス支援には、今までのようなおじさんのホームレス支援の方法が通用しない。

 

イケダさん:家入さんはホテル暮らしをしていて、ホームレスの人に近い暮らしをしていますが、どうしてリバ邸を始めようと考えたのですか?

家入さん:家を追い出されているので、最近は人の家に泊めさせてもらっている。リバ邸に住んでいる人で自分の周りにホームレス経験者がいる。リバ邸はコンセプトとして、共同生活によって支え合うことを掲げている。共同生活をすることによって、まずは家賃を下げることが出来る。そして一人では出来なくても起業など自分が今後どうやって飯を食っていくか協同で考えていくことができる。リバ邸に住んでいる人たちの見た目は普通の人と変わらないが、一人一人と詳しく話をしてみると心の闇や貧困状態があることがわかる。
見た目ではわからないので、問題が見えにくくなっている。見えにくいから、支援もしにくい。だからその一つの方法として、みんなで支え合うシェアハウスを行っている。
最近読んだ本では、何をしたらいいか分からないし、働きたくもない。やりたいことを探して働いてみて、結局働くことでやりたいことが実現出来ず、衰弱して死んでしまう人もいるということを読んだ。若い人は生活水準が高いので、マズローの5段階欲求の下部である安全欲求などは満たされているので、承認欲求を満たす為に働く。お金のためではなく、承認欲求を満たす為に働く。NPOや社会起業に関心がある若者が増えているのもそのためである。生活水準を高めた後の幸せが見えにくくなっている。

イケダさん:自分はコミュ障だからシェアハウスに住みたいとは思えない。そもそもシェアハウスは万人受けするセーフティネットではないですが、どのようにお考えですか?

リバ邸に住んでいた人:自分ももともとはコミュ障だった。自分はプログラミングの勉強をしていて、朝早くにリバ邸を出て、夜に帰ってくる生活をしていたら、リバ邸の中で自分が透明人間、存在しない人になっていた。そのため今他にもたくさんリバ邸に住みたいと思っている人もいるので、そのパイを開けるためにも自分はリバ邸を一ヶ月で出ることにした。

家入さん:一ヶ月でリバ邸を出たのは正解で、リバ邸は万人受けするわけではなく、個々人がその居場所が違うと思ったらまた違う居場所を探せばいい。もちろん居場所にならなかったのは残念だが。
リバ邸に馴染むことが出来る人は、その馴染んでいる人同士で疑似家族になることがある。家族ということに正確な定義はないから、家族だと思っていたら家族である。血のつながりは家族の定義ではない。
閉鎖的な居場所で苦しんだりするくらいなら、新たな居場所・家族を作ればいい。新しい居場所をどんどん自分に合ったものを見つけていく。合わなかったら軽やかに飛び出せばいい。

 

イケダさん:リバ邸に来る人などは、そもそも自分である程度生きる力を持っている人たちだと思うが、助けを求めることが出来ない人をどう救っていこうと考えていますか?

家入さん:乙武さんがいっていたことで、「弱者の強者」とう言葉がある。乙武さんは実際に様々な活動をしていく中で、弱者だけど強者といわれてしまうことがある、「弱者の強者」だから社会に対して、様々な提言をすることができている。「弱者の弱者」になってしまうと、世の中を敵対視してしまうようになってしまう。
自分が万人を救うことが出来ないことに対して、悩んでいる時期があったが、悩みに応じて各セグメントを分けることが必要です。リバ邸で救えないような人が来た時は、近いことを目的としている団体とネットワークを作ることによって、繋いでいくことが重要。

佐野さん:僕は万人を受け入れることなんてできない、万人を受け入れるのは独裁者だと思う。万人を受け入れるようになってしまえば、政府の収容所みたいになってしまう。万人は受け入れられないと考えることが必要。
若いホームレスがやってきても、彼らが販売を続けられないことがある。そういうことに悩んでいるビッグイシューの人が多くいる。若いホームレスを支援する為には仕事を作ることが必要。いつきてもすぐにやることができる、いやならやめることができる。敷居が低い仕事の場を用意することが必要である。そういう仕組みを作ることが必要である。

家入さん:徳島の株式会社いろどりの話を聞いて、「居場所」と「出番」の話を聞いた。株式会社いろどりは葉っぱのビジネスは30年ほどやっている。
このビジネスを始めたころは、女性は家にいて家事をすることが当たり前で、男性は林業をやっている人が多かったが、雨の日は昼から酒を飲んでいる人などもいた。このような男女の関係などに問題意識を感じて、おばあちゃんが葉っぱのビジネス初めた。こういった機会に自分たちにも「出番」があることをおばあちゃんたちが知り、おばあちゃんも町自体も活き活きするようになった。はっぱを拾うでも何でもいいから、「出番」と「居場所」があるといい。
以前新聞配達のアルバイトをやっていたが、自分の人生を振り返ったら新聞配達の経験が大きい役割を果たしていたことに気付いた。自分は引きこもりをした後に新聞配達やっていたので、挙動不審だったが誰もそのことには触れてこなかった。今振り返るとドロップアウトをしているような人が多いので、必要以上の干渉をしない人が多い。この新聞配達のバイトが当時の自分に取っての居場所だった。

佐野さん:ビッグイシューの支援者からよくシェルターなどのホームレスの人が寝ることができる場所を作るべきだと言われるが、それは断固としてやらない。ビッグイシューがやることは仕事を作ることであり、そういった他の活動は他の団体と連携していけばいい。自分で全部やるのではなく、自分がやるべきことに集中する。色々な活動をしている人たちが連携していくことが、社会だと思っている。
また承認欲求の話として、他者から認めてもらうことだけではなく、人は楽しんでいる自分を承認することが出来る。そういったものを作っていきたいから野武士ジャパン – 野武士ジャパン-ホームレスW杯日本代表チームのような活動も行っている。

 

佐野さん:家入さんは様々な企業をおこしていますが、それらの管理はどのようにしていますか?

家入さん:僕は管理をすることが嫌いだから、基本的に何も管理はしていなくて、知らないうちに広がっていくことが多い。気付いたら日本各地の色々な場所にリバ邸ができていたりして、それをTwitterで知ったりすることがある。
最初は自分中心に広がるが、半年経つと浮気ではないが、会社を行くことが減ったり会議をすっぽかすことが増えてくる。そうしていくことで、みんなが危機意識を持って、勝手に色々なことを始めたり、成長していくようになる。

佐野さん:お金はどうしていますか?

家入さん:実際にお金がなくなったことが一度あり、全社員をクビにしたことがある。その時の経験が現在の居場所作りに繋がっている。
その経験はある意味新鮮だった、その時自分とスタッフの関係は、雇用と労働の関係でイーブンだと思っていたが、実際にスタッフとしては対等ではなかった。
それから居場所作りを志すようになった。お金も居場所も会社一カ所に集中していることは脆い。色々な顔を持つことが必要。会社の顔以外の顔を作っていけるようにするためにと考えリバ邸を始めた。

佐野さん:一社に依存しないことはいいことだけど、実際に依存指定待っている人にどのようにメッセージを送っていますか?

家入さん:社員の副業禁止は絶対しないし、土日とかにどんどん色々な顔を作るようにして欲しい伝えている。

 

 

 

会場からのQ&A

Q.ホームレスなどの人が上を目指していく為にどのようにすればいいですか?

家入さん:リバ邸は基本的に卒業する仕組みになっている。住んでいる人は何かプロジェクト行うことを義務づけているので、そこで自分のビジネス・顔を作っていけるようになっている。
また家自体がとても狭くて、プライバシーが一切ないので、勝手に出て行きたくなるような家になっている。

佐野さん:ホームレスの人にとって次のステップは住む場所を見つけることなので、貯金をして欲しいと考えているが、実際に貯金をしてくれる人は少ない。
またビッグイシューを販売することは、自分がホームレスをカミングアウトすることでもあり、一人での肉体労働なので、とても重労働である。そのためビッグイシューを売ることが出来れば、何でもすることが出来ると言っている人もいる。
他にもビッグイシューの販売者によるクラブ活動の支援もしている。路上に出ると一人ぼっちになってしまうので、クラブ活動を支援して、繋がりを作るようにしている。繋がりがあれば、どんどん外にも繋がるようになっていく。

 

 

この対談を聞いて自分にとって、新しい気付きだなって思ったことがいくつかあります。

一つが、働くことは承認欲求を満たすためということや、働くことは社会参画であるということは今までも聞いたことがありましたし、実感していました。ここでの承認欲求は他者に自分の存在を承認してもらうことです。

しかし、ビッグイシューの一つの支援のアプローチとして、「人は楽しんでいる自分を承認することが出来る」ということがあり、とても新しい発見でした。承認欲求というのは、今まで他者という軸が存在しないとできないことだと思っていましたが、自分で自分を認められるようにする、即ち自己肯定感を上げることが承認欲求を満たすことに繋がるのだということを知りました。

 

またスタッフにビッグイシューの人もいて、ビッグイシューの課題や今後の話なども聞くことが出来たり、会いたかった人に会うことが出来たりと、非常に面白いイベントでした。(家入一真さんとちゃんと話してみたかったな。)

今後もこのようなイベントは企画しているようなので、気になる方は是非参加してみて下さい。

 

そして「職を失うと収入を失い、家賃を払えなくなる、そして居場所・身近な繋がりを失ってしまう。それによってホームレスになってしまう。つまり孤立・ひとりぼっちになってしまう。」の部分が、働くこととソーシャルキャピタルの密接な関係 育て上げネット工藤啓のTED動画「invisible friends」 | Kobayashi Blogという記事でも書いた育て上げネット工藤啓さんが言っている、無職になるとソーシャルキャピタルが落ちてしまうということと共通しているなと思いました。

 

正式なレポートはこちら。

「孤立」と「孤独」は違う。「ビッグイシュー日本」佐野章二が語る「人がホームレスになる理由」 | BIG ISSUE ONLINE
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また今回の内容に近い対談などを家入一真さんの有料メルマガで読むことが出来ます。

家入一真の『家入学級』 | The Book Project 夜間飛行
家入学級 Vol.012<家入カルマの行方/夜回り2.0 伊藤ジロウさん対談/ひかりの輪代表 上祐史浩さん登壇記録/人生を生きていくモチベーション>
家入学級 Vol.011 <ポジションにこだわらず、ジャンルを飛び越えたい/西村佳哲さん「居場所を作る人」対談/読者特典募集★家入先生と一緒に座禅体験/Q&A善い人になれません/家入LINE晒し日記>

 

 

登壇者二人の著書はこちら。

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