リーンスタートアップをNPOが実践するためには?

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NPOサポートセンター笠原孝弘さんLean for Nonprofits — Mediumというとてもいい記事を書いていました。

スタートアップのNPOは似ている部分もありますし、リーン・スタートアップの手法は必ずNPOにも役立つノウハウのはずですが、リーン・スタートアップを活用できているNPOはあまり多くありません。

 

まずは記事の要約です。

・反復的なプロセス、科学的な学習、素早い実験に特化した「新しいマネジメントの道具」として注目されているリーン・スタートアップ。起業家はもちろん、米国雑誌フォーチュン誌が選ぶグローバル企業500社、米国政府も積極的にリーン手法を採用しています。

・テストマーケティングが可能な必要最小限の製品(MVP:Minimum Viable Product)を顧客や支援者、関係者に提供し、声を拾い続けニーズが一致するサービスの完成を目指す。それから、インパクト指標を持続的でお金になるビジネスプランを変換し始めます。

・アナログな方法でも、「構築-計測-学習(Build-Measure-Learn)」のリーン・スタートアップ手法を実行できます。構築したMVPから顧客からのフィードバックを効率的に収集できる無料のITツールも沢山あります。

・行動をにつながる指標(Actionable Metrics)は何か。データ分析の指標設計に「AARRRモデル(Acquisition:獲得-Activation:活性化-Retention:定着-Revenue:収益-Referra:紹介)」が代表例です。それを少ない工数で、顧客の行動の進捗を確認し、改善個所を探すコホート分析等。あなたのNPOにとって観察結果・学習を具体的で反復可能な行動につなげる正しい指標とはなんでしょうか。

3つの「しやすさ」――行動しやすさ、わかりやすさ、チェックしやすさ――が尺度として重要であることがわかる。(リーン・スタートアップより)

・IT企業のリーン・スタートアップ事例は沢山ありますが、NPOやソーシャルビジネスの例は少ないです。「構築-計測-学習(Build-Measure-Learn)」のそれぞれにどのくらい時間がかかったか。どのようなリソース、ツールを使ったか。リーン・スタートアップの時間は無駄なのか。短期間で急成長するNPOや社会起業家の国内外の動向を引き続き追いかけ、提供するプログラムに「リーン・スタートアップ」のメソッドを応用していきます。

Lean for Nonprofits — Mediumより)

What is and isn’t lean startup from Taro Kawai

What is and isn’t lean startup

 

これだけだと、リーンスタートアップがYahoo!のCMOである河合 太郎さんの使っていた資料をもとに解説します。

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つまりリーンスタートアップとは何か?

つまりリーンスタートアップとは、MVP(minimum viable products)というまだこれから発展できる段階だけど、最低限の機能を備えた段階で、商品・サービスをリリースし、顧客の声をもとにどんどん改善していくという手法です。

 

リーンスタートアップはなぜNPOに根付いていない?

リーンスタートアップはNPOでは、まだまだ一般的な手法ではありません。

その理由として、笠原孝弘さんのブログにはこうあります。

一方でNPOはリスクを回避する完璧志向と言われています。いかに迅速に、テストと実験と実行するかが全てのITスタートアップのアプローチとは大きな差があります。本当に完璧志向 vs 高速仮説検証なのでしょうか。ゆっくりしてしまうと、フィードバックも少なくなるし、完璧な商品、サービスは構築できないはずです。顧客や支援者、利害関係者からフィードバックを得て完璧を目指すべきでないでしょうか。実験を成功させるカギは、実験にお金がかからないことと、いかに無駄な時間を浪費させないかということ。短期間で急成長したいNPOや社会起業家がまさに求める、より良い発見を生み出す旅が高速仮説検証プロセス「リーン・スタートアップ」です

Lean for Nonprofits — Mediumより)

 

NPOの組織運営はほとんどの場合ステイクホルダーが多様なので、色々なステイクホルダーの声に対応するために意思決定が遅くなってしまうことがあります。

MVP段階でサービスをリリースし、顧客からのフィードバックを求めて、そして高速仮説検証を行っていくというやり方は基本的にNPOには適していないのです。

そしてリーンスタートアップを実践しようとしても、高速仮説検証をするために必要な指標を見つけることができる人材がいないということも理由の一つでしょう。

 

NPOがリーンスタートアップを実践するためには

アメリカでは、NPOもリーンスタートアップに取組もうとしています。

そしてリーンスタートアップに取組むためには、このようなことが必要だと言われています。

 

①失敗を許容することが出来るか?

②情報伝達・意思決定のためにシステムができているか?

③学びの組織文化に定着しているか?

④痛みに耐えられるか?

Is Your Nonprofit Really Ready to Use the Lean Startup? | Stanford Social Innovation Reviewより)

What Would The Lean Startup Look Like For Nonprofits? Lean Impact

 

またNPO法人クロスフィールズ小沼大地さんがブログでこのように書いています。

① スタートアップの経営者は”Pivot”する勇気を持つことが大事

・どのNPOも、団体が掲げるミッションやビジョンに基づいて活動を始めているが、活動を続けるうちに、いつの間にか、予定通りに活動自体が進んでいるかどうかばかりに気を取られてるようになって、ミッションやビジョンに近づいているかを見失いがちだ。

・「自分たちは本当に社会を変えているのか」という問いに立ち返って、自分たちの活動を”Pivot”すべきか考えることを、初期段階では特にやるべきだと思う。

② 自分たちを最初に信じてくれた顧客とともに歩もう

・幸運なことに、多くのNPOには、団体のミッションに共感して応援してくれる仲間たちがいる。NPOの経営者は、そうした仲間たちを単に活動を応援をしてくれる支援者として見るのではなく、アーリーアダプターとしてサービスや事業にフィードバックをくれるパートナーだと捉えてはどうだろう。

・クロスフィールズでも、パートナー企業には「一緒に『留職』プログラムを創ってください!」と繰り返し伝えているが、これはとても上手くいっていて、そうしたパートナー企業のフィードバックがもととなって、様々な新たな素晴らしい事業やプロジェクトが生まれている。逆に言うと、初期段階ではフィードバックをくれない顧客とは付き合うべきではないとも、僕は思う。極端に聞こえるかもしれないけれど、スタートアップ期のリソースはそれくら貴重なのだ。

NPO法人クロスフィールズ 小沼大地のブログ「リーン・スタートアップ」とNPOの経営より)

 

NPOも利益を上げなければ、活動を続けていくことができないため、活動を行っていくうちにその活動視点でPDCAを回したり、その活動をしていくことが目的になってしまうことがあります。

しかしそうではなく、NPOにとっての指標はミッション・ビジョンに基づいたものではなくてはなりません。そしてそれに基づいて時には活動をPivotすることが必要です。

またNPOには多様なステイクホルダーがいることにより、それらの意見の調整を計りすぎたり、反発を生まないようにしてしまうことがあります。

しかしそれらのステイクホルダーをパートナーとして捉え、一緒にミッション・ビジョンに向かって突き進むことが出来るようになることがとてもいい関係になっていると言えます。

 

 

NPOは組織の構造・文化として、MVP・高速仮説検証というリーンスタートアップには馴染みにくい部分も多くありますが、リーンスタートアップを実践出来るようになると、確実に団体のミッション・ビジョンに近づく速度は上げることが出来ます。

 

関連書籍はこちら。

リーンスタートアップは結構厚くて読むのに、時間がかかるので、それとほとんど同じ手法・考え方であるグロースハッカーから読むのもいいかもしれません。

 

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