AKBはなぜここまでヒットを続けられるのか! 「AKB48の戦略! 秋元康の仕事術」

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AKB48のプロデューサーである秋元康さん田原総一朗さんの対談本で、AKBの戦略について語っているAKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)を読みました。

2013年の1月に出版された本なので、あっちゃんとか懐かしいなと思いつつ読んでいましたが、すごく参考になる内容がありました。

 

色々な視点で、自分のビジネスなどに置き換えながら読んでいくとかなり面白いです。

AKB好きじゃなくても確実に楽しめるはずです。

 

AKB48の誕生

・秋葉原に劇場を作ったのは本当に運命だったと思うんです。青山、原宿、巣部やも探したけど、適当な場所がなかった。そのときスタッフの一人が、萌え文化やメイドカフェが広がり始めていた秋葉原を冷やかし半分で見に行った。それも、たまたまメイドカフェに入ったら、上が暗く、エスカレーターも上まで行かずに止まっていた。帰ってきて「ドン・キホーテの家が空いていましたよ。貸してくれるんじゃないかな」と言ったのが最初です。

・(前略)「いや、違うんです。とにかく観て、興味を持ってもらうことが大前提なんです。そのためのプラットフォームを僕らは作りたい。CDやDVDやコンサートはそのあとの話です。劇場だけで採算を取ろうと思えば、極論すれば5000円の入場料でも合わないと思うんです」と説明したんです。安田さん(ドン・キホーテのCEO)がすごいなと思ったのは、すぐさま「それはおもしろい、それならわかります」と言って、場所を貸してくれたんです。

専門店化した秋葉原の「地場の力」を活用した

・ボクは、最初から「秋葉原だからAKBだ」と思っていた。秋葉原という土地の「地場の力」を強く信じていましたね。

・野球のホームグラウンドのように、それぞれのチームが地元ファンに熱狂的に応援してもらえるように広がっていきたいな、と。

・秋葉原は、情報の発信場所であり受信場所でもある。セグメント化さて、細分化されていった情報に、うまく対応できる街になったんだと思います。

・AKBの成功には、秋葉原という地場の力が大きく作用している、と思います。

オーディションではふぞろいの「デコボコ」を求め、ファンが選ぶ楽しさを残す

・AKBの募集は、インターネット上に「AKB48が始まります」というサイトを作りました。で、あれこれリンクを張り、たとえば秋葉原の萌えカフェに興味がある子たちが見ることができるようにした。それから『月刊Audition』『De☆View』など芸能界を目指す子たちが読むオーディション誌に広告を出しました。応募してきたのは数千人かな。

・オーディションでは歌唱力だけをみるわけじゃないんですよ。やっぱりプラスアルファーが大事で、つまり「デコボコさ」を求める。

・ファンが「僕はこの子が好きなんだ」とか「俺は右から2番目の子がいい」というように選べる楽しさが、ないより大事だと思っていました。

・全然ノーマークだったのに、こんなに伸びるのか、こんなに人気が出るのかと、いい意味ではずれることもよくある。

「クラブ活動後に髪の毛ぼさぼさで制服のまま走り込んできて、汗をかいて座っているような子」がいい

・プロダクションに入っていました、芸能スクールで猛練習してきましたっていう子は、まず「磨いてもこの程度か」と考えてしまう。一種の「くさみ」みたいなものがあるんですよ。

・たとえば「ちょっと足は太いけど、この子の目はすごいよね」とかっていう特徴がある。そこで専門のスタイリストやヘアメイクがつき、プロのカメラマンがその子を何度か撮影するでしょう。。そうこうするうち、不思議なことに本人に自覚が出てきて、足が細くなっていく。のクラは「なんかいいね」と思った目も、ぐんと際立ってきます。どんどんいい顔になっていくんです。

・やっぱり観られているということが、彼女たちには何よりのエネルギーなんです。

ヒットするコンテンツは、勝手に深読みされ、深読みが加速していく

・ヒットするコンテンツって、何につけても深読みされて、その深読みがどんどん加速していんですね。

・(前略)そういう話がどんどん広がっていけばいくほど、フリーメイソンやロスチャイルド家の秘密みたいな感じになって、もうみんな楽しくてしょうがないわけです。

企画の原点は「根拠のない自信」。根拠を求めるからみんなおなじところへ行ってしまう

・劇場オープンの日は収容人数は250人で70人ほど入ったんですが、一般のお客さんは7人だけでした。残りの六十何人は関係者でしたが、何もしなかったです。「このままでいい。このまま待とう」と。企画の原点は、やっぱり根拠のない自信だと思うんです。根拠を求めようとするから、みんな同じところへ行ってしまう。みんなが同じ本命だけを追いかけてしまう。

・「自分は大衆の一人だ。だから自分が楽しくなきゃダメなんだ」と思っています。

ネット時代の「口コミ」は、作り手の予想以上に急速に拡大する

・AKB48劇場は、僕が予測していたより、はるかに早く満員になってしまった。2005年12月にスタートして、2006年の2月には満員になっちゃんたんです。

・何が誤算だったかというと、僕は口コミを想定していました。ところが、口コミはネットという時代だったんです。7人しかいないお客さんが、携帯やパソコンで一斉に「秋葉原ですごいものを見つけたよ」と。

「会いにいけるアイドル」とは「会う主導権はファン側にある」

・「会いにいけるアイドル」は、AKBのコンセプトのためのキーワードですけど、その意味は「ファンは自分が会いたいと思ったときに会える、AKBに会う主導権はファンのほうにある」ということ。”会いたい”と思えるか?がポイントなんです。

・ファンは非常に辛辣で会う。メンバーに対して、たとえば「誰それは最近、曲が終わってはけていくときの顔に緊張感がない」と、ピンポイントでグサッと指摘するんです。

・そして「あなたはそこに緊張感がない」と言う。次の講演にいくと、その子がちゃんと緊張感を持ってはけていく、「お、自分のアドバイスが効いたな」と。これが「会いにいけるアイドル」AKB48です。

鮮度が落ちないのは未完成だからである

・(前略)最大の理由は、もともと進化することを前提にAKB48を作っているからだと思います。最初から完成していたら、完成形から広がっていくのりしろがないじゃないですか。まだまだ未完成の部分が大きい高校野球みたいなもので、高校球児たちが内野安打でも一生懸命、全力で走るところを見せているわけです。

・AKBは、若い女の子たちに誰でも入るチャンスがあるんです。

・”ヘタ”でも”一生懸命やっている”ことが大切です。よくあるのは、「ヘタだから弾いているふりをさせて、別の音を流しましょう」っていう発想です。みんな今までそうだったんですよ。そのほうが、まとまるじゃないですか。でも、それじゃ、おもしろくない。「えっ、AKBってこんなにヘタなの」でいい。

芸能界の「開成や灘高」になればいい

・総選挙は僕ら側の親心でもあるんです。「あなたたちは、芸能界を目指し、歌手や女優になりたいんだろう。そこでは歌や踊りや容姿だけじゃない、日常茶飯事すべてにわたってランキングされているんだ」と

・僕がイメージしているのは、芸能界でトップの女子校を作ろうということです。だからAKBのなかの順位なんて関係ない。

総選挙は、集団の中の自分の位置を知る絶好の場である

・前田敦子をセンターにすると決めた頃、劇場のロビーに座ってファンに話を聞いたんですが、毎回「秋元さん、なぜ前田敦子なんですか?」「なんであの子は入らないんですか」とすごく言われました。じゃあオールスター夢の球宴みたいな人気投票をやろうと。

・予想外だったのは、彼女たちに自覚が出てきた。テストなしで全員の個性を伸ばしますよという学校で、みんな自分はそこそこの成績だと自信を持っていたところに校内テストをやって、50番や200番という順位がわかったようなものです。みんな勉強してたんだ、自分ももっとちゃんと勉強しなくちゃダメだと、自分の位置を知ることができた。

チャンスには順番がある

・AKBは待つしかない。僕はメンバーに「チャンスの順番」と離すんです。AKBのメンバー全員にチャンスが同時に回ってくるなんてことは、ありえない。チャンスは順番に回ってくる。

・AKBのメンバーにも「歌や芝居も何でもできる人になりたいですっていうのは無理だ。一つに絞り込め。自分のなかに、これだけはという武器を見つけなさい」と言っています。

 

秋元康の思考

「刺さるコンテンツでなければダメなんだ」

・AKBを始める前に僕が考えていて、会議でもいちばんよく口にした言葉は、「刺さるコンテンツじゃなきゃダメなんだ」ということです。「認知」と「人気」は違うと、テレビは何千万もの人に認知させることができるけど、それは「あ、知ってる」というだけでのこと。「この人のためなら行列してもいい」とか「どこそこに出かけてこの人に会いたい」というのが人気で、そこまで刺さらなければダメなんだと。

・テレビがもたらす膨大な情報量の中でただ「知っているよ」ではなく、「自分はこれが好きだ」と思う、刺さるコンテンツにならなければいけない。

・テレビも変わってきた、だんだん不思議なパラドックスが出てきたぞ、と僕が思ったのは、たとえば宮藤官九郎さんおドラマ『木更津キャッツアイ』です。視聴率はよくて10%だった、ところが、DVDを出したらばか売れして映画も大ヒットした。これはたぶん新しい形だ、と思ったんです。(中略)木更津キャッツアイの視聴者は本当にセグメントされた人たちです。

「本当に欲しいものしかいらない」

・これだけ豊かな時代、物があふれている時代だからこそ、みんな本当に欲しいものしかいらないんです。

・たぶんビデオ映像コンテンツなんかは、本当に欲しいものがほしいときに手に入るオンデマンドの形がいちばんいいんだと思う。つまり「所有」についての価値観が大きく変わってきた。

・ビートルズやローリング・ストーンズのレコードを買ったときも、このジャケットいいなと、部屋に飾ったわけです。ところが、今の子たちはそれを必要としていない。そうなってくるとグサッと刺さらなければ、彼らは動かない。

「共犯意識」がドミノ倒しのように広がるとき、ヒットが生まれる

・『オールナイトフジ』の人気はたぶん「共犯意識」です。あんなバカバカしい番組を明け方まで見ているやつは、そうそういないと思うんです。観た連中は友達と日曜に遊んだり月曜に大学の学食で顔を合わせたりして、「見ちゃったよ」「俺も見た。寝不足でレポート書いてないな」とか「左側にいた髪の長い子、かわいいよな」「お前もそう思った?」と離す。見なかった人には、何の話かさっぱりわからない。こういうのが共犯意識で、これが大きなエネルギーを持つんです。

・共犯意識がドミノ倒しのようにパタパタパタパタって広がらないと、ものはヒットしない。そこにアンプとして、増殖装置としてのテレビが介在するわけです。

時代とどれだけ呼応するかが重要

・共犯意識ともう一つ、オールナイトフジで僕が学んだのは、時代とどれだけ呼応するかが重要だ、ということです。

・あるとき写真週刊誌の『FOCUS』がオールナイトフジの女子大生はバカだ、こんなこともわからないって記事にしたんです。読んで僕は、すごく面白いと思った。彼女たちを見ればもう一目瞭然、バカなんですよ。みんなわかっている言わずもがなのことを、わざわざ『FOCUS』がやったのが実に面白い。それで、すぐにプロデューサーと話し手決まっていた企画をやめて、雑誌が出た週末に、学力テストみたいな企画をやった。

・ここから後にAKBでもやった大衆との「遊び」が始まるんです。時代がこうだからこうする、世間がこう動いたらこちらはこう動くという遊びがね。

本音を見せる

・川の向こう側は古色蒼然とした古いテレビ。つねに完成した立派なものを見せるテレビです。

・川のこちら側は、正月番組は実は年末に撮っているんだということを全部バラしながら作るテレビ。裏側の本音をどんどん見せていくテレビです。

・他の人ならば、雑誌が「オールナイトフジの女子大生はバカだ」と記事にしたら無視するでしょう。そこはあえて触れないのが当たり前かも知れないけど、それをおもしろいと取り込んでいくんです。

バックステージを見せる

・オールナイトフジでとんねるずを売り出していくときに、たとえば帝京高校の先生のモノマネとか、誰もわからないようなことを、わざとやったんです。

・実在するかどうかすらわからないけど、おもしろい、そこで笑うとみんなおもしろくなっていくんです。これも共犯意識ですね。

・バックステージを見せることが、リスナーによっての安心感につながるんです。バックステージなんか存在しないよという時代が、そこで終わっているんです。

今の時代は、ヒットしたものだけが加速度を増していく

・いまの時代は、いったんヒットしはじめると、それだけが急激に加速度を増していく。自分で見つける楽しみはあまりなくて、いちばん売れたものだけがとにかく絶対的な神なんです。

・ファンのみなさんには、また別の自分だけの選択をしてほしい。

雑談の中にこそ、企画のヒントがある

・会議室のホワイドボードの前で何かを決めましょうって言っているときは、皿に合わせようとして必ず予定調和になっていく。

・雑談から、予定調和ではない番組企画が生まれるわけです。

「予定調和を壊す」とは、奇をてらったり裏をかくことではない

・奇をてらったり裏をかこうとすると、必ず「裏なんだ、裏なんだ」と、反対向きのこれまた予定調和になっていくからです。

・奇をてらうのではなく、何も制限をかけないのが正解です。

・予定調和を怖し、AKBでは絶対にやらないはずの企画を生み出すには、どんな提案でも先入観を持たずに「いいんじゃないの」と考える。

企画とは、ある「場」と別の「場」を結びつけることである

マーケティングより自分が信じることのほうが重要

・「川が流れています。上流のここからここまでにこんな魚が何匹います。下流ではこうなっています」と分析するのがマーケティングでしょう。その魚はどんな餌を好むとか、どんな習性があるとか。でも次の瞬間、魚は動いている。

・自分が信じることのほうが重要です。「そんなとこ、魚がいるわけないですよ」と誰が行っても、自分は「ここだ」と決めた場所でじっとやり続ける。これがいちばんだ、と思うんです。

・柳のしたのドジョウは、2匹目がいたとしても、ものすごく小さくなっていまう。というのは、1匹目は野生育ちで作意がない。2匹目は、それに似たものを無理矢理作ろうとするから、大きく育たない。

AKB48劇場

AKB48は素のままを見せていくドキュメンタリー、だから台本はいらない

・僕はずっとコンサートの構成や演出をやってきましたが、今までのアーティストには全部、かなり詳細な台本を書いていたんです。でも、やっぱりAKB48は違うと思った。生のまま素のままを見せていくプロジェクト、一種のドキュメンタリーだから、台本は一切やめようと思ったんです。

アンコールのやり方にも、ファンが生み出したいろんなパターンがある

・ファンが、自分で場を作ることがおもしろいんです。こちら側は素材を見せる。それに大してファンの側が、自分の好きなようにカスタマイズしていく。だからおもしろい。

・アンコールのやり方にも、ファンたちが生み出したいろんなパターンがあるんですよ。

AKBは「プロ野球」ではなく、甲子園を目指す「高校野球」なのだ

・いまとなって、AKB48で何を見せたかったというと、やっぱりプロ野球ではなくて高校野球なんです。内野ゴロでも全力でファーストに走ってヘッド・スライディングをする姿を見せたい。つまり僕らは、秋葉原の劇場で、東京ドームという名の「甲子園を目指していた」

・AKB48は学校みたいなものです。卒業もあるし、いまもメンバーは、いくつものプロダクションに分散して所属しています。

 

東京ドーム公演

「努力すれば必ず夢はかなう」

・学校でいえば、AKBはこれまでも卒業生を何人も出してきました。でも、今回始めて、全課程を終了して学年トップになった者が卒業した。公演最終日に卒業した前田敦子です。

・「1830m」は秋葉原のAKB48劇場かあ後楽園の東京ドームまでの距離で、一つの象徴ですが、ここからまた次の1830mに歩き出すと言うことです。僕らにとってこの1830mは、高橋みなみも行ったように「人間、努力すれば必ず夢はかなうんだ、必ず報われるんだ」ということの証なんです。あんな長い距離があったように見えたけど、たどりつくことができた。だったら、今日を起点とすれば、次の1830mも、いけるんじゃないかと。

AKB48のドキュメンタリーに、どんな劇伴をつけていくか考える

・ガチさがAKB48だと思うんです。僕は、作詞家やプロデューサーとして彼女たちの生態を見ていて「観察日記」と読んでいるんですけど、いつでもそのミュージカルを作っているんです。いわばドキュメンタリー・ミュージカルをね。よく「あれは演出ですか?」と聞かれますが、まったく演出ではないです。ただ、彼女たちの生態とか日常とかそういうもので、歌や舞台を作っているわけです。

・ドーム公演に会わせて「1830m」というアルバムを作ろうとしたとき、前田敦子はもう卒業が決まっていました。前田敦子と高橋みなみという盟友があのキャパシティ250人の小さな劇場から、やっとここまで来た。この二人の歌を作らなければいけない、と僕は思ったんです。

・すべて演出ではなく、彼女たちのドキュメンタリーです。彼女たちのドキュメンタリーです。彼女たちの歌は、AKB48のドキュメンタリーに、どんな劇伴をつけていくかを、僕が考えているんです。

AKBなら何でもおもしろいという状態は長続きしない

・ファンたちは劇場に一歩を踏み入れたときから、もうおもしろいんです。何でも笑いたいんです。だから大して面白くないギャグでもみんな笑うんですよ。それは決してよいことではないんです。つまり、お客さんに冷静な判断がつかなくなっていくんです。

・つまらないところはつまらない、おもしろいところはおもしろい、とちゃんと指摘しなければ、その緊張感が人を育てるわけです。

・いまはTシャツにAKB48というロゴが入っているだけで売れる。でも、同時にAKBという原液はどんどん希薄化していくんです。AKBならなんでも面白いという状態は絶対、長続きしません。

「さて、何がおもしろかったんだっけ?」というのでは、リピーターを生まない

・AKBをそれほど好きではない人が見て「案外おもしろいじゃないか」と行って何人は行ってくるか。これが大事なんです。

・興奮さめやらぬ状態で出てきて「いやあ、おもしろかった」と思っても、冷静になってくると「さて、何がおもしろかったんだっけ?」というのでは、リピーターを生まないんですよ。

 

AKB48のプロデュース

オーディションで落とすのは完成された女の子

・前田敦子をセンターに選んだのは、センターに一番向いていない、と思ったからです。ファンはアイドルに「シンデレラストーリー」を求めているんです。

・毎日やっているからファンには、たとえば「今日のあっちゃんは、何だか暗い。おかしいぞ、きっと何かあったはずだ」と気付く。(中略)ファンのみなさんは、ステージと客席との境界線を、何とか超えようとします。ステージではダイレクトに明かされない情報に、ものすごく敏感なんですね。

AKB48は一種のショーケース

・「予定調和」ではないこと。それから、この子が喜んで微笑んだときの愛くるしい顔は人の心を打つだろうなという天真爛漫さ。

・素材として、この子はどうやったらおもしろいだろうか、と何かとクリエイターをワクワクさせる。AKB48劇場は一種のショーケースで、さまざまな映画監督や、コマーシャル、ドラマをはじめいろいろなプロデューサーが来ます。すると、必ず「前田敦子がいいね」と言います。

前田敦子がいないシチュエーションが次に何を生み出すか、それが楽しみ

・「前田の位置に誰が来るのか、おもしろいじゃないか」

・集団の復元力といいますかね。僕がわくわくするのは、中心にいたエースの前田敦子がやめて、そんな復元力がAKB48でも成立するのかということです。「もう前田はいないんだよ」というシチュエーションが、次に何を生み出すのか。それが楽しみなんです。

リーダーシップとは、天性のものではなく、環境が作るもの

・リーダーシップとは天性のものではなく、環境が作るものだと。彼女に最初からリーダーシップらしきものがあって、それをオーディションで受かった直後かあ発揮したり、みんなを集めて聞いた不満や不安を棒にぶつけてきたりしたわけではないんです。高橋みなみは、本当に誰かの後についていくような子だった。ところが、お姐さんたちが卒業していなくなってしまい、もう頼る人もまとめる人も誰もいなくなったとき、彼女が輝き出した。やらざるを得ない状況が、リーダーを生み出した。

高橋みなみは痛みのわかっているリーダーだから、説得力がある

・痛みがわかっているリーダーだから、すごく説得力がある。

・彼女たちのためにできることはなんでもやるという思いがあって言うから、説得力があるんです。

・話が特別うまいわけでもないけど、ちゃんと伝わるんです。なんだろうな。話がうまいとか判断力が的確とか、そういうのとは違うリーダーとしての才能でしょうね。

本人が乗り越えようとするか、逃げようとするか、でその後が違ってくる

・僕らも失敗を繰り返し、親に怒られ、先生に怒られ、大人たちに怒られてきた、それを、世間知らずだったり血迷ったりして、たった1回やったからと、彼女たちの夢を閉ざしてしまうのは、あまりにも酷だ。それは違うだろうと。だから、最初に解雇した子には「けじめとして解雇するけど、とにかく戻ってきなさい」と言った。

・菊池あやかはエース候補だったんです。それが研究生から再スタートして、自分のほうが人気があった同期たちのバックダンサーを務めなければならない。それでも頑張って、新しいファンが彼女のことを認め、昔のファンも戻ってきた。こういうのがAKB48だと思うんです。

AKB48は「がんばれ!ベアーズ」のような落ちこぼれ集団

田原 みんなドラマを持っているんだ。すごいな

・AKB48は本当にエリートじゃない。「がんばれ!ベアーズ」みいな落ちこぼれ集団なんですよ。

・ダメダメな子たちが集まってオーディションをやり、翌週からリハーサルを始めました。少年野球の子どもたちを集めて「グローブをつけてみろ」と言ったら、左右反対にはめるやつがいるような、そんなチームでスタートしたんです。

目標に向かって悪戦苦闘していたら、隣の子をいじめているヒマなんてない

・いじめという問題は複雑だから、簡単には断言できないけれも、みんなが同じ方向を向いて頑張っていたり、極端にいえば共通の的がいたりすると、いじめは減っていくでしょう。

・みんなで目標に向かって悪戦苦闘していたら、隣の子をいじめているヒマなんかないんです。

 

特別対談 高橋みなみ×田原総一郎

「私たちを見たい人はたった7人だけなんだ」が原点です

・あおの時代を味わうことができ、本当に自分は1期生でとかったなと。2期生からは満員の状態ですから。ある意味「かわいそうだな」という気持ちもあるんです。

・ダンスが上手そうに見えるのは見かけ倒しなんですよ。足が速そうだとか、ダンスもすぐにできるよね。みたいなことをよくいわれるんですけど、もう真逆。運動神経はなしし、足もめちゃくちゃ遅いです。何とかなったのは、やり続けたからでしょう。もちろん努力はしましたけど、7年やり続けたことが、いちばん大きかったかなと思います。

AKB48劇場の公演は、絶対に負けられない「真剣勝負」です

・2mも離れていないこの距離がも力で、舞台に立つと、生きている感じがすごくします。自分がしゃべったことに生の反応がすぐ返ってくる、お客さんたちと自分たちが、お互いに生きることを共有している感じがします。

「私がやることでAKBがよくなるなら、キャプテンをやろう!」と思いました

・円陣のかけ声をかける人もいなくなったとき、ちょっとやってみたいなという気持ちが出てきたんです。誰もリーダーになる子がいないなら、そして誰かがリーダーをやらなければAKBがよくならないなら、私がやりたいと思いました。

「弱いところを見せる強さ」があれば、みんな扉を開き、支えてくれるんです

・キャプテンやリーダーの覚悟としては、やっぱり自分ができなきゃいけないな、というのがすごくあります。

・それプラス「できすぎてもよくないな」というのが、自分にはあります。完璧すぎる人間には、やっぱり誰もついていきたくないですよね。</p>

・自分よりうまい子に「これどうやるの?」と聞くと、自分の扉が開きみんなが入ってきてくれる。それでみんなが支えてくれたりするから、これって大事だな、と思います。弱いところも見せる強さ、みたいなことでしょうか。

センターの前田敦子とキャプテンみなみで、役割分担してきたんです

・キャプテンや総監督という私の場合は、AKBが好きだからできるというのもあるんですけど、一歩下がって視野w広げてみんなを見て「こうしたらチームがもっとよくなるな」ということを、ライブの前とかにメンバーに言って、みんなが呼応したりするんです。

・センターと言うのは逆に、それをしちゃいけない。

・センターは、凛々しく前だけを見て立っていればいい。前は風当たりが強いから、その風を受けて、頑張ってほしい。あとのことは大丈夫、私がやるから任せてよ、という役割分担ですね。

 

AKB48はどこへ行く?

戦略がないのが戦略

・僕が戦略を持っていないからです。普通は戦略を立てて、ああしてこうしてという絵を描きますけど、AKBでそれをやると予定調和になっておもしおくない。僕自身もどうなるかわからないことを、いちばん大事にしているんです。

・僕は、自分の意志よりも、みんながどんなことを望んでいるかを優先して考えます。なるべく時代にもっていかれるほうに、できるだけ手綱を緩めておくんです。

ジャカルタのファンはネットでAKBを知っていた

・AKB48の総選挙や、前田敦子のさよならコンサートはアメリカでもよく見られています。一部には有料のコンテンツもありますけど、基本的には、まずネットで見てファンになってもらう。秋葉原の劇場のスタートと同じですね。

「オタ芸」もネットで生みを超えてジャカルタへ

・ジャカルタのファンは本ツに、僕らが驚くくらいこちらの事情をよくわかっています。(中略)9割以上は日本とまったく同じです。ところが、おもしろいことに、1割くらいのファンは本家本元のAKB48を知らないんです。つまり、JKTが日本のAKB48から派生したとは知らず、JKTはジャカルタで始めて誕生したアイドルだと思っている。これはすばらしくいいことだと思っています。

沸点に近づいても、泊めることなく連続させていく方法はある

・AKB48はドキュメンタリーと言いましたが、中身はそうですけど、展開の仕方と言う意味では、AKB48は連続ドラマだと思うんです。

・普通のアイドルは、ある沸点まで到達すると、そこで止まってしまうんです。それを止まることなく、いかに連続させていくか。そのために別になんと言うことは決めていないですけど、ある種のスクラップ&ビルドかもしれません。例えば組閣とか。

AKBを「旬」ではなく、「定番」にしたい

・AKBの場は僕が与えたけれども、そこから先は僕がコントロールしないまま、女の子たちがいろんな形で動いていくのをみんながおもしろがっている。

・どこまで露出過多で突き進めるかという「戦略なき戦略」もこれはこれでありじゃないかと思います。

・変に計算高いことをするより、このままAKB48はどうなるのかな、と見ていたい。それが今の気持ちですね。

人生はデッサン

・失敗したって全然いいじゃないかと。人生の先輩を前にして恥ずかしいけど、僕がいつも考えている好きなたとえは「人生って、きっとデッサンなんだ」ということです。

・僕は、柔らかい鉛筆を使って何本もの輪郭を描いて、だんだん形を作っていく。これがAKB48だと思っています。

・多くの人は一発で決めようと思うから、すごく過多に力が入ってしまう。

・失敗するかもしれないというリスクの先に未来がある。

「秋元康、今日をもってAKBを卒業します!」と言うときがくる

・AKB48のサプライズでいちばん驚くのは「秋元康、今日をもってAKBを卒業します!」かなと(笑)。ほんと、僕は卒業すると思いますよ。

・「秋元はスパルタでやったけど、今度のAKBはこう変えたいんだ」という人が出てこないと、逆に続かないと思いますね。

・マイクロソフト者が配当と言うことをずっとしなかった。配当に回す金があれば全部、設備投資に回して成長を続けたから、投資家たちは誰も文句は言わなかった。ところがあるとき、ビルゲイツは配当を始めたんです。たぶん、そこがマイクロソフトのいっぱいいっぱいのところで、その先のビジョンが見えなくなったんだと思います。いま、AKB48の経営は、このままどんどんいけばいい。東京ドームの公演は6億円もの赤字が出たそうです。それをギブアップして、配当をどうするなんて考えるときは、そこでやめようと。

AKB48の戦略! 秋元康の仕事術 (田原総一朗責任編集)より)

 

自分はかなりAKB好きなので、なんかどこからでもどんどん内容に関連して、書いていそうなのですが、まずドキュメンタリーという点で書いてきます。

自分がAKBが好きなの理由がそうなんですが、本当にAKBってドキュメンタリーだと思います。人を動かすのはストーリー AKB48が売れているのはストーリーがあるからだ! | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!という記事にも書きましたが、本当にメンバー一人一人に応援したくなるストーリーがたくさんあります。そこが根幹にあるからこそ、ここまでAKBは売れることができているんです。

 

そしてそれに劇伴をつけていくという風にありますが、DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?のシリーズはそのままですし、曲も初日・ライダー・リセット・さやねえ・僕は待っている・支えなど本当に彼女たちのストーリーが出ています。(書きながら思い浮かんだのがこれなので、他にもたくさんあります。)

 

どれもすごくストーリーがあっていい曲なのですが、特にすごいなと思うのが、ライダーが初期からのファンでなくなってしまった人について書いた楽曲だと言うことです。

これが裏側を見せるとか、バックステージを見せるとか色々なことに繋がっているんだと思います。

 

そして少し違う領域に繋げると、これがコンテンツマーケティングとか、オウンドメディアのマーケティングで必要なことだと思います。

ちゃんとした企業・団体ならどこでも、いいストーリーとか想いとかがどこかにかならずあるはずです。それをちゃんと活用できれば、AKBほどではないにしても、確実にファンを生み出せるはずです。

 

そして、そういうのが伝わるものが、この記事で猪子寿之さんが言っているコミュニティをセットにした、価値提供になり得ます。

コンテンツやモノ、サービスは“コミュニティとセットで欲しくなる”、つまり、“コミュニティとセットになって価値が上がる”のです。コンテンツやモノ、サービスのアウトプットそのものだけではなく、出来上がるまでのプロセスであったり、誰が作っているかであったり、あとは、コミュニティ内でのコミュニケーションのためであったり、そのようなことが価値を作っているのです。それらは、クオリティとは、別の価値です。コミュニティという別の価値が存在するため、マーケットでの価格に対するクオリティのようなものは無視され、クオリティゆえに価格が高くなっても成り立つのです。そして、提供する側も、コミュニティという別の価値が存在するため、提供すること自体がコミュニティへの参加であり楽しいのです。だから、場合によっては、マーケットよりも非常に安かったり、無料で提供したりすることも起こります。つまり、場合によっては、非経済モデルにもなりえるのです。

猪子寿之の考える「全員主役。」時代のビジネスとコミュニティの関係 | GQ JAPAN

 

 

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PS

一昨日自分が一番推しているNMBのアルバムが届いてから仕事が捗りません。ライブのDVDとかめっちゃ入っていてオススメです。全部買うのがオススメですが、一つ買うなら吉本新喜劇も入っているタイプBがオススメです。

 

またbaseでお店を作って、劇場版のDVDがつかないものですが、500円で売っていますので、欲しい人は買ってください。

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