ネットだけで社会は変わらない 『だから日本はズレている 「ソーシャル」に期待しすぎるな』

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古市憲寿さんだから日本はズレている (新潮新書 566)の書評記事の5つ目です。

この本は『「リーダー」なんていらない』『「クール・ジャパン」を誰も知らない』『「ポエム」じゃ国は変えられない』『「テクノロジー」だけで未来は来ない』『「ソーシャル」に期待しすぎるな』『「就活カースト」からは逃れられない』『「新社会人」の悪口を言うな』『「ノマド」とはただの脱サラである』『やっぱり「学歴」は大切だ』『「若者」に社会は変えられない』『戦わなくても「革命」は起こせる』『このままでは「2040年の日本」はこうなる』の12章に分かれて、それぞれのテーマについて書かれています。

その5章である『「ソーシャル」に期待しすぎるな』について書いていきます!

 

・「おじさん」向けの雑誌では、繰り返しソーシャルメディアや、それを活用したマーケティング手法が特集されてきた。大企業や政府は何とか「ソーシャル」を活用して、商品を売ろうとしたり、自分たちの活動の認知度を高めようとしている。一方で、「炎上」といった形で、ソーシャルメディア発の事件も増えた。企業への抗議活動なども盛んだ。そんな状況に「おじさん」たちは一喜一憂し、慌てふためいているようにも見える。果たして「ソーシャル」とはどのように付き合えばいいのだろう。

「共感」のコントロールは難しい

・フェイスブックの「いいね!」ボタンが象徴するように、ソーシャルメディアを使ったマーケティングというのは人々の「共感」をベースにしている。うまく「共感」の連鎖に消費者たちを巻き込むことができれば、そこまでお金をかけずに消費者たちをまきこむことができれば、そこまでお金をかけずにモノを売ることができるのだ。

・難しいのは、「共感」の対象は人によってバラバラであること、さらに消費者はそんなに都合良く「共感」してくれないということだ。

「冷めやすい消費者」に怯えるな

・ソーシャルメディアを活用した企業バッシングに、企業側は過度に怯える必要はないと言いたい。

・ソーシャルメディアにおける「共感」というのは、冷めやすいのだ。

・人々に「何かした」感覚を気軽に与えてしまう。ツイッターで何かそれっぽいことを書いて、大勢の人にリツイートされれば、「これで花王をこらしめてやったぜ」と思ってしまう。

「正しさ」ではなく「最もらしさ」が勝つ

・炎上が起きた時は、大きく分けて不多雨の解決策がある。一つ目は賛同者や擁護者が多かった場合。初期段階は糾弾者が多くても、その意見に賛意を示してくれる人が多かった時は、しばらく黙っていればいい。

・二つ目は賛同者が現れなかった場合は。その時はすぐに謝罪をするなり、発言を撤回するなりをしたほうがいい。さもなくば何を発言したところで「言い訳」と思われて、炎上の炎は強まる一方だからだ。

。炎上が起こるのは法廷や学会ではなく、新聞であり、テレビであり、ネットだ。そんな場所で法廷や学会のルールが通用するわけがない。日常を支配するのは、「論理的に正しい」とか「論拠から考えて正しい」といった「正しさ」ではなくて、「よくわかんないけど、そんなんじゃないの」という「もっともらしさ」である。

「真実はいつも一つ」なんて嘘

・2013年初夏、大阪の橋下徹市長によつ慰安婦発言でこの国は大盛り上がりだった。

・慰安婦発言で彼は、きちんと村山談話を引き継ぎ、あの戦争は「侵略」であり、「反省をおわび」が必要と言っていたのに、その部分はほとんど顧みられることがなかった。一度行き渡ってしまった「もっともらしさ」は、色眼鏡としても機能するのである。

・たくさんの資料や証言が残されている場所で行われた一つの発言でさえ、そこには様々な「真実」が並列するのだ。

炎上を避ける六つの方法

誤解されない話し方、炎上しない答え方とう本では、「炎上しない話し方」として次のポイントが指摘されている。(1)ネガティブな話し方をしない、(2)差別的な話し方をしない、(3)犯罪を肯定するようなことは言わない、(4)批判は慎重に、(5)話し相手を錯覚しない(6)他人に関わるコメントは根拠と説明を十分に、という六つのアドバイスだ。

・棲み分けが大事なのだろう。誰もがほぼ無料で見られるテレビやネットでは、「炎上しない話し方」を心がける。一方で読者が想定できるラジオや雑誌では過激なことも言ってみせる。

マスメディアの代わりにはならない

・ネットで見える意見というのは世間から全体からすれば氷山の一角のようなものだ。

・企業が真剣に考えなくてはならないのは、ソーシャルメディアの影響力の低さだろう。ソーシャルメディアをいくら活用したところで、それがマスメディアを使った広告宣伝の代わりにはならない。

・ソーシャルメディアと相性がいいのは、せいぜい数千から数万の顧客を対象にする世界だ。

だから日本はズレている (新潮新書 566)より)

 

この章は嬉しくも悲しくも本当にその通りという感じです。

これを読んでいて思ったのは、Gunosyやアンテナと、ネットからマジョリティへの認知にはキャズム(溝)が深すぎるという講義 | More Access! More Fun!新聞はどうして売れなくなったかをキャズム理論で説くとすぐわかる | More Access! More Fun!という記事です。

 

TVCM・マス化とイノベーター理論にのっとり、見事にスケールしたGunosyの戦略 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!という記事にも書きましたが、Gunosyはネット上のイノベーター理論で言う、イノベーター・アーリーアダプターのITリテラシーの隆人を捨てるような戦略を取り、TVCM使ってマス化しています。

マス化した際に、イノベーター・アーリアダプターの人たちからはたくさんの批判もありましたが、DL数はめちゃくちゃ伸びていますし、Gunosyは今のところ成功していると言われています。

 

ネットからマジョリティへの認知にはキャズム(溝)が深すぎるという講義 | More Access! More Fun!新聞はどうして売れなくなったかをキャズム理論で説くとすぐわかる | More Access! More Fun!もイノベーター理論のことで、キャズム理論=イノベーター理論と考えてここでは問題ありません。

・アーリーアダプターと、アーリーマジョリティの間には「キャズム」と呼ばれる大きな溝があるとされています。ええ、あります。とんでもなく深い溝です。日本海溝なみです。しかし現在では、アーリーマジョリティとレイトマジョリティの間にもっと大きなキャズムがあると思います。

・ネットのみで日本人の大多数を占めるレイトマジョリティまで浸透するのは、ほぼ不可能でしょう。ここにテレビや新聞、雑誌などのマスメディアの価値があるし、こうしたメディアはまだしばらくは死に絶えることはないと確信します。

ネットからマジョリティへの認知にはキャズム(溝)が深すぎるという講義 | More Access! More Fun!より)

 

アーリーアダプター  自分から積極的に情報を取りに行く
アーリーマジョリティ たまに情報を取りに行くことはある
レイトマジョリティ  向こうから勝手に来る情報を受け取るだけ

新聞はどうして売れなくなったかをキャズム理論で説くとすぐわかる | More Access! More Fun!より)

ネットには情報が溢れているので、アーリーアダプターの人にとっては取りにいくべき情報がいくらでもあるので、素晴らしい世界です。

けど、アーリーアダプター以降の人たちにとっては情報は能動的に取りにいくものではありません。ここに大きなギャップがあります。そしてアーリーアダプターに属するような人はそんなに大量にいるわけではありません。

 

だからGunosyは成功しているし、大企業がソーシャルメディアの施策で成功したとしても、特別大きな利益に繋がることはないでしょう。

「企業が真剣に考えなくてはならないのは、ソーシャルメディアの影響力の低さだろう。ソーシャルメディアをいくら活用したところで、それがマスメディアを使った広告宣伝の代わりにはならない。」とある通り、マスメディアを補完するもの、マスメディアの影響力を活用し、それをネット・ソーシャルに繋げて影響力を最大化していくということを企業は考えていくべきなのかなと思います。

 

それが大企業のトリプルメディアマーケティング(オウンドメディア(自社メディア)・アーンドメディア(ソーシャルメディア)・ペイドメディア(マスメディアなどの広告))なのかなと思います。

 

 

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