テクノロジーを利用したトータルな戦略を! 『だから日本はズレている 「テクノロジー」だけで未来は来ない』

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古市憲寿さんだから日本はズレている (新潮新書 566)の書評記事の2つ目です。

この本は『「リーダー」なんていらない』『「クール・ジャパン」を誰も知らない』『「ポエム」じゃ国は変えられない』『「テクノロジー」だけで未来は来ない』『「ソーシャル」に期待しすぎるな』『「就活カースト」からは逃れられない』『「新社会人」の悪口を言うな』『「ノマド」とはただの脱サラである』『やっぱり「学歴」は大切だ』『「若者」に社会は変えられない』『戦わなくても「革命」は起こせる』『このままでは「2040年の日本」はこうなる』の12章に分かれて、それぞれのテーマについて書かれています。

その4章である『「テクノロジー」だけで未来は来ない』について書いていきます!

 

 

「テクノロジー」だけで未来は来ない

・強いリーダーへの期待。オリンピックへの開催されれば経済は安泰だと考える人。憲法さえ変えれば日本がよくなると信じる政治家。どうやら、この国の大人たちは「今ここにないもの」に過剰に期待してしまうらしい。この章ではスマートフォンやマイナンバー制度に対する「おじさん」たちの過剰な期待、そして上滑りの様子を見ていこう。

「スマート家電」が全然スマートじゃない

・インターネットと連携した家電を、最近では「スマート家電」と呼ぶ。パナソニックは、白物家電のスマート化に本気だった。

・パナソニックだけではない。最近ではシャープがココロエンジンとい人工知能を搭載し、言葉や光、ダンスでコミュニケーションがとれる掃除機を売り出している。いいから、普通に掃除をして欲しい。他にも富士通がパソコンにナノイーイオン発生装置を搭載したりと、家電メーカーのご乱心は止まることがない。

誰も欲しがっていない新製品

・日本の家電メーカーは頑張って付加価値を付けようとする。(中略)その付加価値によって、価格が多少高くても消費者に新製品を買ってもらおうというわけだ。

・もっともスマホ家電戦略が大間違いとだったとは言い切れない。世界的に「モノのインターネット」化に注目が集まっているからだ。

本質的な価値がおろそかに

・マーケティングの常識だが、サービスには「本質的な価値」と「付随的な価値」がある。例えば病院だったら「本質的な価値」は診察や看護、治療、投薬、「付随的な価値」は待合室環境、混雑状況、アクセス環境などだ。

・本質的な価値」はある閾値を下回ると顧客はいい気に不満を感じる。「診察が下手」だとか「病気がちっとも治らない」病院には、誰も行きたくないだろう。一方で「付随的なサービス」は、多少低い水準ではあっても顧客の不満には結びつきにくい。

・もはや後がない日本の家電メーカーの旺盛なチャレンジ精神を評価したいのはやまやまだ。しかし「性能が良いこと」「価格が適正であること」という「本質的な価値」を置き去りにしたまま、34万円の洗濯機が受け入れられると思っているのだろうか。

「ものづくりの国」は終わったのだろうか

・日本の家電メーカーの戦略が間違っている三つ目の理由、それは製造業における世界的なパラダイムシフトに乗り遅れているという点だ。「ものづくり」の世界は、今その仕組みを急速に変えつつある。

・製品単体の満足度ではなく、サービス全体の体験でモノが選ばれる時代になっているのだ。

・スマート家電という発想はあながち間違いとも言い切れない。だけど、パナソニックがスマート家電を通して、どのような未来を実現したいのかが全く見えてこない。それを買うことによって僕たちの生活がどのように変わるのか、全く想像がつかない。どうせなら、もっとキラキラした「夢」を見せて欲しい。一つ一つの昨日はすごいんだろうけど、仕組み作りが下手で、グランドビジョンを描けない。スマホ機能の搭載とか部分最適は得意なのに、製造業の再編と言う世界的なシフトには無頓着。すっごく「日本的」だ。

21世紀の20世紀のあいだ

・僕たちはもう、Wi-Fi環境とタブレット、そしてクレジットカードがあれば、夢のような制圧を送ることができる、さすが21世紀だ。

・一方で、未来を行きているはずの僕たちは、よく次のような場面にも遭遇する。役所に提出する書類にはやたら印鑑が必要。「本人確認のため」とか言われるが、写真もない健康保険証が身分証明書の代わりになったりする。

・もし情報が全て電子化され、それが全て諮問に登録されたら、僕たちはまず財布を持ち歩く必要がなくなる。買い物をするときは指先をかざすだけでいい。ポイントカードも指紋と紐づいているから、いちいちコンビニで「Tポイントカードをお持ちですか」「持っていません」というやり取りも必要なくなる。

・監視というのは、自分で情報を提示しなくても、誰かが管理してくれている状態だ。身分証明書や保険証書を保管しなくても、重要情報は全てクラウド上にある。どこへ行くにも、何をするにも、ほとんど指先一つで何とかなってしまう。

人類はずっと監視されてきた

・国民が監視状態にあることと、監視によって明らかになった情報を国家が統制することは、本来別の話である。人々が便利で快適で暮らせるための「良い監視」もあれば、人権が制限され、人々の自由が奪われる「悪い監視」もある。

・誰もが携帯電話で動画を撮れる時代に、もはや権力も監視から自由ではいられない。学生運動時代に機動隊が起こしたような暴力事件が再発する可能性は、非常に低くなったと言っていい。

巨額のシステムを導入する前に

・実は日本の監視社会化の試みは、ことごとく失敗してきた。

・社会は突然には変わらない。昨日までに構築されてきた膨大な遺産を引き継がないとならないからだ。マイナンバー制度が始まったとしても、もくろみ通りの運用ができるまでには膨大な費用と、途方もない月日がかかるだろう。

・指一本で全てがすむような監視社会には、まだまだ超えるべきハードルがある。それを実現するためには、社会のあり方の全てを作り替える必要がある。果たして僕たちにはその覚悟があるのか。

・新しい技術を用いたところでそれを作り手の思った通りに活用されるとは限らない。しかも、そのテクノロジーというのも、往々にして不完全なことが多い。技術だけで社会は変えられそうにない。

だから日本はズレている (新潮新書 566)

 

 

この章でまず印象に残っているのが「製品単体の満足度ではなく、サービス全体の体験でモノが選ばれる時代になっているのだ。」という部分です。

ネットの登場・普及によって、ものづくり・製造業に大きく影響を与えた部分がこのことだと思います。

 

例えば、自分はKindleを使っていますが、Kindle単体の製品として満足度はそこまで高くないです。

動きが遅くなることもありますし、いちおいネットを使うこともできますがめっちゃ使い勝手悪いです。しかしAmazonで即座に買うことができる、持ち運びの楽さ、スマホでも見ることができる、Amazonのサイトでメモ等を見ることができるというように、トータルで見たらめちゃくちゃ便利です。

 

このトータルでの売り出し方が上手いのはやっぱりAmazonなどの欧米の企業です。

AppleはiPhoneと一緒にあるのはiTunesですし、Amazonはこれから「Fire Phone」というスマホの発売を行い、AmazonでのUX(User Experience:顧客体験)を最大化しようとしています。
ASCII.jp:Amazonスマホ「Fire Phone」発表、Amazonは何を狙う? (1/2)|末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢

 

湯川鶴章さん未来予測 ―ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰 という本にこのようにあります。

「ネットがすべてを変える」的なわたしの主張には、反論が寄せられるのだと思う。 なぜ他の業界には影響が及んでいないのか。それはハード機器の使い勝手が悪いからだ。

未来予測 ―ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰 より)

 

ここでは、ハード機器の使い勝手について言われていますが、日本企業はそのハードを作ることはできますが、ネットの活用が十分にできていないということです。

「モノのインターネット化」はこれからの世界の大きなテーマの一つですし、ぜひとも日本企業にも頑張ってほしいですね。

 

そして、いい監視社会は早く実現してほしいですね、大量のポイントカードもそうですし、財布は持ち歩かない社会は技術的にはおそらく実現可能だと思いますし。

スマホだけ持ち歩いていれば生活可能な社会は本当に実現して欲しいです、

 

 

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