人はどのように影響を受け、行動するのか? 「影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく」

 - 

 -  >

 -  ファンドレイジング, マーケティング, メディア, 書評

影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばくを読みました。

影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのかの方が恐らく有名ですが、Amazonのレビューによると影響力の正体の方がわかりやすい内容になっているようで、Kindle版もあるので、影響力の正体の方を読みました。

営業や寄付集めを中心に様々な事例で、どのように人は影響を受けて、どのように人が動かされるのかということが非常にわかりやすく紐解かれています。

 

どんな仕事をしている人でも、タメになり、面白い内容です。

 

・プロが「イエス」と言わせるために駆使している手法は千差万別ですが、大半が、6つの普遍的なカテゴリーに分類できます。いずれのカテゴリーも基本的な心理学のルールにのっとっていて、そのルールが絶大な力で人々の行動を誘導しているのです。本書では、1章につき1つのルールをとりあげて説明していきます。6つのルールは、恩義、整合性、社会的な証拠、好意、権威、希少性です。

・人々に、理由もわからないままいつの間にか「イエス」と言わせてしまう能力、つまりは、考えるより先に、進んで「イエス」と言わせる能力です。現代生活は、かつてないほど変化が激しく、情報も氾濫しています。そのせいで、考えなしに「イエス」と言ってしまうという異様な状態がますますはびこっていくでしょう。したがって、各ルールが、考える間も与えずに影響をおよぼしていく仕組みと理由、能力を理解することは、社会にとって今後一段と重要になってくるのです。

 

影響を与える

・人間の行動に関する有名なルールですが、人に頼み事をするときは、理由を説明したほうがよりうまくいくといいます。だれしも自分のすることに理由をつけたいのです。

・高いもの=いいものという固定観念のルールはこれまで、実によく機能してきました。ものの価値があがれば値段もあがる、値段が高ければその品質も高い、というのが普通だからです。

・機械的な行動は、だれしもよくやっています。多くの場合、それが最も効率的な行動だからです。わたしたちをとり巻く環境はとてつもなく複雑で、刺激にあふれています。これほどめまぐるしく変化する複雑な環境は、おそらくこれまでになかったでしょう。そんな中で上手にやっていくには、手っとり早い方法が必要です。日々遭遇する人や出来事や状況のすべてを事細かに認識し、分析することなどできません。そのため往々にして頼らざるをえないのが、おおざっぱな固定観念です。そして、鍵となる2つか3つの特徴をもとに物事を分類して、スイッチとなる特徴のいずれかが現れると、無意識のうちに反応するのです。

・イギリスの著名な哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドは、こうした現代生活の避けて通れない問題を認めて、断言しています、「文明を発展させるには、人間が考えずにできる行動を増やすことである」と。

・今の世の中、人々がまず求めるメリットは財布への負担軽減ですが、その次に求めているメリットは、脳への負担軽減です。

・ともかく大事なことは、そういった行動パターンの特性をしっかりと理解することです。知らなければ、その効力をよく知る人に、いとも簡単につけこまれます。

・本書では、機械的な反応がどういった影響をおよぼすのかについての例を数多く挙げていますが、その大半に共通する要素がいくつかあります。そのうちの2つについては、すでに述べてきました。ほぼ自動的に影響力をおよぼすプロセスと、スイッチの入れ方を知っている人間が手にしうる利益です。3番目の要素は、そういった人間による、機械的な影響力の利用方法になります。影響力を巧みに利用すれば、有無を言わさず相手を意のままにできるのです。

・人が認識をする際に用いるのは、比較のルールです。このルールは、順次だされる2つのものの違いについて考えるときに影響をおよぼします。簡単に言うと、2番目のものが最初のものとかなり違うと、実際よりももっとその差を大きく考える傾向がある、ということです。

・安いものを先に見せ、そのあとで高いものをだせば、一段と高く思われてしまいます。当然、販売店がホクホクできるような結果など望むべくもありません。先に手をつけていた水の温度によって、同じバケツの水を熱くも冷たくも感じさせられるのと同じように、先に見せた商品の値段によって、同じ値段を高くも安くも感じさせることができるのです。

 

恩義のルールーゆずりに潜む罠

・わたしたちのまわりで見られるさまざまな影響力の中でも1、2を争うほど効果の高いルール──恩義のルールです。このルールは言います、人は、他者にしてもらったのと同等のお返しをすべきだと。

恩義のルールに秘められた圧倒的な力

・「イエス」を引きだすためにとても効果的に利用されうる恩義のルール。その理由の1つが、そこに秘められた力です。このルールには恐ろしいほどの力があり、相手がこちらに負い目を感じていなければまず断るであろう頼み事をしても、たいてい「イエス」と言わせてしまうのです。普通なら、頼み事に応じるかを決める要因がほかにもあります。そういった影響力を、このルールはあっさりとしのぐのです。

・恩義のルールは、お金も商売も介在しない、純粋な人と人との関係にも影響をおよぼす場合が多々あります。

恩義のルールが一方的に押しつけてくる”借り”

・相手の好意に〝応えなければ〟という思いは、恩義のルールの基本ですが、このルールを簡単に利用できるようにしているのはむしろ、相手の好意を〝受けとらなければ〟という思いのほうです。この思いのために、親切にしてもらいたい相手を選べず、選択の権利を相手に委ねることになるのです。

恩義のルールは不公平な取引を起こす

・恩義のルールには、ほかにもまだ特徴があります。このルールを利用すれば、儲けることができる、というものです。本来このルールは、公平な取引をするために編みだされたのに、皮肉にも、これを悪用すれば、だれが見ても不公平とわかる結果をもたらすのです。

・借りがあると、それを返すまでいつまでも気持ちがすっきりしないのです。その心の重荷を解き放つためだけに、相手にしてもらった以上の行為を返すのです。

・恩義のルールを守らず、相手からしてもらうだけで何も返そうとしない人は、仲間内でもひどく嫌われるのです。

・心の重荷と、後ろ指をさされるかもという不安があわさると、とてつもない精神的な負担を強いられます。だとすれば、お返しという名目で、受けた恩以上のものを返すことがよくあるのも理解できるでしょう。

ゆずりあい

・一般的なルールで考えれば、お返しを受けられるのは、それと同様のことを先にした人になります。すでに見てきたように、このルールの重要なポイントは、受けた恩を返さなければならない、です。ところがこのルールには、もう1つ大事なポイントがあります。それが「何かでゆずってくれた相手には、こちらもゆずらなければならない」です。

・恩義のルールがゆずりあいを引きだす要因は2つあります。1つは簡単です。先にゆずられた側が、自分も相手と同じようにゆずらなければ、と感じるプレッシャーです。もう1つは、プレッシャーほどわかりやすくはないものの、とても重要です。親切にしたり、プレゼントをしたり、手を貸したりするのと同じで、こちらが1歩引くことで、相手は、自分も何か世の中のためになることをしなければ、という気持ちになります。

・ゆずりあうという気持ちにさせるのに一役買っているのが恩義のルールなので、率先してゆずることで、とても効果的に相手から「イエス」を引きだせる方法があります。シンプルなその方法は、〝断られたら引きさげる〟です。

・2番目の要求は、実際にささやかである必要はありません。最初の要求よりも小さければいいのです。要求を引きさげる際に大事なのはむしろ、こちらがゆずったように見せることではないでしょうか。だとしたら2番目の要求は、はたから見たら大きなものであっても、最初の要求よりも小さければ、相手に「イエス」と言わせることができるはずです。

・断られたら引きさげる方法を用いれば、思い通りの結果を手に入れられるのはどうしてなのか。すでに見てきたように、恩義のルールをとり入れている、というのが理由の1つです。けれど、このやり方が効果的な理由はほかにも2つあります。まず1つは、1章で見てきた比較のルールに関するものです(中略)比較のルールを使って、大きな要求と比べて小さな要求を一段と小さく感じさせるのです。

・この2つをいっしょに使うと、恐ろしいほどの影響をおよぼすことができます。断られたら引きさげるやり方を利用すれば、2つの力があいまって、信じがたいほどの効果をもたらしうるでしょう。

・断られたら引きさげる方法は、将来の頼み事にもすばらしい効果を発揮するのです。妙な話ですが、どうやらこの方法を用いれば、人々は、こちらが本来望んでいる頼み事を受け入れるのみならず、頼まれたことを実際におこない、さらには将来また何か頼んだ場合も率先して引き受けてくれるのです。

どうすれば「ノー」と言えるのか

・敵の本質をきちんと理解すれば、「イエス」と言わされかねない戦場から無傷で、そしてときには戦果さえ手にして戻ってこられます。大事なのは、本当の敵を知ること。それは、わたしたちから「イエス」を引きだすために恩義のルール(や、それ以外の影響力)を駆使してくる相手ではありません。そういう相手は、恩義のルールの圧倒的な力を利用することを選んだだけです。そして、親切や譲歩の先制攻撃を仕かけてその力を解き放っているにすぎません。したがって、真の敵はルールそのものです。ルールからの攻撃を避けようと思ったら、勇気を持って、そのエネルギーを弱めなければいけません。

・答えはルールを機能させないことです。とにかく相手にルールの力を使わせなければ、ルールとの戦いを避けられます。相手からの親切や譲歩の先制攻撃を拒むことで、問題は避けられるでしょう。でも、難しいかもしれません。何よりの問題は、それが相手の本心なのか、こちらを利用するための最初の1歩なのかを見分けるのが難しいことです。つねに最悪の状況を考えていたら、恩義のルールの利用など夢にも思っていない人からの親切や譲歩も、受けられなくなってしまうでしょう。

 

整合性ー心の中の邪鬼

・自分がすでにしたことと矛盾しないようにしたい(そう見えたい)という思いです。何かを選んだり、態度を明確にすると、自分自身や周囲からのプレッシャーとの戦いがはじまります。自分のおこなった選択に対して、首尾一貫した行動をとらなければ、というプレッシャーです。そんなプレッシャーに抗するため、自分が先刻決めたことは正しい、という態度をとるのです。

・つじつまをあわせたい(そう見えたい)という思いは、強烈な社会的影響力を持っています。そのため頻繁に、自分にとって何より大事なことに明らかに反するような行動をとらされることがあるのです。

・つじつまをあわせようという思いがなぜこんなにも強いモチベーションとなるのか、それを理解するのに、是が非でも知っておかなければならないことがあります。ほとんどの環境では、つじつまがあっていることが評価され、またそれが環境にもなじむ、ということです。つじつまがあっていないと、たいていは性格に問題ありと見なされます。

・わたしたちは概してつじつまをあわせることに躍起になるあまり、機械的にそうしてしまいます。よく考えもせずにつじつまをあわせてしまうと、とり返しのつかないことにもなりかねません。なのに、闇雲につじつまをあわせることに、人は惹かれるのです。

鍵は約束にあり

・そもそも、機械的につじつまをあわせようとさせるものとは何なのでしょうか? 社会心理学者たちは言います、それこそが約束だと。

・小さな要求からはじめて、やがて関係のあるより大きな要求を突きつけ、最終的に「イエス」を引きだす。こうしたやり方を、〝段階的要請法〟──〝フット・イン・ザ・ドア・テクニック〟といいます。

・何かにかかわったり、行動を起こすことに対する人々の考え方が変わったのでしょう。いったん要求に応じると、その人の態度は変わり、その人自身の目から見て、他者からの要求に応じる人間、自身の信念にのっとって行動する人間、大義名分に準ずる人間になるのです。

行動の不思議な力

・人が本当はどう思い、何を信じているのか、それを知るには、その人の言葉よりも行動を見るのが正解です。(中略)行動を見れば、自分のことがわかる。つまり行動が、自分の信念や価値観、態度を知るうえで、大きな情報源となるのです。

大勢の人の目

・はじめる前に、とっておきの秘訣を1つ。目標を決めたら、必ずそれを書きだすことです。どんな目標でも、大事なのはまずそれを決めること。そうすれば、目指すべき道ができます。また、書くことには不思議な力があります。というわけで、目標を決めたら、必ずそれを書きだしてください。その目標を達成したら、また別の目標を立て、それも書きだしましょう。さあ、これでいつでも走りだせます。

努力のあとのごほうび

・約束を書きだす効果はほかにもあります。口にするだけに比べて、一段と努力するのです。それに、約束を果たそうと努力するほど、その人自身も影響を受けて、どんどん考え方や態度が変化していく、という証拠もあります。

・他者との差別化を図り、揺るぎない連帯感をつくりあげることを意識している集団にとって、苦痛を強要する儀式は、何物にも代えがたい強みをもたらすものであり、それを容易に手放しはしないでしょう。

自分の意志で選択する

・ある人の自己イメージや将来の行動を変えようと思ったら、約束を自発的にさせ、それを多くの人に知らしめ、苦労して達成させるのが一番です。

・わたしたちがある行動に対して自ら責任をとるのは、外部からの強いプレッシャーなしに、自分の意志でそれを選んだと思う場合です。つまり豪華な賞品は外部からのプレッシャーに相当します。多分にプレッシャーをかけられることで何らかの行動をとることはあっても、その場合、その行動に対して責任をとることはありません。当然、本気でとり組むこともないでしょう。過度に脅されたときも同じです。すぐに従おうという気にはなっても、長いあいだ約束を守ろうという気にはなりません。

・「イエス」を引きだすプロは、相手を内面から変えていく約束が大好きです。理由は2つ。まず、そういう変化は、変化が最初に起こった状況に特化するものではないこと。それは、ありとあらゆる同じような状況にも対応できるのです。次に、変化の効果には持続性があること。したがって、ある人がいったん自己イメージを変えるような行動をとらされ、自己イメージを、そう、たとえば〝公共心あふれる市民〟に変えたとしたら、その人は、ほかのさまざまな環境でも、そうするのがふさわしいと思えば公共心たっぷりの行動をするでしょうし、新しい自己イメージが崩れないかぎり、いつまでも公共心あふれる行動を続けるのです。

・「イエス」を引きだすプロたちは、相手の変化をより確かなものにするために、わざわざ大枚を投じ、その後も続けて骨を折る必要はありません。つじつまをあわせなければ、というプレッシャーが、すべて引き受けてくれるからです。

・ローボール・テクニックは、どのパターンを使おうと、同じ結果をもたらしてくれます。まず、相手が喜びそうなおいしい条件を提示し、進んで購入を決めるよう導いていきます。ついで、決定がくだされてから取引が終了するまでのあいだに、当初の購入に付随していたはずのおいしい条件を巧みにとりのぞいていくのです。

・ローボール・テクニックには不思議な力があり、思わしくない条件でも相手を喜ばせることができるのです。提示する条件にろくなものがない相手は特に、このテクニックを好みます。

 

社会的な証拠ーわたしたちの真実

・ここでもう1つ、強い影響力の本質を理解する必要があります。それが、社会的な証拠のルールです。つまりわたしたちは、ほかの人たちが正しいと考えていることをもとにして、何が正しいかを判断する、ということです

死因は不明

・本書でとりあげているさまざまな影響力にはいずれも、その力をさらに発揮する条件があります。影響力から自分の身を守り、活用したいなら、それがどんな条件のときに最もよく機能するかを知ることが大事です。

・自分で自分のことがよくわからなかったり、状況がはっきりしないとき、どうしようもなく不安なときなどに、他人の行動を正しいものと期待し、受け入れる傾向が最も強いようです。

・つい忘れてしまうことですが、ほかの人たちも同じように社会的な証拠を探し求めている可能性が高いのです。また、だれしもほかの人の前では動揺したりうろたえる姿を見せたくないものですから、証拠を探すにしても、そっとうかがうだけ、ということが多いでしょう。するとみんなが、ほかの人はあんなに落ちつき払っているんだ、と思い、行動を起こさなくなると考えられます。

自分が被害者にならないために

・都会では人の顔が見えにくいといった、自分ではどうすることもできない社会の状況。それが本当の敵ではありません。目の前の状況に確信が持てないという、単純な問題が敵なのです。それさえわかれば、傍観者が困惑している状況を減らしてあげればいいのです。

・要するに、緊急事態に陥った際、助けを求める最もいい方法は、あなたの状況と、周囲の傍観者に負ってもらうべき責任について、少しでもあいまいな点を減らすことです。あなたが助けを必要としていることを、できるだけ正確に伝えてください。傍観者に、勝手な判断をさせないのです。特に集団の場合は、社会的な証拠のルールと、それに続く多数の無知の影響で、あなたの状況は緊急事態ではないと思われてしまいかねません。

・また助けは、周囲にいる複数の人たちの中から1人を選んで求めてください。1人を選びだし、その人に助けてくれるよう頼むのです。さもないと、集団の中にいる人はだれしも、簡単に思ってしまうからです、だれかほかの人が助けるべきだ、助けるだろう、もう助けている、と。

私の真似をしなさい、サルのように

・人は自信がないと、ほかの人の行動を基準に自分の行動を決める傾向が強くなります。けれどほかにも、このルールがうまく機能する重要な条件があります。それが〝似ていること〟です。社会的な証拠のルールが最もその力を発揮するのは、自分と似たような人の行動を見るときです。

・自分にとって適切な行動を決する際に他者の行動を基準にしますが、それは、わたしたちがその他者を、自分に似ていると見なした際に顕著に見られる、ということです。

・力のある指導者であれば、当然ある程度のメンバーを説得することはできます。そうやって、相当数のメンバーが説得されたというリアルな情報があれば、今度はその情報そのものが残りのメンバーを説得してくれるのです。つまり、最も影響力のある指導者というのは、集団内の条件を整え、社会的な証拠を最大限有利に機能させる術を心得ている人物と言えます。

どうすれば「ノー」と言えるのか

・自動操縦に不備が生じるのは、基本的に、間違ったデータが入力されるときですから、こうした不備から身を守るには、データが間違うのはいつなのかをしっかりと認識するのが一番です。間違った情報をもとにしているために、社会的な証拠という自動操縦がまともに機能していない、そうした状況にきちんと気がつけるようになれば、必要に応じて自動操縦を止め、手動に切り替えればいいのです。

・集団の信じる証拠に依存しているときは、定期的に周囲に目をやらなければなりません。これは、間違った社会的な証拠にふりまわされないための予防策です。この予防策を講じなければ、いずれは、高速道路で車線変更を試みた運転手や北米バッファローと同じ道を突き進んでいくことになるでしょう。その先に待っているのは、大惨事です。

 

好意ー人なつこい泥棒

・概してわたしたちは、知人や好きな人から何かを頼まれたら、たいてい「イエス」と答えます。だからといって、驚くことではありません。むしろ驚くべきは、この単純なルールをさまざまに利用して、赤の他人がわたしたちから意のままに「イエス」を引きだしていることです。

・友人は、その場にいなくても多分に効果がある、ということです。友人の名前をだすだけで充分な場合が多々あります。

・(前略)この方法を成功させるコツは、新たなお客のもとを訪ねるときは必ず、〝紹介してくださったご友人〟の名前を掲げていくことです。友人の名前をだされて、その販売員を追い返すのは難しいでしょう。それでは友人を拒むのと同じようなものだからです。シャクリー社の販売マニュアルには、100%うまくいく、と書かれています。

見た目

・どうやら魅力的な人たちには、機械的に反応するようです。ほかの機械的な反応同様、これも、何も考えずに自然に起こる反応です。反応そのものは、社会科学者たちが言うところの〝ハロー効果〟というカテゴリに分類されます。このハロー効果は、ある人がほかの人たちから見られるとき、その人の長所が傑出して見えるときに起こります。そして、証拠が示しているように、見た目のよさは往々にして、そういった傑出して見える長所となるのです。

・見た目のよさというハロー効果がつねに「イエス」を引きだすプロたちに利用されているのも驚くことではありません。だれしも、見た目のいい人に好意を抱きます。そしてだれしも、自分が好意を抱いた人の言うことには素直に従う傾向があります。

似ているところ

・わたしたちは、自分に似た人に好意を抱きます。考え方や性格、家庭環境、ライフスタイルなど、いずれが似ていても、この事実は当てはまります。逆に言えば、相手に好意を抱いてもらい、「イエス」を引きだすチャンスを増やしたいと思っているなら、目的達成のために、いろいろな面で似ていることをアピールすればいいわけです。

・似たところはありふれたものであればあるほど効果があるようです。ある研究者が保険会社の売上記録を調べたところ、顧客は、勧誘員が自分と年齢や宗教、政治的な意見、喫煙の趣味などが似ているとき、保険に加入する傾向が強かったそうです。些細な共通点でさえ、相手から肯定的な返事を引きだせる効果があります。また、似ているように見せかけることも簡単にできます。

お世辞

・だれかが自分に好意を持ってくれている、という情報は人をうっとりさせる効果が絶大で、その結果人は同じように相手に好意を返し、自ら進んで「イエス」を供してしまうのです。したがって、お世辞や好意を示す言葉をやたらと使ってくる相手には、わたしたちから何かを引きだそうという意図があることが多いと言えます。

・人は、驚くほどお世辞に弱い、です。もちろん、それにも限度があり、こちらを騙そうとしてあからさまにお世辞を並べたてられているときなどは特に、そう簡単に引っかかることはありませんが、概してお世辞を真に受け、お世辞を言ってくれた人に好意を抱く傾向があるのです。たいていは、口先だけなのが明らかでも。

つながりと協力

・人が無意識のうちになじみのあるものに好意を抱いてしまう、という点にあります。往々にして気づかないものですが、何かに対してどんな反応を示すかは、過去にそれとどれくらいつながりがあったかが大きく影響しているのです。

・繰り返しつながりを持つことで何かになじみが持てるようになっても、それが必ずしもより大きな好意を生みだすことにはならないのです。実際、対象が人であれ物であれ、何度つながりを持ったところで、それがいらだちや対立、競いあいといった、少しも楽しくない状況でおこなわれることであれば、むしろその対象に抱く好意は減少していきます。

・(前略)決定的だったのは、実験者たちがそれぞれのグループに共通の目標を課したことでしょう。目標を達成するには協力しなければならず、そこでようやく、敵対していたグループ同士が、相手を信用のできる仲間、頼りになる相手、友だちだと思えるようになっていったのです。そして、助けあった結果何かを成し遂げることができたら、ともに成功を手にした仲間である相手に、いつまでも敵対心を抱いてはいられなくなってきたのです。

・重要な点は2つです。まず、つながりを持つことで親しみを抱けば、それが通常はより大きな好意をもたらしますが、つながりを持ったがために不快な経験をすると、かえって好意を激減させてしまう、ということです。

・次に、チームごとの学習はこうした状態を緩和できるという証拠がありますが、それからわかるのが、好意を抱く過程において、協力が非常に大きな影響をおよぼす、ということです。

・「イエス」を引きだすプロが絶えず試みていることがあります。自分たちとわたしたちがともに目指す目標をつくりあげることであり、たがいの利益のために協力すること、つまりは、自分たちをわたしたちの仲間だと思わせることです。

・自分のことを気にかけてくれる人がいる、自分のために、いっしょになってやってくれようとしている人がいると。たいていの場合、そういう人には絶大なる好意を抱くものです。

条件付けと結びつき

・人は生まれながらにして、おもしろくないことを伝えてくる人を嫌う傾向があるのです。その悪い知らせが、その人のせいではないときでさえも。その知らせと結びついているだけで、その人を嫌うには充分なのです。

・結びつきのルールは普遍的なもので、プラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあります。いいことと結びつくか、悪いことと結びつくかで、わたしたちに対する人々の気持ちは大きく影響を受けるのです。

・結びつきのルールはとても効果が高く、しかも相手にそれと気づかれずに機能する

・〝ランチョンテクニック〟と称するものを使ってラズランが発見したのは、被験者が、食事をしながらふれあう人や物により好意を抱くようになる、ということでした。

・ラズランは気づいたのです、食べ物に対する通常の反応には、唾液の分泌以外にも多くのものがあり、プラスの感情や好意的な感情を抱くのもその1つであると。したがって、こうしたプラスの感情や態度を、おいしい食事と密接に関係のあるものに結びつけることができるわけです。

・結びつきのルールにのっとれば、地元が同じといったほんの些細なことであっても、自分と何かしら関係のあるもの、それも成功をおさめたものを自分のまわりに集めることができれば、世間での自分の名声もあがるのです。

・自分をよく見せるために、ほんのかすかな結びつきしかないような他者の勝利に乗っかって恩恵に浴する、それが事実なら、そこには実に興味深い意味が含まれているといえます。つまり、わたしたちがこのテクニックを使う可能性が最も高いのは、自分がさほどよく見られていないと思っているときだ、ということです。わたしたちは、世間体が損なわれると決まって、成功している他者との結びつきを強調してイメージを回復したい、との思いにかられます。と同時に、敗者とのつながりは広めないよう、細心の注意を払います。

・心の奥底で、自分はダメな人間だと思っているため、自分が何かを成し遂げて名を成し、名を広めるのではなく、何かを成し遂げた他者との結びつきを利用して、そうしようと考えているのです。

どうすれば「ノー」と言えるのか

・「イエス」を引きだすプロに対する過度な好意には、きちんと注意していくことが大事になってきます。過度な好意を抱いていると自覚ができれば、思いだせるでしょう、商談のメリットと販売員本人とを分けて考えることや、判断をくだすときは、商談のメリットのみを考えて、それだけをよりどころとすることを。わたしたちがみんな、こうした手順にのっとっていければ、「イエス」を引きだすプロとやりとりをしても、だれもが、今までよりもずっと喜ばしい結果が得られるはずです。

 

権威ー誘導される意志

・人は、何か行動するときに強いモチベーションに直面するとおのずと、そのモチベーションにはきちんとした理由があるはずだと思います。権威に従う、というモチベーションであれば、この社会の組織についてちょっと考えただけでも、たくさんの理由を挙げられるでしょう。権威のシステム、一般に認められた重層的で広範なそのシステムは、計り知れないメリットを社会にもたらします。権威があるからこそ、整然とした組織を築いていくことができます。だから資源を生産し、貿易をおこない、国を守り、伸展させ、社会をコントロールしていくことができるのです。

・わたしたちが、権威からの命令の是非について悩むことはめったにありません。実際、わたしたちは往々にして、深く考えないまま、あるいはまったく考えることなく、機械的に従っています。広く認められた権威からの情報が、ある状況下でどう行動すればいいかを決する便利な近道を教えてくれるからです。

中身より外側

・権威があるように見せかけるだけで充分なのです。ここには、権威者に対するわたしたちの機械的な反応についての重要な意味が含まれています。機械的に反応するとき、わたしたちは、権威の中身同様それを象徴するものにも往々にして騙される、ということです。

肩書き

・肩書きは、手に入れるのが最も難しいと同時に、最も簡単でもある権威の象徴です。真っ当に手に入れるには、何年にもわたる努力や実績が必要です。けれど中には、そういった努力など一切せず、ラベルを貼っただけで、相手を機械的に従わせることができる人もいます。

服装

・わたしたちから機械的に「イエス」を引きだす第2の権威の象徴、それが服装です。肩書きよりは具体性がありますが、騙すことにおいてはまったく同じです。

・制服ほどあからさまに言外の意味を持たないものの、充分な効果を有する服装はほかにもあります。わたしたちの文化の中で伝統的に権威者の地位を示すものとされてきたそれは、仕立てのいいスーツです。スーツもまた、他人を効果的に従わせることができるのです。

装飾品

・制服の機能はさておき、服装は、権威のより一般的なタイプを象徴することもできます。それは、装飾品として利用されるときです。洗練された高価な服装は、名声や地位を想像させます。そしてそれで、相手を罠にかけることができるのです。宝石や車も同様です。中でも車は、多くの国で興味を持たれています。

・権威がどの程度の影響をおよぼすかは、実際よりも相当少なく見積もられていました。権威の持つこうした特質が、「イエス」を引きだす装置として巧みに機能しているのかもしれません。権威は、わたしたちに強力な影響をおよぼします。しかもそれは、予想もしないときに起こるものなのです。

どうすれば「ノー」と言えるのか

・権威から身を守る方法の1つは、権威がしかけてくる不意打ちの要素をとりのぞくことです。わたしたちは、権威(とその象徴)が自分の行動におよぼす重大な影響を概して誤解します。そのため、「イエス」を引きだされてしまう状況に権威が介在してきても、充分な警戒ができないため、不利な立場に立たされてしまうのです。したがって、この問題から身を守る基本的な方法は、権威の力を見破るための力をしっかりと身につけることです。この力を身につけ、さらに、権威の象徴は簡単に偽造できると認識できるようになれば、権威が影響力を発揮する状況に直面しても、自分の利益をきちんと守ることができるでしょう。

・自分に2つの質問を投げかけてみるのです。1つは、権威者が影響力を行使しそうな状況に直面したときの質問です。「この権威者は、本当に専門家なのか?」この質問は頼りになります。これでわたしたちは、とても重要な2つの情報だけに意識を集中させることができるからです。権威者の資格と、その資格が今話題になっていることとどう関係があるのか、です。この簡単な方法で権威の〝証拠〟を正しく判断していけば、機械的に従うという落とし穴に落ちずにすみます。では順に例を見ていきます。

 

希少性ー少数派のルール

・可能性を失うという考えは、人が判断をくだす際に大きな役割を担います。実際人が心を動かされるのは、同じ価値のものを得られると思うより、それを失うと思うときのほうが多いようです。

・数量限定のテクニックと同じ種類に〝最終期限〟というものがあります。「イエス」を引きだすプロたちが供するものをお客が購入できるチャンスに、正式な時間の期限を設けるのです。

心理的リアクタンス

・1つ、このルールならではの独特な力があります。何かを手にできるチャンスが減ると、自由も失われます。そしてわたしたちは、すでに得ていた自由を失うのが嫌なのです。

・心理的リアクタンスによると、

・禁止されたものを欲し、結果的にその魅力が増したと思いこむ傾向が見られるのは、日用品にかぎったことではありません。実際こうした傾向は、情報の制約にもおよんでいます。

・規制された情報に価値を見いだすと認識すれば、物理的な商品を超えたところにまで希少性のルールを用いることができます。つまり、伝言やコミュニケーション、知識といったものにもこのルールが効果を発揮するわけです。そう考えるなら、規制されない情報にもさらなる価値を見いだすことができます。そのために必要なのは、珍しさだけです。したがって、希少性のルールにのっとるなら、ある情報をほかでは入手できないと思うことで、その情報をより価値のあるものと見なすようになるのです。

最適な条件

・最初から希少な場合より、どんどん手にするのが難しくなってくるときのほうが、人はそれに対する欲望を一層募らせていくのです。

・かぎりあるものを手に入れようとする際の競争が重要だということです。わたしたちは、ある物が希少なとき、それと同じものを手に入れたいという思いをより強くするのみならず、それを手に入れる際に競争をともなうと、是が非でもそれがほしくなるのです。

どうすれば「ノー」と言えるのか

・希少性にライバルの存在が加わったときには、ことのほか注意が必要なのです。

・決して忘れないでほしいことがあります。珍しいものは、その限定性ゆえに、おいしくなったり、触覚がよくなったり、よくきこえたり、乗り心地がよくなったり、機能がよくなる、ということはないのです。

 

おわりに、とっさに影響をおよぼすーハイテク時代の原始的な反応

・賢明にして知的な方法を駆使して、種としての高い地位を築いてきた結果、わたしたちがつくりあげた環境は非常に複雑で、ペースが速く、情報過多となってしまったため、次第に、はるか昔に脱却したはずの動物のようなやり方で対処せざるをえなくなったというわけです。

・近道をすれば、よりいっそう狙われやすくなるとしたら、どうすればいいのでしょう? わたしとしては、逃げずに思い切って反撃することを強くおすすめします。ただしその場合には、大事な条件があります。「イエス」を引きだすプロたちの中でも、近道をして反応する際のルールにのっとって行動している人たちがいます。その人たちを敵だと思うのはやめましょう。逆に、効率よく、適応性のある取引をともにしていく仲間だと思ってください。反撃する真の相手はほかにいます。普通であれば、わたしたちに近道の反応をするよう合図をしてくれる証拠、その証拠をねじ曲げたり、偽造したり、わざと不正確に伝えたりする面々です。

影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばくより)

 

こうして、実際に書いてみると聞いたことがある内容がほとんどですし、知っていて普段から実践しようとしていることもほとんどだと思います。

事例の中にもTVで見たことがあるようなものなどもありました。

 

ただ、ここまでわかりやすく人の心理、どのように影響を受けるのかということを書かれている本はなかなかないと思うので、とてもオススメです。

また、この本自体非常にわかりやすいですが、もっとてっとり早くこれらのルールについて知りたい方は、マンガもあるので、そちらもオススメです。

 

 

 

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

はてなブックマークに追加

 更新をチェックする! follow us in feedly

カスタム検索

Popular Post

Copyright© 新卒フリーランサーのブログ!2014 All Rights Reserved.