ジャーナリズムの発展に必要なことは? 『津田大介、菅谷明子が登壇!ビジネスの視点から考えるシンポジウム「メディアビジネスとジャーナリズムの未来」』前編

 - 

 -  >

 -  イベントレポート, メディア

津田大介、菅谷明子が登壇!ビジネスの視点から考えるシンポジウム「メディアビジネスとジャーナリズムの未来」に参加してきました。

登壇者は以下の非常に豪華な人たちです。

 

司会
津田大介さん(メディアアクティビスト)

パネラー
佐々木紀彦さん(『元東洋経済 オンライン』編集長『NewsPicks』編集長)
菅谷明子さん(ジャーナリスト)
長澤秀行さん(『メディアの苦悩――28人の証言 (光文社新書)』著者、一般社団法人インターネット広告推進協議会常務理事)
古田大輔さん(朝日新聞記者)
瀬尾傑さん(『現代ビジネス』編集長)

スクリーンショット 2014 07 16 19 35 20

 

今回は非常に分量も多く一晩では修正しきれないので、前後半に分けて書いていきます。前半はジャーナリズムについて、後半はネイティブ広告に関連した内容が多くなっています。

後半はこちら。
ネイティブ広告に必要なこととは?  『津田大介、菅谷明子が登壇!ビジネスの視点から考えるシンポジウム「メディアビジネスとジャーナリズムの未来」』後編 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!

 

司会より

津田さん:イベントが始まる前に楽屋で、瀬尾さんとこのようなイベントがあって、ようやくメディア業界が盛り上がりそうですねという話があったが、メディア業界・メディアビジネスが切羽詰まってきているからこそ、このようなイベントに人が集まっている。
ジャーナリズムは公共性が必要だけど、ビジネスとして飯を食っていかなければならない。ちゃんとしたジャーナリズムをやるためには、お金を稼がなければならない。
これまではあえてお金をすることは、はしたないというような風潮が業界にあったが、それはそれでいい部分もあるが、TVとか新聞社が既得権益にあぐらをかいているだけともとることができる。
そういう意味で今メディア業界は曲がり角にあって、ようやく佐々木さんのようなオールドメディアからの移籍がでてきているので、非常に注目できるようになっている。

 

自己紹介・ジャーナリズム・メディアに思っていること

菅谷さん:普段はアメリカのボストンにいる在米のジャーナリストと、リーマンジャーナリズム財団という世界のジャーナリズムのスタンダードをあげようというプログラムを行っている。
メディアをよくしたいという考えがあって、メディアを豊かにするには、メディアの側だけではなく、読者・視聴者にもメディアのことを理解していかなければいけないと思い、2000年にメメディア・リテラシー―世界の現場から (岩波新書)という本で、メディアの公共性とか市民の参加について書きました。

長澤さん:社団法人インターネット広告推進協議会というインターネットメディアの業界団体の事務局2月からをやっています。
その前は電通にいて、最初の15年間は新聞社と広告に関する事業などをやっていました。
ちょうど日本にインターネットが入ってきたときに、新聞社にネット広告 またサイバーコミュケーションという企業でネットに関する広告なども18年やっていました。このように古いメディア新しいメディア両方を経験しているのは、幸せだったと思います。
メディアの苦悩――28人の証言 (光文社新書)という本を出して、メディアビジネスはネットで拡大しているが、あまりにもメディアがビジネスによりすぎていて、ジャーナリズムのパワーが落ちてきている。日本の政治情勢・社会情勢を見る中で感じている。
もともと新聞が好きで、ジャーナリズムは社会の公共性を維持するために生き残って欲しいなと思っている。

佐々木さん:ちょうどNewsPicksに移ってから2週間経ちますが、東洋経済の中では若手だったけど、今は100人以上いる会社だけど平均年齢30歳で若い人に囲まれるようになったので、急に年を取った気分です。
NewsPicksに移った理由として大きいのは、あくまでツールではあるが、テクノロジーがこれからのジャーナリズムで重要な部分になると考えているから。NewsPicksは社員の3〜4割ほどがエンジニアで、エンジニアと机を並べて一緒にやっていけるのはとてもいい体験になっている。

古田さん:佐々木さんの記事を給与について聞いてみたけど教えてくれなかった。言っていたのは、この移籍話があったときに、給与は聞かなかったということ。
佐々木さんの羨ましい部分は、新聞は減っていくばかりでいずれ滅ぶものではあると思うけど、朝日のウェブ版は5億PVを超えていて、会員数は150万人で、有料読者が15万人ほどいる。日本の新聞社の中で一番データジャーナリズム・調査報道などに取り組んでいるのは朝日なので、現状は羨ましいなどはない。
ビジネスの面では朝日は現在2000人以上の抱えていて、データジャーナリズムなどができているのは、新聞の販売収入があるから。しかし販売収入は必ず減っていくことは、これから新しい取り組みが必要ではあるが、

津田さん:新聞のビジネスモデルはこれからは成り立たない。朝日の今後を考えたときに、これからどのくらいの記者数がジャーナリズムに適していると思いますか?

古田さん:アメリカのProPublicaの社員は30人ほどだし、スノーデンのように1人でもジャーナリズムはできるが、組織として全国の報道をしていくためには、全国組織が必要でそうなるとかなりの人数が必要になってくる。
現状2000人でも忙しいと言っているので、何人が適性かということはわからない。

 

津田さん:NewsPicksに入社したときに、ストックオプションはどのくらいもらいましたか?

佐々木さん:まだもらっていないけど、ある程度もらえる予定。給与の話をしなかったのはお金が大事ではないということではなく、後から稼げるようにしていけばいいやと思っていたから。
私の1つの目標は数千万稼げる記者をこれから生み出していきたい、既存メディアと新興メディアの違いは、給与の差が大きな要因なので、給与をあげれるようにしていきたい。
安いネットメディアではなく、自由なジャーナリズムと金銭面を両面を得ることができるようにしていきたい。

津田さん:新興メディアへの人材の流動性を考えるために、今は給与を払えないけど、テクノロジーでこれからの将来性もあるということで、ストックオプション払うということもあると思っている。

瀬尾さん:今は現代ビジネスの編集長をやっているのと、2020企画部の部長というのもやっている。またゲキサカ[講談社]もやっていて、1億PVを超えているのでサッカーサイトの中で1位はもちろんだが、シングルイシューのメディアとしても成功している。
僕らが意識していることが、儲かるジャーナリズムを作るということ、儲からないと持続性もないし人材も集まらない。
もともとジャーナリズムに憧れたのは、橘隆志さんに憧れて、将来こういうことをしたいと思って、それをできるのは出版社だと思っていたので日経BPに入って、途中から講談社に入った。
週刊誌ってフライデーとかのスキャンダルのイメージもあるが、日本の調査報道を支えている部分もある。それを政治とか経済のジャーナリズムに応用した。
こういうのはブログメディアの個人ではなかなかできない。こういう調査報道を支えていくためには、組織が必要で雑誌とかだとこれから難しいけど、ネット上なら調査報道メディアができるのではないかと思っている。
実際に現在ビジネスで調査報道・ジャーナリズムをやりたいなと考えている。まだそこまで体力はないが、新しいアジェンダ・才能などの発見みたいなことはできているが、近いうちに調査報道・ジャーナリズムをやりたいと考えている。

 

メディアのマネタイズ

津田さん:良質な記事を出して、儲けるのはいいと思うというコメントはあったが、ハフポの本家はコスメで儲けているし、日本は猫の記事で儲けている。日本の新聞社は不動産で儲けている。しかしこういうことは悪いことではないと思っている。
純粋なジャーナリズムをやっていてもどうしても儲からない。だからこのように調査報道のようなすぐにお金にならないものをやるために別で儲けるのは必要なこと。
菅谷さんは豊かなメディアと言っていましたが、これはどのようなことでしょうか?

菅谷さん:豊というのは、基本的にジャーナリズムは民主主義と深い関係がある。情報を市民が与えられて、それに基づいて判断して、政治を動かすことができる。
しかしメディアは基本的にビジネスであり、読者がいなければ成立しない。
栄養バランスのフードピラミッドの話をしていて、猫の写真は大事だけどデザート。今はソーシャルな時代で情報を自分で選択をでき自由なので、デザートだけを食べていくことができるが、それでは民主主義が成り立たない。嫌だけどたんぱく質になるような政治に関する記事なども見なくてはいけない。
ジャーナリズム側も大事だが、消費者側も栄養バランスを再考しなければならない時が来ている。

津田さん:ジャーナリズムは正論から始まっていて、公正であるべきであるが、オピニオンを出すことはジャーナリズムの原則でもある。
なぜ日本人は、事実だけを報道してくれれば後で判断することができる、メディアリテラシーを持っていると考えていると思いますか?

菅谷さん:まず真実は非常に複雑で難しい。真実があると思っていても、後に変わることもあるので、真実は幻想のような危ういもの。
アメリカやヨーロッパでは右・左に分かれているので、自分の思想に近いものを真実として見て安心していることが証明されている。
日本は右・左のはっきりとして対立軸がないので、本当のことがあると思い込んでいる。
本当のことというのはすごく難しい。その複雑さを理解することがファースステップになるかと思っている。

津田さん:朝日はたたかれているけど、記事を出す時に心がけていることは?

古田さん:よく勘違いされているのは、先に論があって記事を作っていると言われていること。
そういうことはなく、仮説は持っているけど、ストレートニュースは淡々と書いている。
統計を見たり、取材をする自分の考えと違うこともある、その場合は仮説を捨てて、事実を淡々と書いている。
よく事実を淡々と書けと言われるが、事実はたくさんあり、それらの事実を論理的に繋ぐことなので、その中には事実を超えたものがある。そのため事実を淡々と書くことは僕の感覚では不可能である。

津田さん:マネタイズと言っているが、それは単なる情報ビジネスじゃないかというコメントがある。
その中には、情報ビジネスの商業性とジャーナリズムの公共性を両方持っている。その割合はどのくらいがいいと思いますか?

瀬尾さん:ビジネスになるのは情報ビジネス 日経はそれが上手い。
儲かるのは、情報ビジネスだけど、取材の方法論はそんなに変わらない。ファクトを積み重ねていく、その先に情報ビジネスがある。
中立性なんてのはありえない、そのことの嘘をついているからみんな反発している。
増税の賛否などそのスタンスを明らかにすることによって、公正のメディアがあり、その先にだからあんまりわけても意味がない。

津田さん:新興メディアと既存メディアのその違いは?
既存メディアはキャッシュフローがあるので、公正なジャーナリズムを追求しやすい。

佐々木さん:メディア単体でやるのはかなり厳しいので、それ以外で稼いでいくこと必要。東洋経済は四季報、新聞社は不動産で儲けている。
ポートフォリオをうまく組むことが必要。NewsPicksはspeedaというものBtoBの企業情報サービスで儲けている。
メディアをやる経営者はメディアビジネス以外で他のお金を得る方法を考えることが必要。

 

 

メディアのマネタイズはよく難しいと言われていますが、やっぱり難しいですね。特にジャーナリズム・調査報道のようなところは人件費がかさむので、なかなか難しい部分も多いのかなと思います。

そんな中で、ジャーナリズムをやりながら収益を得ていく方法を見つけたり、宅配で人々の習慣に入り込むビジネスモデルを作った日本の新聞社って凄いですね。

 

後半では最近話題のネイティブアドなどを含めた話をアップしていきます。

ネイティブ広告に必要なこととは?  『津田大介、菅谷明子が登壇!ビジネスの視点から考えるシンポジウム「メディアビジネスとジャーナリズムの未来」』後編 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!

 

 

関連記事・書籍はこちら。

マネタイズに一番大切なのは情熱! 「ハーバードビジネスレビュー編集長が注目WEBサービス担当3名に聞く!最新マネタイズ戦略」 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!
ネット時代ののメディアの教科書 「5年後メディアは稼げるか MONETIZE OR DIE」 | 新卒でプロブロガーを目指すブログ!

 

 

Facebookでシェアする

Twitterでシェアする

はてなブックマークに追加

 更新をチェックする! follow us in feedly

カスタム検索

Popular Post

Copyright© 新卒フリーランサーのブログ!2014 All Rights Reserved.