いいものを作りたければ学び続けるしかない。 クリエイターの姿勢が参考になる「感動をつくれますか?」

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 -  書評

音楽プロデュースなどをしている久石譲さんの感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)を読みました。

作曲家などは今まで全く知らなかったので、久石譲さんのことは全く知らなかったのですが、久石さんのクリエイター・プロデューサーとしての姿勢、心構えが非常に面白い本でした!

 

そして、ジブリの風立ちぬの音楽など、色々な映画の音楽を手がけたり、作曲も演奏も指揮も何でもこなせるすごい人のようです。

一つだけYouTubeから動画も貼り付けておくので、興味がある人は見てみてください。

 

完成と向かい合う

ものづくりの姿勢

・ものをつくる姿勢には、二つの道があると思う。一つは、自分の思いを主体にして、つくりたいものをつくる生き方。自分の価値観、自分の信念にしたがって、自分自身が満足のいくものを追い求める。人が理解できないものを生み出すこともあるし、一つの作品を仕上げるまでに、果てしなく長い時間を費やすこともある。必然的に、採算や生産性といったことは度外視することになる。芸術家とは、この道を往く人だ。もう一つの在り方は、自分を社会の一員として位置付けてものづくりをしていく在り方。需要と供給を意識し、今自分は何を求められているかを見据えた中に身を置く。自ずと商業ベースで考えることになる。世の中の大多数の職業というものは、こちらだといっていいだろう。

ものづくりを仕事にするとは?

・「作曲家として最もプライオリティを置いていることは何ですか?」と問われたら、僕は迷わず、「とにかく曲を書きつづけること」と答える。今、僕のやっている音楽はエンターテイメントの世界だ。ジャンルでいえばポップスに属する。では、売れればいいのか、目的はヒットする曲を書くことか。それもまるっきりないとはいわない。が、売れることだけに価値を置いていたのでは、志としていささか哀しい。

・優れたプロとは、継続して自分の表現をしていける人のことである。

感性の肝

・作曲には、論理的な思考と感覚的なひらめきを要する。論理的思考の基になるものが、自分の中にある知識や体験などの集積だ。何を学び、何を体験して自分の血肉としてきたかが、論理性の根本にある。感性の九五パーセントくらいは、実はこれなのではないだろうか。

・肝心な要素は、残りの五パーセントの中にある。それが作り手のセンス。感覚的ひらめきである。創作にオリジナリティを与えるその人ならではのスパイスのようなもの。これこそが〝創造力の肝〟だ。ものづくりにおける核心は、やはり直感だと僕は思う。こっちの方向に行ったら何か面白いものができそうだというのは、直感が導くものだ。直感の冴えが、作品をどれだけ素晴らしいものにできるか、よりクリエイティブなものにできるかという鍵を握っている。ところが、もっと突き詰めていけば、その直感を磨いているのも、実は自分の過去の体験である。ものをつくるということは、ここからここまでは論理性でここからが独自の感覚だと割り切れるようなものではなくて、自分の中にあるものをすべてひっくるめたカオス状態の中で向き合っていくことだ。

頭で考えるよさを超えたもの

・頭で考えていたものを凌駕するものが生まれてくるとは、こういうことだ。このひらめきをうまくつかまえられると、その曲づくりは間違いなくうまくいく。一人の人間の個性といっても、そこにはさまざまな要素がある。感覚的な部分も、理論的な部分もある。俗っぽい部分もあれば、知性的であろうとする部分もある。自分自身すごく好きな部分もあれば、ものすごく嫌いな部分もある。これぞ僕の持ち味だと自信のある部分も、逆にここが弱点だという部分もある。ものをつくるというのは、そういう多様な面を併せ持った自分を総動員させながらも、本人が意識しているものを剝ぎ取ったところに妙味が出るものなのではないだろうか。そのためには、その時々の自分の限界まで行ききることが必要で、その行ききった先に、何か新しく魅力的なものが待っている。そんなふうに思う。自分が考えているものの範疇で勝負していたら、月並みなものしか生まれてこないだろう。

 

直感力を磨く

質より量で自分を広げる

・創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。

・質より量、とにかくたくさんのものを自分の中に取り込む。中には、つまらないものを読んでしまった、面白くなかった、と感じることもある。それも蓄積だ。いろんなものを摂取して自分のフィルターを通していく中で、選択眼が身についていくのだと思う。さまざまなところにアンテナを張り、たくさん観て、聴いて、読む。行って、やって、感じる。自分に溜め込む知識や経験知の量を、極力増やしていく。僕自身は、作曲の真っ只中に入ったときは、周囲の情報を完全にシャットアウトするので、詰め込む時期というのが限定されるが。

・(前略)そういうフィジカルな経験があると、イメージにも深みが増す。できるだけ多くの事物に触れて、自分のキャパシティを広げる。それが感性を磨くための第一の真理だ。

感じ取る力を磨く

・感性の肝は、直感力である。いかに経験知に富んでいても、それを自分の創作にうまく活かせなければ意味がない。ここで必要な要素は何か、どんなエッセンスを利かせたら面白いものが生まれるのか、ひらめいたり発想の糸で結び付けたりできるのは、すべて直感によるものだ。直感を養うためには何をしたらいいか。自分のキャパシティを広げる次に大事なのは、直感を感じ取るセンサーが鋭敏に働くように、感度を磨くことだろう。感じ取る力をアップさせることだ。

コップを見て、花瓶といえるか

・既成概念でものを考えることは、直感を誤らせる。これは僕自身にとっても、つねに課題である。

・いろいろな物事に対して、そういう縛られない自由な気持ち、縛られないものの見方ができるようになると、ある種の直感、あるいは本質に到達する力が強くなる。

直感力が幸運を引き寄せる

・「セレンディピティ(serendipity)」という言葉がある。偶然によって思いがけない幸運に巡り合うこと、という意味で使われている。僕は、〝偶然の出会い〟を非常に尊重したい派だ。なぜなら、確固たる自分なんかないと思っているからだ。自分の力など絶対的なものではない。さまざまな影響を受けながらものをつくっていく中で、多少〝自分らしさ〟として浮かび上がってくるようなものでしかない。蓄積やひらめきを発想という名の糸で結び付けているのが直感力だとしたら、自分に幸運をもたらしてくれるものを引き寄せるのも、その直感力だ。直感力を研ぎ澄ませることで、自分の周囲にあるものを受け入れやすい、感じ取りやすい人間になれる。

直感がつながりを呼ぶ

・直感が次のアイディアを生み、それがさらに何かとつながり、と次々と連動してくると、非常に面白い仕事になっていく。これは直感がもたらす連鎖反応だと思う。

 

映像と音楽の共存

プロの一員、プロの自負

・ものをつくる人間に必要なのは、自分の作品に対してのこだわり、独善に陥らないバランス感覚、そしてタフな精神力、この三つだと思っている。どれが欠けてもうまくいかない。

 

日本人とクリエイティビティ

道は日本人の本質をついている

・その道をどんどん突き詰めていったときに、その先をどう設定していくか。ここが大切なのだが、本来、「道」の教えというのは、教わる側が課題を与えられてそれを受動的にこなしていくことではなかった。自分の意思で、次はこういうものを得たい、と自発的に目指していくもの。型を体得することで、その精神性を深めていくところにもともと意味があって、自分が成長するとともに、何を表現していったらいいかという奥義のようなものが見えてくるものだった。究極、何を伝えたいかということも自ずとわかるはずのものだったわけだ。

・日本人は真面目な国民ではあるけれど、規定がなくても問題が生じないのであれば、決まり事なんか要らない。反対に規定しないとやっていけないという面もあったのではないか。日本人のクリエイティビティの問題とも絡んでくるが、道から来る日本人の美学の裏には、そんな多様な日本的習性が潜んでいるようにも思える。

感動をつくれますか? (角川oneテーマ21)より)

 

この本で強く印象に残っているのがこの部分です。

・作曲には、論理的な思考と感覚的なひらめきを要する。論理的思考の基になるものが、自分の中にある知識や体験などの集積だ。何を学び、何を体験して自分の血肉としてきたかが、論理性の根本にある。感性の九五パーセントくらいは、実はこれなのではないだろうか。

・肝心な要素は、残りの五パーセントの中にある。それが作り手のセンス。感覚的ひらめきである。創作にオリジナリティを与えるその人ならではのスパイスのようなもの。これこそが〝創造力の肝〟だ。ものづくりにおける核心は、やはり直感だと僕は思う。こっちの方向に行ったら何か面白いものができそうだというのは、直感が導くものだ。直感の冴えが、作品をどれだけ素晴らしいものにできるか、よりクリエイティブなものにできるかという鍵を握っている。ところが、もっと突き詰めていけば、その直感を磨いているのも、実は自分の過去の体験である。ものをつくるということは、ここからここまでは論理性でここからが独自の感覚だと割り切れるようなものではなくて、自分の中にあるものをすべてひっくるめたカオス状態の中で向き合っていくことだ。

 

その人は何を経験し、何を学んできたのかということで感性の95%くらいを占める論理的な部分を決定し、残りの5%の感覚的なひらめきもその人の過去の経験・学びによってできているということです。

 

アイデアのつくり方という、色々なコピーライターやクリエイター、起業家の人たちが進めるアイディアに関する本でもこれと似たようなことが書かれています。

アイディアの源泉になる部分は、すべてこれまでのインプットの中にある。「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。」と書かれています。

 

アイディアは組み合わせによって生まれますが、その組み合わせのアイディアもこれまでのインプットの量を増やす、インプットの質を高めることでしか生まれないのです。

 

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